犬はひじきを食べて大丈夫?栄養効果や与え方の注意点
日本では、お惣菜としてよく食べられるひじき。
でも海外では「ひじきを食べると危険」としている国もあるそう。
ひじきには豊富な食物繊維やミネラルなどがあり、食材として魅力的ですが、犬に与えていいか迷いますよね。
そこで今回は、犬にひじきを与えても大丈夫なのかを徹底検証します。
鉄分などの健康効果についても確認していきますよ。
犬はひじきを食べて大丈夫?
ひじきの中には、無機ヒ素という発がんリスクのある成分が含まれていますが、しっかりと水洗いや水戻しをして下処理されたひじきなら、それほど多くの無機ヒ素が残っていません。
よって、ひじきを食べることによって、人間はもちろんのこと、犬にも害を与えることはないと考えられます。
ひじきには、多くの食物繊維やミネラルなどの栄養素が含まれていて、犬にとっても健康食材となり得るものです。
ただし、たくさんの量を与えたり、継続的に食べさせたりすることによって、犬の身体の負担となる可能性があります。
また、適切な調理方法をとらない場合も、何らかの健康被害が出るかもしれないため、注意が必要です。
さらに、もともと病気を持っている犬やアレルギーなどにも注意しないといけません。
ひじきを犬に与える時の適量や与え方
それでは次に、ひじきを犬に与える時の適量や与え方についてみていきましょう。
フードの10%以内&週に1度程度に
犬にひじきを与える場合は、「毎日、大量に」ならないよう気を付けないといけません。
フードの10%以内を目安に、フードにふりかける程度と考えて与えるといいでしょう。
フードの10%というのは乾燥重量ではなく、水で戻した状態のひじきの重量とします。
例えば、体重5kg程度のワンちゃんにひじきを与える場合、1日2回食で1回に50g程度のフードを与えている場合は、戻しひじきの状態で約5g程度のものをフードにふりかけます。
ちなみに乾燥ひじきだと1gにも満たない量になるため、必ず水で戻してから計量してくださいね。
また、食べさせる頻度としては、絶対に毎日はダメ。
週に1度程度の使用にとどめておいたほうが無難でしょう。
水洗い&水戻し後、煮る!煮汁も煮こぼすとさらに〇
ひじきには発がん性が指摘されている無機ヒ素が含まれています。
無機ヒ素は、ひじきを水洗いして水に戻すことで5~9割ほど取り除かれることが分かっています。
さらに、ひじきを煮た煮汁を煮こぼす(ゆで汁を捨てる)ことによって、かなりの量のヒ素が取り除かれます。
よって、犬にひじきを与える場合は、必ず水洗い&水戻しをし、さらに煮汁も煮こぼしておくといいでしょう。
ちなみに、「水洗い&水戻し」というのは、日本人がひじき調理で古くから行ってきたものです。
犬がひじきを食べるメリットや栄養効果
それでは次に、犬がひじきを食べるメリットや栄養効果についてみていきましょう。
水溶性食物繊維で健康に
ひじきには、食物繊維がたっぷりと含まれています。
便秘がちなワンちゃんなら、ひじきを食べることによってお通じ改善の可能性もありますね。
ひじきは水溶性食物繊維も多く、有害な物質を便とともに外に排出する役割も果たしてくれます。
また、糖の吸収をおだやかにし、血糖値の上昇を緩やかにする効果も。
ひじきは、血圧を正常にし、コレステロール低下も手助けするため、健康的な体へと導いてくれます。
ミネラル類が豊富
ひじきにはカルシウムやマグネシウム、リンなど、ミネラル類が豊富に含まれています。
カルシウムは骨の形成を助け、マグネシウムはエネルギー代謝にかかわり、リンは筋肉や骨を作る働きにかかわります。
いずれも犬にとって必要な栄養素です。
犬はひじきを食べていいけど注意点が!
犬はひじきを食べても大丈夫ですが、いくつか注意点があります。
確認しておきましょう。
味付けしたひじきを与えない
人間用に味付けしたひじきを犬に与えないようにしましょう。
例えば、ひじきの煮物。
家庭によって作り方は様々だと思いますが、しょうゆやみりん、砂糖、中にはごま油を使う場合もありますよね。
犬がひじきの煮物を食べると、塩分も糖分も過多になる可能性大です。
もちろん犬にも塩分や糖分は必要ですが、必要とする塩分・糖分はすでにドッグフードで摂取できています。
トッピングに使うひじきから塩分や糖分を余分に摂るとオーバーとなる可能性が高いため、注意してくださいね。
食べ過ぎると下痢や嘔吐
ひじきには、本来犬が消化を苦手とする食物繊維が豊富に含まれています。
もちろん栄養効果のところでご紹介したように、適量を摂取すれば、食物繊維は犬にとってとても良い働きをしてくれます。
ただ、過剰に摂取してしまうと、消化しきれず下痢や嘔吐(おうと)といった症状に苦しむ可能性があります。
犬にひじきを与える場合は、「ほんの少量」を意識して、過剰に摂取させないよう気を付けましょう。
アレルギーの可能性
犬がひじきでアレルギーを起こしたという報告はあまり聞きませんが、どんな食材でもアレルギー源となる可能性はあります。
そのため、生まれて初めて犬にひじきを与える場合は、ごく少量から様子をみましょう。
ひじきを食べた後に、皮膚や目、耳のかゆみや赤み、嘔吐や下痢といった症状が出た場合、アレルギーかもしれません。
なお、アレルギーが出るのは食べてすぐとは限りません。
24~36時間ほどは様子をみたほうがいいでしょう。
結石のリスク
ひじきを犬に与える場合に、最も気を付けてほしいのが結石のリスクです。
ひじきにはマグネシウムやカルシウム、リンなどのミネラルが豊富に含まれています。
もちろん、ミネラル類は犬にとって必要なものですが、過剰摂取になると、ストルバイト結石を誘発するリスクがあります。
特に、すでに結石のリスクがあると指摘されている犬や、過去に結石を患ったことのある犬には、ひじきを与えないほうが無難でしょう。
ただし健康なワンちゃんに適量のひじきを与える分には、結石が起きるほどのミネラルを摂取するわけではありませんので、心配しなくても大丈夫です。
鉄分は多くない
ひじきというと「鉄分」というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか?
実は「ひじき=鉄分」というのは、過去のものになっているそうです。
2015年に文部科学省が公表している食品標準成分表の中で、ひじきの鉄分含有量が極端に減っていることが報告されています。
以前は、ひじき100gあたりの鉄分量は55mgでしたが、なんと2015年版では6.2mgになっています。
これは、従来の鉄鍋調理からステンレス製鍋調理へ移行したからだろうというのが、おおよその見解。
つまり、従来は鉄鍋の鉄分がひじきに移行していたため、鉄分が豊富でしたが、現在は鉄鍋調理でなくなったため、鉄分量がぐっと低くなってしまったというわけです。
ただ、これは日本産のひじきに限ったことのよう。
日本ひじき協会の報告によると、韓国産ひじきや中国産ひじきの場合は、日本産より鉄分が多く、47mg程度含有しているそうです。
まとめ:犬にひじきを食べさせるなら、調理法に気を付けて
今回は、犬がひじきを食べても大丈夫なのか、徹底検証しました。
犬はひじきを食べても大丈夫ですが、調理法には気を付けないといけませんね。
ひじきにはあまり鉄分がないため、鉄分補給という効果は期待できませんが、便秘予防には〇。
少量をフードにトッピングするという使い方がおすすめですよ。