犬はゴマ(胡麻)を食べられる?ごま油は大丈夫?適量や与え方の注意点
健康効果が高いということで人気のゴマ。
「犬にもゴマを食べさせてみたいな」と考えている飼い主さんも多いのではないでしょうか?
でも、気になるのは、犬にとってゴマが安全な食材なのかどうかということですよね。
そこで今回は、犬にゴマを与える場合の注意点について確認していきたいと思います。
そもそも、犬にゴマを食べさせても大丈夫なのかということや、ゴマを与えるならどのぐらいの量までならOKなのかなど、解説していきますよ。
犬はゴマを食べても大丈夫?
ゴマには、犬にとって有毒な成分は含まれませんので、犬はゴマを食べても大丈夫です。
人間同様、ゴマを食べることによって、犬にも嬉しい健康効果を期待できます。
風味も良いゴマは、食欲増進にも効果があると考えられます。
ただし、与え方や与える量などに気を付けないと、効果が半減したり、逆に犬の体の負担になったりしますので、気を付けましょう。
愛犬へのゴマの与え方や適量
愛犬にゴマを与える場合に、どのぐらいの量をどのように調理して与えたらいいのかをみていきましょう。
「ゴマをする」ことで栄養吸収率アップ&消化も良好に
ゴマを犬に食べさせるなら、必ずよくすりましょう。
ゴマは、硬い外皮に覆われています。
この外皮は、セルロースという食物繊維でできていて、消化することは困難です。
これは犬のみならず、人間でも同様。
ゴマをすることによって、消化しやすい形にします。
ゴマの外皮の中には、有効な栄養成分がたっぷりと含まれています。
ゴマをすることによって、これらの栄養成分も吸収しやすくなります。
ただし、すったゴマは酸化しやすいため、できるだけ食べさせる直前にゴマをすってあげましょう。
フードにパラパラとふりかける程度が適量
ゴマは本来、犬が摂取すべき食材ではないため、「どのぐらいの量のゴマを犬に食べさせていいのか」という研究はなされていません。
一般的に、ゴマは油分が多く、食物繊維も豊富なため、犬にとって消化吸収がスムーズにいく食材とは言えません。
そのため、量はごく微量がおすすめ。
フードに、パラパラとふりかける程度の量を目安としましょう。
犬がゴマを食べるメリットや栄養効果
それでは次に、犬がゴマを食べるメリットや栄養効果についてみていきましょう。
ゴマリグナンによる抗酸化作用に期待大!
やはりゴマといえば、ゴマリグナンによる抗酸化作用です。
セサミンやセサモリンなどの成分が代表的ですね。
まず、セサミンには、抗酸化作用の他にもコレステロール値を正常にしたり、紫外線による障害を予防したり、肝機能を正常にしたりといった効果が期待できます。
セサモリンは、脂質の酸化を防止し、セサミン同様、体の中の活性酸素を排除する役割を果たしてくれます。
抗酸化作用があるということは、老化防止やがん予防にも効果が期待できるということです。
豊富な食物繊維で便秘予防
ゴマ100gあたりの食物繊維量は10.8g程度と、ゴマの中には豊富に食物繊維が含まれています。
食物繊維には、水溶性と不溶性の2種類がありますが、ゴマの場合、水溶性2.5:不溶性10の割合で配合されています。
不溶性食物繊維は便量を増やし、腸の内容物を動かすぜんどう運動を促進してくれます。
水溶性食物繊維は、腸内の善玉菌を増やして腸内環境を整える役割を果たしてくれます。
ゴマを食べることによって、便通が改善し、便秘予防に効果があります。
不飽和脂肪酸たっぷりで血液サラサラに!
ゴマは、その半分が油分です。
油分というと「太る」など、嫌なイメージがあるかもしれませんが、ゴマに含まれる油分の多くは不飽和脂肪酸と呼ばれる体にとって有益な働きをしてくれる成分。
コレステロール値を下げて、血液をサラサラにし、体の中から健康にしてくれます。
また、被毛が美しくなり、フケを防止するなどの効果も。
犬が食べるなら白ゴマと黒ゴマどっちがいい?
ゴマには「白ゴマ」と「黒ゴマ」とがありますね。
白と黒。
見た目に大きく違う両者ですが、実は栄養的にはほとんど大差ありません。
ただ、白ゴマのほうが黒ゴマよりやや油分とセサミンが多く、黒ゴマはアントシアニンを多く含むという微妙な違いはあります。
微妙な差なので、違いを気にして白か黒か選ぶという必要性はないでしょう。
飼い主さんが、どちらのゴマが好みなのかということで選んで大丈夫ですよ。
白と黒は、風味も微妙に違います。
もしかしたら、犬にも好みがあるかもしれませんね。
犬はゴマを食べても大丈夫だけど注意点が!
