犬は里芋を食べていい?生は大丈夫?適量やアレルギーなどの注意点

犬里芋
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秋から冬にかけて、旬をむかえる里芋。

とろりとした柔らかい食感の里芋は、寒くなる季節の煮込み料理にベストマッチですよね。

そんな里芋を「愛犬にも食べさせてあげたい」という飼い主さんも多いのではないでしょうか?

でも気になるのは、犬は里芋を食べていいのかということですよね。

 

そこで今回は、「犬が里芋を食べてもいいのか?」また「生でも大丈夫なのか」「適量はどのぐらいなのか」など、犬と里芋にまつわるアレコレを特集します。

気になるアレルギーや中毒のお話も!

犬は里芋を食べていい?生は大丈夫?

犬に里芋を与えて大丈夫なのか

里芋には、犬が中毒を起こす成分は含まれていませんので、犬は里芋を食べても大丈夫です。

里芋は、手作りの犬用フードに取り入れることも多い食材ですが、生の里芋はダメ

生の里芋にはアクも多く、また犬の中には生の里芋で中毒を起こす子も。

必ず、茹でてしっかりとアクを抜いた里芋を犬に与えるようにしましょう。

犬は生の里芋を食べると里芋中毒に?

犬が里芋で中毒症状

「里芋中毒」という名前を聞いたことがあるという方は、少ないかもしれません。

実は、犬の中には生の里芋を食べると、里芋中毒を起こしてしまう子がいるそう。

ただし、犬の里芋中毒に関しては、かなり情報も少なく、また何が原因物質なのか、どういうメカニズムで中毒を起こすのかもはっきりとは分かっていません

 

ただ、実際にゴールデンレトリバーが、生の里芋数個を食べて激しい嘔吐(おうと)に見舞われたという症例が存在します。

参照:http://www.shimoe-sah.com/blog_new/1035/

また、人間が生の状態の里芋を食べた場合も、同じように下痢や嘔吐に苦しむことがあるそう。

 

中毒物質の一つではないかと疑われているのは、シュウ酸カルシウムです。

生の里芋には、シュウ酸カルシウムが多分に含まれています。

里芋を調理する際に手がピリピリする場合、このシュウ酸カルシウムの結晶が手に刺さることによる刺激からくるそう。

生の里芋を食べると、シュウ酸カルシウムの刺激から口の中が痛くなったり、口内炎やただれといった症状を引き起こしたりすることも。

 

また、生の里芋のデンプンは非常に消化しづらく、消化不良を起こす可能性が高いと考えられています。

生のデンプンは中毒物質というわけではありませんが、消化が悪くなり下痢や嘔吐を引き起こす原因となり得ます。

犬に与える里芋の適量や与え方

それでは、次に犬に与える里芋の適量や与え方についてみていきましょう。

体重1kgにつき6~8g程度の里芋を目安に

犬に与える里芋の適量

犬に与えていい里芋の目安量は、公(おおやけ)に発表されていません。

しかし、犬が消化を苦手とする食物繊維量を基準に考えると、だいたい体重1kgにつき6~8gの里芋を目安とするのがいいと考えます。

例えば、体重5kgの犬なら、30~40gの里芋が目安となります。

30~40gというと、5cm四方の注サイズの里芋1個程度ですね。

 

体重10kgの中型犬なら、60~80gまでが目安量という計算になり、体重20kgの大型犬なら、120~160gまでが目安量となります。

ただしこれはあくまで、目安です。

元来、犬は食物繊維の消化が苦手とされますが、その能力には個体差があります。

ほんの少しの量の里芋を食べて体調を崩す子もいるので、里芋を食べた後はよく注意して見守ってあげましょう。

アク抜きをしっかりとして、必ず茹でる&細かく刻むのを忘れずに!

