犬は桃を食べても大丈夫?適量や与え方、アレルギー症状などの注意点
6~9月に旬をむかえる桃。
甘くてジューシーな桃は香りも良く、とても美味しいですよね。
飼い主さんが桃を食べていると、「ちょうだい!」と催促するワンちゃんも、多いのではないでしょうか?
でも、その可愛い催促につられて、桃を与えてしまっても大丈夫なのか、心配ですよね。
そこで今回は、犬は桃を食べても大丈夫なのか、特集します。
- 犬に与えるならどのぐらいの量までセーフ?
- 桃アレルギーの心配はある?
など、気になる桃情報を全て網羅しています!
ぜひ参考にしてくださいね。
犬は桃を食べても大丈夫?
桃の実の部分には、犬にとって有毒な成分は含まれていませんので、犬は桃を食べても大丈夫です。
甘くて美味しい桃が大好きという犬も多いようですね。
桃には、たっぷりの水分と糖分、そしてビタミン類やミネラルなども含まれているので、夏の水分補給や疲労回復にはピッタリの果物と言えます。
ただし、桃を食べ過ぎると消化器官に負担がかかったり、アレルギーを起こしたりする子もいます。
さらに、実以外の部分には毒性のある物質が含まれているため、食べさせ方や食べさせる量には注意が必要です。
犬に桃を与えるときの適量と与え方
それでは、犬に桃を与えるときの適量と与え方についてみていきましょう。
美味しい桃を上手におやつに取り入れるには、量と与え方が重要ですよ。
体重5kgの小型犬なら25g程度を目安に
桃は水分や糖分も多く、また食物繊維も含まれています。
食べ過ぎると消化不良を起こす可能性やカロリー過多となる可能性があるため、ある程度量を制限することが大切。
体重5kgの小型犬なら、桃25g程度が目安となります。
普通サイズの桃1個は、だいたい200g程度ですので、25gというと8分の1切れになります。
また、体重10kgの中型犬なら35g程度、体重20kgの大型犬なら50g程度を目安としましょう。
桃は、100gあたり40キロカロリーほどなので、この量ならカロリー的には負担になりません。
ただし、食物繊維量に関しては、この量でもダメ…という子もいるかもしれません。
犬は食物繊維を消化するのが苦手な子が多く、食物繊維をどの程度消化できるのかについては、個体差が激しいと言われています。
生まれて初めて桃を食べさせるときは、まず少量から様子をみましょう。
また、普段桃を食べられる子でも、お腹の調子がイマイチ…という時には、桃を与えるのは控えたほうがいいかもしれません。
桃は細かくカットしてあげましょう
桃の場合、手で簡単につぶせるぐらい柔らかいものもあるため、「丸ごと与えてもOKなのでは?」と思ってしまいますよね。
でも、それはやはり危険です。
犬に桃を与える場合は、他の果物や野菜のように、細かくカットしてから与えましょう。
犬に野菜や果物を与える際の鉄則は、「細かくカットすること」です。
野菜や果物に含まれる食物繊維の消化を苦手とする犬は多いため、なるべく繊維を断ち切ることが大切とされます。
また、丸ごと与えてしまうと、噛まずに丸飲みしてしまう犬もいるかもしれません。
すると、いくら柔らかい桃でも、喉(のど)や消化器官に詰まってしまうというリスクは回避できません。
犬が桃を食べるメリットや栄養効果
それでは次に、犬が桃を食べるメリットや栄養効果についてみていきましょう。
水分補給以外にも、様々な健康効果が期待できますよ。
身体を冷やさず水分補給できる
桃のメリットとしてまず筆頭にあがるのは、やはり「水分」です。
桃の88%ほどは水分なので、夏場の水分補給にピッタリと言われています。
とはいえ、犬が食べてもいい桃の量は、限られていますよね。
