犬は小松菜を食べてもいい?生でも大丈夫?与える量や注意点
栄養豊富でアクも少ない小松菜は、調理しやすく、また一年中手に入る野菜なので使いやすいですよね。
人間用にお浸しなどを作ったついでに「犬にも、おすそ分けしてあげたいな」と思う飼い主さんも多いのではないでしょうか?
でも、犬に小松菜を与えても大丈夫なのか、気になりますよね。
そこで今回は、犬が小松菜を食べてもいいのかを解説したいと思います。
- 犬に生の小松菜を与えてもいい?
- 犬に与えてもいい小松菜の量は?
など、犬に小松菜を与える際の気になるあれこれも!
犬は小松菜を食べてもいい?
小松菜には、健康な犬にとって有害となる成分は含まれていませんので、犬は小松菜を食べても大丈夫です。
ただし、一部の病気を抱えている犬にとっては、小松菜は有害となることも。
また、与え方や与える量にも気を付けないと、健康被害を受ける可能性があります。
栄養豊富で味も良い小松菜ですが、犬に与える場合は、いくつか注意点がありますので確認していきましょう。
生の小松菜でも大丈夫?犬に与える時の適量や与え方
まず、犬に小松菜を与える場合の適量や与え方についてみていきましょう。
生の小松菜はNG!茹でて細かく刻んで与えるのがベスト
小松菜はアクが少ない野菜なので、「生でも大丈夫かな?」と思いがちですが、生のまま与えるのはやめましょう。
必ず茹でて、柔らかくしたものを細かく刻んで与えるのが、基本となります。
茹でる理由は2つ。
1つ目はシュウ酸です。
小松菜に含まれるシュウ酸は、ごく微量とは言われますが、全く含まれていないわけではありません。
シュウ酸は尿路結石等の原因となるため、なるべく摂取したくない成分です。
茹でることによって、シュウ酸をある程度取り除くことができるので、必ず茹でましょう。
茹でる理由の2つ目としてあげられるのが、消化吸収が良くなるということです。
小松菜には、食物繊維が含まれています。
犬は、食物繊維を消化吸収するのが苦手です。
小松菜を茹でることによって、柔らかくなり消化吸収しやすくなります。
消化吸収のしやすさという観点から、茹でたものをさらに細かく刻んで与えるとベストです。
小松菜の葉1枚程度が量の目安
小松菜を「どのぐらいの量までなら犬に与えていいのか」という研究は、現在のところ試されていません。
そのため、適量を明記することはできませんが、一応の目安として、「中型犬で小松菜の葉1枚程度」と覚えておきましょう。
チワワやトイプードルといった小型犬なら、小松菜の葉1枚より少ない量を、大型犬なら小松菜の葉2枚程度に。
もちろん、この量でも多すぎる子もいるかもしれませんので、愛犬の様子をよく観察しながら与えてください。
主食のドッグフードのトッピングとして、少量をふりかけて与えるというイメージで。
決して、主食の邪魔にならないようにすることが大切です。
犬が小松菜を食べるメリットや栄養効果
それでは、犬が小松菜を食べるメリットや栄養効果についてみていきましょう。
βカロテンなど抗酸化作用が期待できる栄養素が豊富!
小松菜には、βカロテンやビタミンC、ビタミンEなど、抗酸化作用が期待できる栄養素が豊富に含まれています。
これらの抗酸化物質は、体内に入って来た活性酸素に対抗して、体の免疫力を上げて、老化を遅らせる働きが期待できます。
被毛や皮膚を美しく保ったり、ガンを予防したりといった効果もあることから、特に7歳以上のシニア犬におすすめのオヤツと言えます。
ちなみに、ビタミンCに関しては、犬の場合、自身の体内で生成できるため摂取不要という意見もありますが、老化するにつれてその生成能力も低下します。
そのため、高齢犬にとって、ビタミンCを食事から摂取するのは必要と言えます。
カルシウムや鉄も豊富
小松菜は野菜ですが、実はカルシウムを豊富に含みます。
カルシウムの量は、牛乳よりも多く、小松菜100g中にカルシウム170mgが含まれているのに対し、牛乳は100g中に110mgのカルシウムしか含みません。
カルシウムは骨や歯を丈夫にし、精神を安定させる効果もあると言われています。
また、小松菜には鉄も多く含まれています。
鉄は血液の中に入って、全身に酸素を供給する役割を果たします。
フードにも鉄は充分に含まれていますが、毛の抜け変わりの時期や生理時などは不足しがちになるため、小松菜から摂取できるのはありがたいですね。
犬は小松菜を食べていいけど注意点が!