犬はゴマを食べても大丈夫ですが、いくつか注意点があります。
アレルギーや消化、肥満など、健康に関わる内容ですので、確認しておきましょう。
アレルギーの可能性
ゴマは、そもそもあまり犬に食べさせる食材ではないため、ゴマアレルギーを持っている犬は少ないと考えられます。
ただ中には、ゴマが原因かもしれないというアレルギーの報告も。
ゴマアレルギーが犬にないというわけではないので、生まれて初めてゴマを犬に食べさせる際には、少量を与え、様子を見守りましょう。
一般的なアレルギーの症状としては、皮膚や目、耳のかゆみや赤み、嘔吐(おうと)や下痢といったものがあげられます。
これらの症状がみられたら、すぐに動物病院を受診しましょう。
与えすぎると消化不良で下痢に
ゴマに多く含まれている油分や食物繊維。
これらを多く摂取しすぎると、犬は消化不良を起こして、下痢や嘔吐といった症状で苦しむ可能性があります。
もともと犬は、食物繊維を消化するのが苦手です。
また、油分も多すぎると分解できません。
ゴマを犬に与える場合は、ぱらぱらとフードにふりかける程度の量にしましょう。
また、すでに何らかの胃腸系の病気の症状がある場合は、少量のゴマでも控えたほうが無難です。
下痢などの症状がある場合、症状が進んでしまう可能性があります。
食べ過ぎると肥満に?
ゴマに含まれている脂質は、とても体に良いものであるという事をすでに説明しましたが、やはり脂肪分であることには変わり有りません。
食べ過ぎると、確実に肥満になります。
100gのゴマに含まれる油分は53.8gで、約599キロカロリーほど。
例えば、大さじ1杯程度のゴマでも50キロカロリー以上となります。
ゴマの風味はとても良く、嗅覚(きゅうかく)が発達している犬は、ゴマを好むことが多いようです。
愛犬の「ちょうだいちょうだい!」という催促に負けてしまい、多めにゴマをあげる…ということがないようにしましょう。
犬はごま油を摂取しても大丈夫?
「犬にゴマを与えても大丈夫なら、ゴマ油もOK?」と気になりますね。
成分だけをみると、ゴマ油も犬にとって有毒ではありません。
ただし、ゴマ油はあくまで「油」です。
100gあたりのゴマ油のカロリーは、なんと921キロカロリーにもなります。
いくら体に良い油でも、与え過ぎれば、肥満のもとになりますし、下痢などの消化器系の症状につながることも考えられます。
もし、ゴマ油をどうしても与えたいなら、ごく少量をフードに垂らすという使い方をしましょう。
ゴマ油は、ゴマ以上に風味がよく、フードの食いつきが良くなります。
ゴマ油はゴマ以上に、過剰摂取には気を付ける必要がある食材と言えます。
あのゴマ製品は犬に与えても大丈夫?
ゴマには、様々な加工品がありますね。
人間用に加工された手軽に与えられる製品として、今回は「ごませんべい」と「ごま豆腐」を与えてもいいのかを考えてみたいと思います。
ごませんべい
ゴマをたっぷりと含んだ「ごませんべい」。
とても美味しく、人間にとってはゴマの栄養効果を期待できるとても良いおやつですが、犬に食べさせるのはNGです。
人間用のごませんべいの中には、塩分など犬が摂取したくない成分が含まれています。
もちろん塩分は、犬にとっても必要ですが、犬が必要とする塩分量は人間が必要とするものよりも少なく、すでにドッグフード等の食事で充分にとっています。
そのため、「おやつで、さらに塩分を」となると、内臓に大きな負担をかけてしまうことに…。
犬にごませんべいを食べさせたいなら、犬用のごませんべいを選びましょう。
犬用のごませんべいなら、体重別に与えられる適量もパッケージに書かれていますし、塩分量を気にせずに与えることができます。
ごま豆腐
精進料理の一つである「ごま豆腐」。
とてもヘルシーで犬にも良さそうですが、人間用のごま豆腐を犬に与えてはいけません。
ごま豆腐の主な材料である「白ゴマ」「くず粉」「だし汁」は、犬にとって毒ではありませんが、やはり塩が問題となります。
犬に、ごま豆腐を食べさせてあげたいなら、ぜひ手作りしてみてはどうでしょうか?
塩を入れなくても、キレイに固まりますよ。
ゴマをするのが面倒でしたら、市販の「練りごま」を使うと簡単です。
ただし、手作りごま豆腐もゴマを多く含むため、食べさせる量には気を付けてくださいね。
【まとめ】犬にゴマを食べさせても大丈夫!でも量には気を付けて
今回は、犬にゴマを食べさせる場合の様々な注意点を中心にお伝えしました。
犬にゴマを食べさせても大丈夫ですが、「油分が多い」「食物繊維も豊富」というゴマの特徴から、食べさせる量にだけは気を付けないといけないことが分かりましたね。
食欲がダウンしている犬には、ゴマの風味は良い刺激になるかもしれません。
ゴマをするのはちょっと面倒くさいかもしれませんが、ぜひ普段のフードに一手間かけてみてはどうでしょうか?