そこでおすすめなのが、桃の良い香りを生かした水分補給方法。
適量の桃を細かくカットして、飲み水の中に浮かべてあげてみてください。
普段、水に見向きもしない子でも、桃の良い香りにつられて水に興味を持ってくれるかもしれません。
また、夏野菜や夏の果物の多くが「身体を冷やす」効果があるのに対して、桃は身体を温める効果があるそう。
また、クエン酸や糖分など、疲労回復に効果のある成分も魅力。
冷房などで身体が冷えているワンちゃんや、夏バテ気味のワンちゃんにもおすすめのおやつですね。
ペクチンで便秘解消&カリウムでデトックス効果
桃には、ペクチンという水溶性食物繊維が含まれています。
ペクチンは、硬い便を柔らかい状態にしたり、腸内の善玉菌を増やしたりする効果があります。
桃は普段、便秘がちな子にピッタリのおやつと言えます。
また、腸の調子を整える効果以外にも、血中のコレステロールを下げたり、毒素を排出したりする効果も。
さらに、桃に含まれているカリウムも、ペクチン同様、デトックス効果のある成分。
桃のカリウム含有量は、100g中に180mgほど。
体内に入ってきた余分な塩分や老廃物を排出してくれる効果があります。
ビタミンCやビタミンE、カテキンで抗酸化力にも期待
桃は、抗酸化作用も期待できる果物です。
桃には、ビタミンCやビタミンE、カテキンといった抗酸化作用が高い成分が含まれています。
抗酸化作用とは、身体の中に入ってきたサビの元となる活性酸素の働きをおさえる効果のこと。
活性酸素の働きがおさえられることによって、免疫力が向上し、病気を防ぎます。
老化防止や皮膚・被毛を美しく保つ効果も。
ビタミンCは、犬が自分の体内で作ることができる成分なので、摂取不要とする説もありますが、疲れている時や老犬には食事からの補給が望ましいとされています。
また、カテキンはお茶に含まれるポリフェノールの一種。
抗酸化作用の他に、動脈硬化や心臓病などの病気を防いだり、血流を改善したりする効果に期待が持てます。
犬は桃を食べられるけど注意点が!
犬は桃を食べられますが、いくつか注意点があります。
確認しておきましょう。
桃の種の誤飲に注意
犬に桃の種を食べさせてはダメです。
理由は2つ。
まず1つ目としては、桃の種の固さがあげられます。
桃の種は非常に硬く、ゴツゴツとトガっているところもあります。
犬が種を丸飲みしてしまった場合、喉や腸に詰まったり、消化管に傷をつけたりする恐れがあります。
消化管に詰まってしまうと、外科的な手術で取り出すしか方法がなくなる場合も…。
理由の2つ目は、種に含まれるアミグダリンと呼ばれる中毒物質の存在です。
桃の種には、犬が大量に摂取した場合、呼吸困難や痙攣(けいれん)、嘔吐(おうと)などの中毒症状を起こす、アミグダリンという成分が含まれています。
含有量はごく微量なので、それほど気にする必要はないという説もありますが、やはり中毒物質を摂取するのは不安ですよね。
犬が桃の種を誤飲しないよう、気を付けましょう。
桃の皮は与えない
桃の皮を犬に与えるのも止めておきましょう。
桃の皮には、細かい産毛が生えています。
ざらざらとした触感のため、好まない犬も多いでしょう。
また、桃の皮には実の部分より多くの食物繊維が含まれているため、消化にもよくありません。
桃の皮についている残留農薬についても、スーパーマーケット等で流通している桃なら心配ないレベルですが、やはり気になりますよね。
犬に桃を与える場合は、皮をむいてあげましょう。
与えすぎると、消化不良で下痢や嘔吐に
「桃を食べると、ちょっとお腹が緩くなるな~」という方も多いのではないでしょうか?
