犬はメロンを食べても大丈夫？適量や皮・アレルギーなどの注意点
はてブ
送るとても甘くてジューシーなメロン。
メロンを飼い主さんが食べていると、甘い香りに誘われて「ちょうだい！」と催促してくるワンちゃんも多いのではないでしょうか？
でも、気になるのは、メロンを犬に与えても大丈夫なのかということですよね。
そこで今回は、犬はメロンを食べてもいいのか、特集します。
犬にメロンを与えるとしたら、どのぐらいの量までOKなのかということや、皮も果肉と一緒に与えてしまってもいいのかということなど、気になるポイントをおさえますよ。
また、メロンアレルギーや疾患のある犬にメロンを与えていいのかということも。
これを読めば、犬とメロンの真実が丸わかり！
犬はメロンを食べても大丈夫？
犬には、食べられない野菜や果物がありますが、メロンには犬に中毒を起こす成分は含まれていないため、犬に与えても大丈夫です。
メロンは水分たっぷりで、ビタミンやミネラル、その他の栄養も豊富。
犬にとって、美味しくて健康効果もある果物と言えます。
ただし、与えるとしたら果肉部分のみとし、「甘くてみずみずしいメロン、大好き」というワンちゃんも多いと思いますが、食べ過ぎないよう、量にも気を付ける必要があります。
また、アレルギーの可能性や、疾患のある犬には注意する必要も。
毒は含まれないメロンですが、与え方や与える量、病歴などによっては、犬に健康被害をもたらす可能性もあるということですね。
犬にメロンを与えるときの適量と与え方
それでは、犬にメロンを与えるときの適量と与え方についてみていきましょう。
ポイントは、与え過ぎないことと、喉（のど）に詰まらないよう細かく果肉をカットすることです。
体重5kgの犬なら35g程度が適量
メロンには、たっぷりの水分や糖分、食物繊維などが含まれています。
そのため、与え過ぎないことが大切。
体重5kgの犬なら、35g程度が適量でしょう。
直径13cm程度の標準的なマスクメロンの場合、1玉1.4kg、可食部730gとなります。
35gというと、1玉の20分の1程度なので本当にほんの少しにはなりますが、これ以上食べさせると、身体の負担となります。
また、体重10kgの中型犬なら63g程度、体重20kgの大型犬でも105g程度を目安としましょう。
大型犬なら、メロン1玉の7分の1ほど食べても大丈夫ということですね。
ただし、中にはメロンを苦手とする子もいますので、初めて与える際には、少量から様子をみましょう。
果肉部分のみを細かくカットして与えること
犬の場合、食材をよく噛んで飲み込むという習性がない子のほうが多いようです。
そのため、メロンをカットせずに丸ごと与えると、そのまま丸飲みして喉や消化器官に詰まらせてしまう子がいます。
そうなると、簡単に取り出すことは困難になり、最悪の場合、外科的な手術で取り出すしか方法がなくなる場合も…。
そうならないよう、犬にメロンを与える場合は、柔らかい果肉部分のみを細かくカットしましょう。
犬がメロンを食べるメリットや栄養効果
それでは次に、犬がメロンを食べるメリットや栄養効果についてみていきましょう。
赤い果肉のメロンにはβカロテンが豊富
赤い果肉のメロンには、βカロテンが豊富に含まれています。
赤肉メロンには、100g中に約3600㎍ほどのβカロテンが含まれています。
この量は、果物の中でもトップクラス！
βカロテンは、犬の体内に入ると必要量のみビタミンAに変換され、抗酸化作用を発揮します。
体内に入ってきたサビの元となる活性酸素の働きをおさえ、免疫力を高め、皮膚や粘膜、被毛を健康に保つ効果も。
水分補給や身体を冷やす効果も
メロンは、約87％が水分でできています。
夏場に食欲がなくなった犬や、水をあまり飲まない犬には、おやつでメロンを与えると水分補給になります。
また、東洋医学的にいうと、メロンには体の熱を取り除く作用もあるため、暑さ対策としてもおすすめ。
甘いメロンなら好んで食べるというワンちゃんも多いので、おやつとして取り入れやすいですよね。
興奮を鎮めるギャバ
メロンには、鎮静効果抜群のギャバという天然アミノ酸成分が含まれています。
ギャバは、発芽玄米やトマトなどにも含まれている成分ですが、メロンのギャバ含有量は、ずば抜けています。
お留守番が多いワンちゃんや、雨続きで散歩に出られない時など、「愛犬がストレスを感じているかも？」という時にメロンをおやつにしてやると、落ち着いた気持ちに導いてあげることができるかもしれません。
犬はメロンを食べられるけど注意点が！
犬はメロンを食べられますが、いくつか注意点があります。
確認しておきましょう。
皮や種は与えない
犬にメロンの皮や種を与えないようにしましょう。
さらに言うと、皮の近くの部分の果肉ではなく、できれば中心部に近い果肉を与えるとより安心です。
犬に皮や種を与えてはいけない理由は2つ。
1つ目は、皮や種の食物繊維は固く、多いため、犬は上手く消化できない可能性が高いからです。
種の場合は、サイズが小さいため、未消化のまま便として排出される可能性が高いと言えますが、皮の場合、そのまま与えてしまうと、丸飲みして喉や消化器官に詰まる可能性があります。
2つ目は、皮の近くや皮に含まれるククルビタシンという苦み成分を犬に与えたくないからです。