犬への里芋の与え方

里芋を犬に与える場合は、アク抜きと加熱がポイントとなります。

里芋の皮をむいてから、しっかりと塩もみし、水から茹でましょう。

2~3分沸騰させ、茹でこぼした後、流水にさらしてぬめりをとります。

この後、再び水から火にかけ、ぐつぐつと柔らかくなるまで煮ます。

 

茹で上がったら、細かくカットしたものを犬に与えましょう。

大きいままの里芋を犬に与えると、喉(のど)に詰まらせる可能性があります。

犬が里芋を食べるメリットや栄養効果

犬の里芋効果

それでは次に、犬が里芋を食べるメリットや栄養効果についてみていきましょう。

コレステロール低下&高血圧予防に効果的なねばねば成分ガラクタン

ガラクタンとは、里芋に含まれている粘り気のある成分のことです。

炭水化物とたんぱく質の複合体であるガラクタンは、コレステロールの低下や高血圧の予防に期待ができる成分として注目されています。

動脈硬化を防いだり、がんを抑制したり、脳細胞を活性化させる働きまであるとのこと。

 

里芋には、他にもねばねば成分が含まれています。

それらの中には、消化を促進して食欲増進に効果のある成分や、免疫力を高めてくれる成分なども。

食材に含まれるねばねば成分は、犬にとっても健康効果が期待できるものなんですね。

カリウムでデトックス

里芋は、カリウム量が多い食品としても知られています。

里芋100g中に含まれるカリウム量は、640mgほど。

さつまいもやじゃがいもと比較しても、格段に多く含まれています。

カリウムは、体内に入ってきた余分なナトリウムや老廃物を排出する効果があります。

つまり、デトックス効果がある栄養素ということ。

ナトリウムを排出することによって、血圧を適正に保ち、腎臓をサポートする機能も期待できます。

また、神経がスムーズに働くよう促す効果も。

犬は里芋を食べても大丈夫だけど注意点が!

犬は里芋を食べても大丈夫ですが、「生で食べない」ということ以外にも、いくつか注意点があります。

確認していきましょう。

消化不良による下痢や嘔吐に注意

犬が里芋で下痢

犬に里芋を与える場合、消化不良による下痢や嘔吐に注意しましょう。

里芋には、食物繊維が豊富に含まれています。

また、里芋の主成分はデンプンです。

いずれも、犬は消化を得意とせず、消化不良を起こす可能性があります。

 

上記で犬に里芋を食べさせる場合の適量(体重1kgにつき6~8g)を表示しましたが、これはあくまで食物繊維やデンプンの消化を普通に行える犬の場合です。

特に、食物繊維の消化に関しては、個体差が激しく、中には野菜を食べるとすぐに下痢をしてしまうような犬もいます。

里芋に関しても同じことが言えるので、普段から下痢しがちな犬には里芋を与えない方がいいでしょう。

 

また、その他の野菜で下痢をしないという犬でも油断は禁物です。

生まれて初めて里芋を犬に与える場合は、特に少量から始め、里芋を食べた後の便の様子を観察して、異常がないか確認しましょう。

アレルギーの可能性

里芋アレルギーの犬

犬の里芋アレルギーは、それほど報告数があるわけではありませんが、どんな食材でもアレルゲンとなる可能性はあります。

また、里芋の場合、仮性アレルゲンといってアレルゲンではないはずなのに、アレルギーのような反応を起こす物質「アセチルコリン」が含まれています。

 

皮膚や目、耳のかゆみや赤み、胃痛、下痢、嘔吐など、いわゆるアレルギー反応と言われるような症状が出た場合、アレルギーかもしれません。

すぐに、動物病院を受診して診断をあおぎましょう。

結石のリスク

犬が里芋で結石

里芋の中には、シュウ酸が含まれています。

シュウ酸は、尿結石などの原因物質となるかもしれない成分です。

シュウ酸は、尿中でカルシウムなどのミネラル類と結びつき、結石をつくることがあります。

結石ができると尿道などを塞(ふさ)いでしまい、排尿痛を起こし、尿が出にくくなったり、逆に頻尿になったりします。

尿道にトラブルが起きると腎臓にも負担がかかり、腎臓が著しく傷つけられることも。

 

