犬はモロヘイヤを食べてもいい?生や茎は大丈夫?適量や与え方の注意点
古代エジプトで愛され、滋養強壮効果が非常に高い「野菜の王様」とも呼ばれるモロヘイヤ。
日本に入ってきたのは比較的最近のため、犬に与えてもいいのか悩みますよね。
そこで今回は、犬がモロヘイヤを食べてもいいのか、徹底特集します。
- 生のままでも大丈夫なのか?
- 適量はどのぐらい?
など、犬にモロヘイヤを与える際に気を付けるポイントをおさえましょう!
犬はモロヘイヤを食べていい?生でも大丈夫?
市販されているモロヘイヤには、犬にとって毒となる成分は含まれていないので、犬に食べさせても大丈夫です。
モロヘイヤは、抗酸化作用や胃腸の調子を整える効果などが期待できるため、ドッグフードのトッピングに最適な野菜と言えます。
ただし、生のモロヘイヤにはシュウ酸が多く含まれているので、茹でたものを与えましょう。
また、モロヘイヤは家庭菜園でも簡単に育ちますが、モロヘイヤの種子などには毒が含まれているため、注意が必要です。
茎は大丈夫?モロヘイヤを犬に与える時の適量や与え方
それでは、犬にモロヘイヤを与える時の適量や与え方についてみていきましょう。
体重5kgの小型犬なら1本程度(約8g)が目安
モロヘイヤを「犬にどのぐらいの量を与えていいか」という目安量についての公式なデータは、存在していません。
しかし、含まれている栄養素の量などから判断すると、体重5kgの小型犬なら1本程度(約8g)を目安とするといいでしょう。
体重10kgの中型犬なら2本程度(約16g)、体重20kgの大型犬なら3本程度(約24g)を目安としましょう。
ちなみに、人間用にモロヘイヤのおひたしを作る場合、30g程度が一人前の目安となります。
犬には、人間が食べるほどの量を与えないほうがいいので、大型犬でも人間より少なめを意識してください。
市販モロヘイヤなら茎もOK!必ず茹でて細かくカットを
市販されているモロヘイヤなら、毒性はありませんので、葉も茎も全て食べさせることができます。
ただし、家庭菜園で育てられたモロヘイヤの場合は、栽培条件によって安全性が確保されない場合も有り得るため、犬には茎を食べさせないようにしましょう。
また、生のままではシュウ酸が気になりますので、必ず軽く茹でて、できる限りシュウ酸を取り除きましょう。
ただし、茹で時間が長すぎると、ビタミンCなどの水溶性のビタミンが流れ出てしまうため、さっと火を通す程度で大丈夫です。
犬は、食物繊維の消化を苦手とするため、なるべく細かくカットして与えましょう。
もちろん、塩やしょうゆなどで味付けしないようにしてくださいね。
また、いくら健康に良い食材とはいえ、毎日与えることは避けます。
せいぜい、週に1回程度の利用にとどめましょう。
犬がモロヘイヤを食べるメリットや栄養効果
それではここからは、犬がモロヘイヤを食べるメリットや栄養効果についてみていきましょう。
ネバネバ成分で胃を守る&血糖値上昇ストップ
モロヘイヤといえば、ネバネバ成分が最大の特長ですね。
ネバネバ成分の中には、たんぱく質の複合体であるムチンと呼ばれるものが含まれています。
ムチンには、胃壁や胃の粘膜を保護したり、血糖値の急激な上昇を防いだり、コレステロールを下げたりする効果があります。
モロヘイヤのネバネバ成分は、胃腸の弱い犬や、高齢犬にはぜひ摂取してほしい成分と言えます。
ムチンは、長時間の加熱によって働きが弱まるため、さっと火を通すことがポイントとなります。
βカロテンやビタミンB2で抗酸化作用
モロヘイヤには、抗酸化作用に期待大の栄養素が多く含まれています。
抗酸化作用とは、体内に入って来た活性酸素の働きを抑制し、免疫力を高め、老化を防止したり、がんを抑制したりする効果のこと。
まず、βカロテンの含有量は、全食材の中でもトップクラス。
βカロテンは、体内で必要な分だけをビタミンAに変換してくれるという、犬にとっても大変都合の良い栄養素です。
摂取しすぎる心配がないので、モロヘイヤで積極的に摂りたいですね。
そして、モロヘイヤはビタミンB2の含有量も多く、ほうれん草と比べると約2倍の含有量を誇ります。
ビタミンB2は抗酸化作用の他にも、脂肪の分解力に優れ、細胞の生産・再生にも寄与しています。
犬はモロヘイヤを食べていいけど注意点が!
犬はモロヘイヤを食べても大丈夫ですが、いくつか注意点があります。
種子などの毒性は、特に重要です!