桃には、水溶性の食物繊維であるペクチンが豊富に含まれていて、また水分もたっぷりと含まれています。
ペクチンには、水分がなく硬くなった便に水分を取り込んで柔らかくする作用があります。
そのため、食べ過ぎるとお腹が緩くなる傾向があります。
これは犬も同様。
少量の桃を食べさせても、お腹が緩くなる子もいます。
さらに、ワンちゃんの「ちょうだい」攻撃に屈してしまい量を与え過ぎると、消化不良で下痢や嘔吐といった症状に苦しむことも…。
「桃はお腹に効く」ということを頭に入れ、絶対に与え過ぎないようにしましょう。
アレルギーの可能性
桃はアレルギーを起こしやすい果物として知られています。
桃はバラ科に属しますが、同じバラ科であるリンゴや西洋梨、サクランボ、スモモ、アンズにアレルギーがある場合は、桃でもアレルギーを起こす可能性があります。
また、シラカバやハンノキなどにアレルギーがある場合も、交差反応として桃でもアレルギーが出ることも。
上記の食べ物や植物にアレルギーがある場合は、桃を与えないほうが無難です。
また、生まれて初めて桃を食べさせる場合には、ごく少量から試しましょう。
桃を食べた後、皮膚や目、耳などにかゆみや赤みが出たり、嘔吐や下痢といった症状が出たりした場合は、アレルギーかもしれません。
何らかの症状が出た場合は、すぐに動物病院を受診しましょう。
過食は肥満の原因に
甘くてジューシーな桃のことを大好きな犬は多いよう。
そのため、ほんの少しのつもりで与えたとしても、「もっとちょうだい!」と催促してくる犬もいます。
この催促に負けて、犬が欲しがるままに桃を与えてしまうと、確実に太ります。
桃は、ほとんど水分でできてはいますが、糖質も含まれています。
その量は、100g中に約8.9gと果物の中では実はそれほど多くはありませんが、食べ過ぎると肥満の原因となりますので気を付けましょう。
桃の加工品を犬に与えて大丈夫?
桃には、様々な加工品がありますね。
桃の缶詰や桃ゼリー、桃ジュースなどを犬に与えてもいいのか、確認しておきましょう。
桃の缶詰
桃の旬の時期というのは短いため、桃の缶詰をよく食べるという方も多いかもしれませんね。
でも、桃の缶詰には、大量のシロップが使われています。
桃自体には、100gで8.9gほどの糖質が含まれているだけですが、桃の缶詰になると100g中に19.2gもの糖質が含まれることに!
これでは、少量を食べさせたとしても太ってしまいます。
犬に桃の缶詰を与えるのは、避けましょう。
桃ゼリー
市販の桃ゼリーも犬に与えてはいけません。
市販の桃ゼリーには、水・ゼラチン・桃以外に、人工の甘味料や香料などの食品添加物や洋酒などが使われていることが多く、犬の健康を害するおそれがあります。
犬に桃ゼリーを食べさせてあげたいなら、ぜひご自宅で手作りを。
生の桃と水、ゼラチンのみでできている桃ゼリーなら、犬に与えても大丈夫です。
桃ジュース
桃ジュースは、100%果汁のものに限りOK。
ただし、果汁100%とパッケージに書いてあったとしても、砂糖や甘味料、香料などの食品添加物が含まれていることがありますので、よく成分表示をチェックしてくださいね。
また、桃ジュースを犬に与える場合、どのぐらいの量までなら大丈夫なのか…という基準が難しくなります。
あまり甘い味を覚えさせてもいけませんので、小さじに1杯程度を水で薄めて飲ませる程度にしておくといいでしょう。
まとめ:量やアレルギーに気を付ければ、犬に桃を与えてもOK
今回は、犬に桃を食べさせても大丈夫なのか?ということを中心にお伝えしました。
桃は水分たっぷりでビタミンやミネラルも多く、暑い夏場にピッタリの果物ですね。
夏バテ気味で、昼間は涼しいクーラー室にいるというワンちゃんに、最適のおやつとなることでしょう。
ただ桃はお腹に効く果物なので、与える量にはくれぐれも気を付けましょう。
また、アレルギーの有無もしっかりチェックしてくださいね。