犬はこんにゃくを食べても大丈夫?適量や与え方の注意点

「愛犬が太り気味…」という場合に気になるのは、ダイエット食ですよね。
特に、こんにゃくは身近な食材でもありますし、「犬に食べさせてみようかな?」と考えている方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、「犬はこんにゃくを食べても大丈夫なの?」と気になっている飼い主さんのために、こんにゃくの与え方や適量を徹底解説します。
また、犬にこんにゃくゼリーを与えていいのかも確認しますよ。
犬がこんにゃくを食べても大丈夫?
こんにゃくは、こんにゃく芋に水酸化カルシウムを加えて作られていて、成分のほとんどは水分です。
他に、食物繊維やカリウムなども含まれています。
こんにゃくの成分の中に、犬が食べて中毒を起こすものはないため、犬がこんにゃくを食べても大丈夫です。
ただし、こんにゃくの弾力ある性質や、豊富な食物繊維は、犬にとって有害となることも。
犬にこんにゃくを食べさせる場合は、与える量や与え方に気を付けなければなりません。
愛犬へのこんにゃくの与え方や適量
愛犬に、こんにゃくを与える場合は、しっかりとゆがいてアクを除きましょう。
生のまま食べさせると、エグみを感じます。
3分程度ゆがけば、アクは取り除かれます。
また、こんにゃくは、かなり弾力があります。
喉(のど)に詰まらせないようにするために、ゆがいたこんにゃくを小さくカットすることも忘れてはいけません。
こんにゃくの成分のほとんどは水分ですが、食物繊維も多く含まれています。
犬は、食物繊維の消化が苦手なため、犬に食べさせるなら量に気を付けなければなりません。
体重5kgの犬なら20g程度、10kgの犬なら40g程度を目安としてください。
ただし、この量でも多すぎる場合もあります。
お腹が弱い子の場合や、高齢犬、子犬の場合、こんにゃくを食べさせるのはやめておいた方が無難です。
犬がこんにゃくを食べるメリットや栄養効果
犬がこんにゃくを食べるメリットや栄養効果について確認していきましょう。
不溶性食物繊維が多く、便秘解消に役立つ
こんにゃくには、不溶性食物繊維が豊富に含まれています。
不溶性食物繊維を摂取するとウンチの量がアップし、腸の働きを促し、便秘解消に役立ちます。
また、消化吸収のスピードもゆっくりとなるため、急激な血糖値の上昇も防いでくれます。
ただし、もともと犬は食物繊維の消化吸収を得意としないため、摂取しすぎると弊害が出るので気を付けなければなりません。
カロリーが低いけど、満腹感あり
こんにゃくの主成分は水。
こんにゃくの97%が、水分でできています。
そのためカロリーは極端に低く、100gあたりのカロリーはわずか7キロカロリーほど。
人間の場合、このカロリーの低さと、不溶性食物繊維の豊富さを生かして、ダイエットにこんにゃくを使います。
しかし、犬の場合は、こんにゃくを毎日大量に食べさせるわけにもいかず、継続的にこんにゃくをダイエットに使うのは難しいとされています。
もしダイエットに使うとしたら、週に1回程度、フードを少し減らして、1日の適量とされる量のこんにゃくを細かく刻んで混ぜるという方法がおすすめです。
この方法なら、犬に必要な栄養を損なうことなく、こんにゃくの恩恵を受けることができます。
犬はこんにゃくを食べても大丈夫だけど注意点が!
犬はこんにゃくを食べても大丈夫ですが、いくつか注意点があります。
確認しておきましょう。
消化不良で下痢や嘔吐の症状
こんにゃくには、食物繊維が豊富に含まれています。
犬は食物繊維を消化するのが苦手なので、こんにゃくを食べ過ぎると消化不良となり、下痢や嘔吐(おうと)といった症状に苦しむことがあります。
ただし、食物繊維を消化するのがどの程度苦手なのかは、犬によって違います。
お腹があまり強くない子の場合、ほんの少量のこんにゃくでも下痢や嘔吐を起こすことも。
生まれて初めてこんにゃくを与える場合は、まず少量のこんにゃくから様子をみましょう。
のどに詰まる可能性
犬にこんにゃくの塊をそのまま与えるのは、絶対にやめましょう。
犬は、食べ物を噛む習性がない場合が多いため、こんにゃくを丸飲みしてしまう可能性が高いからです。
こんにゃくを丸飲みすると、のどに詰まる可能性があります。
のどに詰まったこんにゃくは溶けることなく、そのまま気道を塞ぎ続け、放っておくと窒息してしまいます。
アレルギーに注意
こんにゃくの原料は芋です。
芋に対してアレルギーがある場合、こんにゃくでもアレルギーを起こす可能性があります。
犬にこんにゃくを食べさせた後、皮膚・目・耳などのかゆみ・赤みなどの症状が出たり、下痢や嘔吐などの症状が出たりした場合には、アレルギーかもしれません。
アレルギーのような症状が出たら、なるべく早く動物病院を受診しましょう。
結石のリスク
ほとんどが水分というこんにゃくですが、実はシュウ酸も含まれています。
シュウ酸を摂取すると、尿中のカルシウムと結合し、尿道などを塞ぐことも。
シュウ酸カルシウム結石になるのは、尿のpH値が酸性に傾くなどその他の条件がそろった時なので、こんにゃくを食べたからといってすぐに尿結石になるとは限りません。
しかし、結石を起こしたことがある犬には、念のためこんにゃくを与えないほうがいいでしょう。
こんにゃくゼリー(蒟蒻畑)は犬に与えても大丈夫?
こんにゃくといえば「こんにゃくゼリー(蒟蒻畑)」も気になりますよね。
こんにゃくと違って冷蔵庫から出して、そのまま食べられるお手軽さと、美味しさから、ダイエットの強い味方として人間には大人気のおやつです。
ただ、こんにゃくゼリーを犬に食べさせるのはNG。
こんにゃくゼリーの中には、糖分や甘味料、塩分、洋酒、香料など、犬の体の負担になる物質が含まれています。
特に、人工甘味料のキシリトールは、中毒を起こす可能性がありますし、洋酒も死に至る可能性があります。
こんにゃくゼリーは、犬の健康を害する恐れがあると覚えておきましょう。
犬にはこんにゃくを与えなくてもいい
今回は、犬にこんにゃくを与えても大丈夫なのか、ということを考えてみました。
こんにゃくには毒性がないため、中毒の危険性はないと考えて大丈夫ですが、食べさせる量を間違ったり、与え方を間違ったりすると、とたんに健康に影響を及ぼします。
こんにゃくには犬にとってメリットとなる栄養もないため、敢えてリスクを冒して犬にこんにゃくを与える必要はないでしょう。