ククルビタシンは少量なら、抗ガン作用や認知症予防などの効果が期待できます。
しかし、大量のククルビタシンを摂取すると、嘔吐（おうと）や下痢という食中毒に似た症状で苦しむ可能性があります。
メリットとデメリットとが、隣り合わせにあるククルビタシン。
まだ、犬への効果もはっきりしたことが分かっていないため、今のところは念のため避けておいたほうが無難です。
食べ過ぎると消化不良で下痢や嘔吐に
メロンには、水分がたっぷりと含まれています。
また、犬が消化を苦手とする食物繊維も含まれています。
そのため、食べ過ぎると消化不良を起こして、下痢や嘔吐を引き起こす可能性があります。
甘くて美味しいメロンのことを大好きという犬も多いため、飼い主さんがしっかりと量をコントロールしてあげましょう。
アレルギーの可能性
メロンは、アレルギーを起こす可能性があります。
特に、ブタクサやヨモギ、スギ、シラカバ、オナモミ、西洋オオバコ、ニワトコなどにアレルギーを持っている犬の場合、交差反応としてメロンにもアレルギーが出る場合があるので、注意しましょう。
また、それらの植物にアレルギーが無い場合でも、初めてメロンを食べるワンちゃんは要注意。
初めてメロンを食べる場合は、少量から様子をみましょう。
メロンを食べて、皮膚や目、耳のかゆみや赤み、下痢や嘔吐といった症状がみられるようなら、アレルギーかもしれません。
何らかの症状が出たら、すぐに動物病院を受診しましょう。
ちなみに、人間の場合、「メロンを食べると口の中がイガイガする」という方や「メロンで舌や唇がヒリヒリする」ということがあります。
これは、メロンに含まれるタンパク質分解酵素のククミシンという成分が原因。
厳密にはアレルギーではなく、粘膜等がククミシンによって刺激を受けたことに反応したものですが、犬も人間同様に刺激を感じる可能性もあります。
犬がメロンを食べるのを嫌がる場合には、無理強いしないようにしましょう。
糖質を含むので、与え過ぎると太る
メロンを犬に食べさせる際によく言われるのが、「メロンはカロリーが高いから、与え過ぎると太る」というもの。
でも実はこの情報、厳密にはちょっと違います。
メロンのカロリーは、100gで42～44kcal（キロカロリー）ほど。
他の果物と比較すると、
と、メロンのカロリーが特段高いわけではありません。
野菜と比較すると、枝豆やかぼちゃよりはかなり低くなりますが、ブロッコリーや小松菜、キャベツ、きゅうりよりは高くなります。
つまり、カロリー的には「中間」といったところです。
でも、メロンを食べ過ぎると太るというのは本当です。
なぜ太るのかというと、原因は糖質にあります。
メロン100gあたりに含まれる糖質は、約9.8g。
バナナやパイナップル、りんごと比較すると、メロンは糖質量も低めではありますが、野菜類と比較するとやはり高め。
「メロンを食べ過ぎると太る」というのは、メロンが糖質を含む食品だからです。
とはいえ、メロンは低GI食品に位置づけられています。
つまり、血糖値アップにはつながりにくい食材であるということです。
そのため、メロンを食べさせたからといって、糖尿病を発症する…ということは考えにくいでしょう。
腎臓病の犬には注意
メロンは、カリウムも多く含みます。
メロンのカリウム含有量は、100g中に約350mg。
これは、バナナに次いで多いカリウム含有量となります。
カリウムは、犬の体内に取り込まれた無駄な塩分や老廃物を排出するデトックス効果がある一方、腎臓や心臓に疾患のある犬には注意が必要な成分。
利尿剤などを服用している場合も、摂取しないほうがいいでしょう。
メロンパンやメロンゼリーは犬に与えて大丈夫？
メロンといえば「メロンパン」や「メロンゼリー」が気になりますよね。
これらの加工品を犬に与えてもいいのか、確認しておきましょう。
メロンパン
メロンパンはもちろん、犬に与えないでくださいね。
「メロン」という名前がついていますが、これは単に見た目がメロンに似ているからという理由。
決してメロンが中に入っているわけではなく、メロンパンの原料は小麦粉に糖類、そしてマーガリン等の油です。
どれも、犬にとっては不要なものばかり。
メロンパンを間違って食べたからといって、中毒症状を起こすということは考えにくいですが、犬の身体に良いとは言えません。
メロンゼリー
人間用に作られた市販のメロンゼリーを犬に与えるのはやめましょう。
市販の人間用メロンゼリーの中には、人工的な甘味料や香料、着色料などの添加物がたっぷり含まれていることが多いからです。
「低カロリー」などの表示がある市販メロンゼリーの場合、甘味料にキシリトールが使われていることもあり、危険。
キシリトールは、犬に中毒を起こす成分です。
ただ、ご自宅で手作りのメロンゼリーをつくるというなら話は別。
材料に、メロン・ゼラチン・水のみを使うなら、大丈夫です。
なるべく砂糖を添加せずに、カロリーをおさえたものを作ってくださいね。
まとめ：犬にも少量のメロンならOK！美味しいおやつで癒しに
今回は、犬にメロンを与えても大丈夫なのか？ということを中心にお伝えしました。
犬にも少量のメロンなら与えて大丈夫です。
美味しく、鎮静効果もあるメロンは、犬にとっても癒しのおやつになるはず！
皮やアレルギーに気を付けて、量も調整しながら与えてみてくださいね。