シュウ酸は、里芋を茹でることで減少させることができます。

よって、犬に里芋を与える際は、よくアクを抜いてたっぷりの水で茹でましょう。

里芋に含まれるシュウ酸の量は、ほうれん草と比べると少ないものですが、しっかりとシュウ酸を取り除くことが大切です。

また、既に結石にかかったことがあるという犬には、念のため里芋を与えないほうがいいでしょう。

カリウム制限がある犬には与えない

カリウム制限がある犬

里芋は、カリウムが非常に多い野菜です。

カリウムはデトックス効果がある反面、カリウム制限を受けているワンちゃんには、決して与えてはいけない物質となります。

例えば、腎臓や心臓に病気を抱えている犬の場合、カリウム制限がある場合が多いため、注意しましょう。

何らかの疾患がある犬のフードは、獣医師による指導が入るはずです。

必ず獣医師の指導に従い、適切なフードのみを与えるようにしましょう。

茹で汁は与えず捨てる

里芋のゆで汁は捨てる

里芋の茹で汁には、たくさんのシュウ酸が溶け出しています

野菜を茹でると、その野菜から様々なエキスが溶け出してうま味となり、美味しいスープとなるものもありますが、里芋の場合、特に最初の茹で汁に出てくるのはアクがほとんどです。

そのアクの中にシュウ酸も溶けだしているので、絶対に犬には茹で汁を与えないようにし、捨てましょう

里芋を使った犬ごはんレシピ

里芋を愛犬に与えたいと思った飼い主さんへ!

里芋を使った犬ごはんレシピを紹介します。

豚汁

里芋の犬ごはんレシピ豚汁

ペット栄養管理士ちゅうさんの里芋を使った豚汁レシピ。

食材(1食分・体重3kgの犬)

  • 里芋・・・小1個
  • にんじん・・・2cm
  • 白菜・・・1/2
  • 豚肉・・・25g
  • 豆腐・・・適量
  • 味噌・・・少々

作り方

1.材料を一口サイズに切る

2.鍋に水を入れ、里芋、にんじん、豚肉、白菜を煮る

3.②が煮えたら味噌を溶かし入れ、豆腐もいれて出来上がり

出典:https://wanchef.com/recipe/1165

こねこねレシピ【つみれ鍋】

里芋の犬のごはんレシピつみれ鍋

 犬の手作りご飯のレッスンを行っているドギーズスープカフェさんの里芋を使った犬ごはんレシピ。

食材(1食分・体重18kgの犬)

  • 鶏ひき肉・・・200g
  • 里芋・・・大2
  • にんじん・・・3cm
  • ブロッコリーの茎・・・1/2本文
  • 生姜・・・少々
  • きのこ・・・適量
  • キャベツ・・・お好みで
  • 味噌・・・お好みで
  • 昆布・・・適量
  • レンコン・・・50g

作り方

1.里芋は柔らかくなるまで茹で、つぶして冷ましておく。

2.にんじん、ブロッコリーの茎、レンコン、キノコをみじん切りにする

3.1が冷めたら、ひき肉と2を入れて良くこねる。(べたべた柔らかいと思います)

4.鍋に水と昆布をいれ火にかけて昆布だしを取る。

5.4が沸騰したら、3を少しずつツミレのように鍋に入れてゆく。(つみれの量はお好みで。種が余ったら冷凍保存可能です)

6.キャベツを細かく切り、5に加えます。

7.全体に煮えたら、犬用に少し味噌を入れて完成です。

8.飼い主さんには味噌の量を増やしてね。

出典:https://wanchef.com/recipe/1013

まとめ:犬は里芋を食べてもいいけど、生はダメ!茹でてシュウ酸除去を

今回は、ねばねば成分に魅力的な栄養が含まれる里芋を犬が食べてもいいのか?ということについてお届けしました。

犬は、もちろん里芋を食べても大丈夫ですが、生はダメです。

必ず茹でてシュウ酸を取り除き、できるだけ犬の身体の負担にならない状態に調理して与えましょう。

量やアレルギーにも気を付けてくださいね。

 

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