種子・さや・若葉は与えない
スーパーマーケット等で市販されているモロヘイヤなら、全ての部位を犬に食べさせても大丈夫。
毒性はありません。
ただ、家庭菜園をされる方の場合、モロヘイヤの種子やさや、若葉などが身近に存在しますよね。
このモロヘイヤの種子・さや・若葉には、毒性のある成分が含まれています。
長崎県の農家で飼育していた牛が、「実のついたモロヘイヤを食べて死亡する」という事例も発生しています。
犬もモロヘイヤの種子・さや・若葉を誤って食べると、めまいや嘔吐(おうと)などの症状が出る可能性があります。
また、家庭菜園で収穫されたモロヘイヤの場合、種子やさや、若葉が混入しないように気を付けなければなりません。
家庭菜園のモロヘイヤの場合、茎も安全性が保証されていないため、与えない方がいいでしょう。
参考:内閣府食品安全委員会「食品安全モニターからの報告(16年7月分)について」
消化不良で下痢や嘔吐の症状
モロヘイヤは、意外と食物繊維量が多い野菜です。
100gのモロヘイヤに含まれている食物繊維量は、約5.9g。
これは、食物繊維量が多いと言われているごぼうの5.7gよりもやや多い数値です。
そのため、食べ過ぎると消化不良を起こして、下痢や嘔吐といった症状に苦しむ可能性があります。
ちなみに、犬がどの程度の食物繊維を消化できるのかは、かなり個体差があると言われています。
同じ体重の犬が、同じ量のモロヘイヤを食べたとしても、きちんと消化できる子もいればできない子もいます。
実際、どのぐらいの量のモロヘイヤを食べられるのかは、食べさせてみないと分かりません。
最初にモロヘイヤを食べさせる際には、いきなり目安量を与えるのではなく、ごく少量を与えて様子をみましょう。
アレルギーの可能性
抗酸化力が強いモロヘイヤは、アレルギーのリスクは低いと言われています。
しかし、中にはネバネバ成分に反応して、口の中にかゆみが出てしまう場合も。
どんな食材にも、アレルギーの可能性はあります。
皮膚や目、耳のかゆみや赤み、嘔吐や下痢といった症状がみられたら、アレルギーかもしれません。
すぐに動物病院を受診し、獣医師の診断をあおぎましょう。
結石のリスク
モロヘイヤには、シュウ酸が含まれています。
シュウ酸は、体内でカルシウムなどと結びついて結石となり、尿管等に詰まる尿結石を引き起こす可能性があります。
シュウ酸は水に溶けやすいため、モロヘイヤを茹でることである程度取り除くことができます。
モロヘイヤを犬に食べさせる際には、必ず茹でるようにしましょう。
ただ、既に尿結石を発症している子や、尿結石になったことがある子には、念のためモロヘイヤを与えない方がいいでしょう。
どうしても、モロヘイヤを与えたい場合は、獣医師にぜひ相談してみてくださいね。
愛犬に与えるモロヘイヤの選び方
モロヘイヤの旬は、6月~8月の夏場です。
人気の野菜なので、年中スーパーマーケットには出回っていますが、愛犬にモロヘイヤを食べさせるなら、ぜひ旬のものを選びましょう。
選び方のポイントは、鮮度です。
深い緑色で、ピンとしていて、切り口が黒ずんでいないものを選びましょう。
茎の部分が、柔らかいものの方が食べやすくおすすめです。
あまり日持ちのする野菜ではないので、購入後2日を目安に、飼い主さんとワンちゃんとで食べきりましょう。
モロヘイヤを使った犬の手作りごはんレシピ
犬ごはん先生のいちかわあやこ先生のブログで紹介されていた、モロヘイヤを使ったスープの犬の手作りごはんレシピです。
「茹でる→混ぜる」の簡単ステップでできるのでオススメです。
モロヘイヤの簡単スープ(犬ごはん)
【材料】
- モロヘイヤ
- 無調整豆乳もしくは水
- 味噌
【作り方】
- モロヘイヤの葉をちぎる。
- 沸騰したお湯で軽くゆがき、冷水で洗う
- モロヘイヤの1.5倍ほどの豆乳と、お味噌をミキサーにかける
- できあがり
※ミキサーが無い方は、細かく刻んだものを混ぜれば大丈夫です。
【まとめ】市販のモロヘイヤなら愛犬にも安心して与えられる!
今回は、犬がモロヘイヤを食べていいのか、ということについて、検証しました。
市販のモロヘイヤには毒性がないので、愛犬にも安心して与えられますね。
シュウ酸が気になるので、生ではなく軽く茹でて細かく刻んだものを食べさせましょう。
量にも気を付けてくださいね。
栄養豊富なモロヘイヤで愛犬も健康に!