犬は、小松菜を食べてもいいことが分かりましたね。
でも、犬に小松菜を食べさせる際には、いくつか注意点があります。
確認していきましょう。
食べ過ぎると消化不良で下痢になる可能性
小松菜には、多くの水分と食物繊維が含まれています。
犬は本来肉食で、食物繊維の消化は得意ではありません。
もちろん、少量の食物繊維は犬にとっても必要ですが、大量の食物繊維となると消化できず、膨満感や嘔吐(おうと)、下痢などを起こす可能性があります。
犬に小松菜を与える際には、必ず葉1枚程度という適量を目安とし、与え過ぎないように気を付けましょう。
腎臓の病気!結石のリスク?
尿路結石を一度でも起こしたことがある犬には、小松菜を与えるのは控えたほうがいいかもしれません。
特に生の小松菜には、シュウ酸が微量ながらも含まれていますので、避けましょう。
ただし、茹でた小松菜にはそれほど多くのシュウ酸は含まれませんので、気にするレベルではないと言えます。
甲状腺疾患のある犬には与えない
甲状腺疾患がある犬には、小松菜を与えないほうがいいでしょう。
小松菜には、ゴイトロゲンと呼ばれるヨウ素の吸収を阻害する成分が含まれています。
ヨウ素は甲状腺ホルモンをつくるために必要な成分。
そのため、ヨウ素の吸収が阻害されると、甲状腺疾患が進むと言われています。
ただ、実はそのような臨床報告は一例もあがっていません。
しかし、「甲状腺疾患のある犬に小松菜を与えても無害」という報告もあがっていません。
つまり現在のところ、小松菜が甲状腺疾患に作用する可能性は、否定も肯定もできない状態と言えます。
病気を悪化させるかもしれないという疑いのある食べ物をあえて犬に与える必要はないと思いますので、甲状腺疾患のある犬に小松菜を食べさせるのはやめておきましょう。
アレルギーの可能性
犬によっては、小松菜を食べることによって、アレルギーを起こす場合があります。
アレルギーの症状としては、皮膚や目、耳などのかゆみや赤みに加え、下痢や嘔吐といった症状があげられます。
生まれて初めて小松菜を犬に食べさせる場合には、まずは少量から様子をみましょう。
そして、何らかの症状が出たら、すぐに動物病院を受診することが大切です。
犬に与えるなら小松菜とほうれん草どっち?
小松菜とほうれん草は、とてもよく似た野菜ですよね。
でも実は、含まれている成分は全く異なります。
ほうれん草も比較的、年中手に入る野菜なので、どちらを与えていいのか悩む飼い主さんも多いのではないでしょうか?
犬に与えるならズバリ「小松菜」をおすすめします。
主な理由は、シュウ酸です。
ほうれん草には、小松菜の15倍ものシュウ酸が含まれています。
シュウ酸を摂取することで、尿路結石にかかるリスクは上がります。
シュウ酸は、できれば犬の体内に入れたくない成分。
ほうれん草を犬に与えるのは、かなりリスキーと言えます。
また、その他の理由として、小松菜の方がカルシウムや鉄分といった栄養素も豊富という点もあげられます。
つまり、小松菜のほうが犬にとってリスクが少なく、栄養価も高い食べ物と言えますね。
犬のおやつレシピ「小松菜の蒸しパン」
短時間で作れるヘルシーな小松菜の蒸しパンの犬のおやつレシピを紹介します。
ペット栄養管理士・ペット食育指導士の資格を持ち、犬の手作りご飯を普及する活動している犬膳猫膳本舗さんのレシピです。
食材(1日分・犬の体重3kg)
- 小松菜・・・100g
- 小麦粉・・・90g
- 卵・・・1個
- プレーンヨーグルト・・・大さじ3杯
- オリーブオイル・・・適量
- ベーキングパウダー・・・小さじ1杯
- 甜菜糖・・・50g
作り方
- 小松菜をあらかじめ茹で、水を切り、細かく刻みます。
- ボールに、小麦粉、ベーキングパウダー、甜菜糖を加え良く混ぜ合わせます。
- ミキサーに、小松菜、卵、オイルを加え、撹拌します。
- 2に、3を加え、粉っぽさがなくなるまで良く混ぜ合わせます。
- 4をスチーマーに流しいれ、500wのレンジで5分加熱したら完成です。
*レンジによっては、調理時間の違いがありますので、注意してください。
*1食分と表示されてますが、あくまでもおやつなので、与える量は常識の範囲で、愛犬の体調を見ながら与えてください。
まとめ:犬にはフードのトッピングとして、茹でて刻んだ小松菜を少量与えてみよう
今回は、犬が小松菜を食べてもいいのか?ということを中心にお伝えしました。
犬にとって小松菜は毒ではありませんが、「生はダメ」「量はごく少量」「甲状腺疾患・腎疾患がある場合もやめたほうがいい」ということが分かりましたね。
犬には、フードのトッピングとして、茹でて刻んだ小松菜を少量与えるといいでしょう。
ただし、消化不良を起こしたり、アレルギーを起こしたりしないか、しっかり見守ってくださいね。
小松菜も犬におすすめの野菜!