犬はヨーグルトを食べてもいい!毎日でも大丈夫?適量や注意点を解説
腸内環境を整えることで、免疫力をアップさせる効果があると言われているヨーグルト。
「健康効果の高いヨーグルトを愛犬にも与えたい」と考えている方も多いのではないでしょうか?
でも、犬に人間用のヨーグルトを与えてもいいのか、ちょっと迷いますよね。
そこで今回は、犬はヨーグルトを食べてもいいのかを特集します。
さらに、毎日食べても大丈夫なのかということや、ヨーグルトの適量やその効果、おすすめのヨーグルトの種類についても詳しく解説しますよ。
犬がヨーグルトを食べても大丈夫!
まず、そもそも犬がヨーグルトを食べてもいいのかということ。
ほとんどの犬は、ヨーグルトを食べても大丈夫ですが、中にはヨーグルトが合わない子もいます。
ヨーグルトの中に、犬の体に合わない成分は、ほとんど含まれていません。
ただし与え方や与える量によっては、体に不調が出てしまうことも。
また、少量を与えても体に合わない犬も少数ですがいるようです。
牛乳で下痢する愛犬にはヨーグルトが良い?
牛乳で下痢をする犬の場合、「乳糖不耐症」という牛乳に含まれている乳糖を分解できない体質であると言えます。
一方、ヨーグルトには乳酸菌の作用により、牛乳中の3~4割ほどの乳糖が分解されます。
これは、犬の母乳とほぼ変わらない数値なので、ヨーグルトを食べて乳糖不耐症を起こす可能性は低いと言えます。
よって、牛乳で下痢する犬でも、ヨーグルトなら食べられる可能性があります。
ただし、いくらヨーグルトになっていても、牛乳中の乳糖の6~7割ほどは残ったままです。
乳糖不耐症の症状が重い子の場合は、この6~7割程度の乳糖にも反応してしまいます。
するとやはり、下痢を起こしてしまいます。
ここで「それでもチャレンジ!」と少量なめさせて確認してみるか、それとも「敢えて与える必要なし」とあきらめるかは、飼い主さんの判断です。
与えるなら、必ず動物病院が開いている時間に。
毎日でも大丈夫?犬にヨーグルトを与えるときの適量
健康のことを考えて「毎日、たくさんのヨーグルトを与えたい」と思っている飼い主さんもいらっしゃるかと思います。
果たして、犬に毎日ヨーグルトを大量に与えるのは、正しいやり方なのでしょうか?
まず、「毎日」という部分はOKです。
善玉菌を増やすには、毎日継続してヨーグルトを摂取するといいでしょう。
ただし、「たくさんの」「大量に」という部分はNG。
体重5kg程度の犬なら、1日に小さじ1~2杯程度のヨーグルトが適量です。
これ以上あげると、ヨーグルトに含まれるカルシウムが過多となり、尿結石の原因ともなりかねません。
ちなみに、ヨーグルトの乳酸菌は胃酸に弱いため、胃酸が弱まる食後に与えるのが効果的です。
フードにかけて、同時摂取もおすすめ。
犬がヨーグルトを食べて得られる健康効果やメリット
とても健康に良いイメージのヨーグルト。
犬がヨーグルトを食べて得られる、健康効果やメリットをみていきましょう。
腸内環境を整える
犬も人間と同じ様に、ヨーグルトに含まれる乳酸菌やビフィズス菌、ガセリ菌によって、腸内環境が整えられます。
腸内環境が整うと免疫力もアップするので、病気にかかりにくくなります。
ちなみに、ヨーグルトの種類によって、含まれる菌の種類も異なります。
より効果を期待するなら、いわゆる「機能性」と呼ばれるヨーグルトがおすすめです。
また、ヨーグルトと一緒に不溶性食物繊維を摂取すると、より善玉菌が増えることが報告されています。
食物繊維が豊富なバナナなどを少量、ヨーグルトの中に混ぜて与えてもいいですね。
体調がイマイチの時にも役立つ!?
ヨーグルトは、犬の体調がイマイチ…という時にも役立ちます。
例えば、風邪などを引いて抗生物質を処方してもらっている時、抗生物質の副作用で腸内環境が悪化して下痢をしてしまうことがあります。
そういう時、ヨーグルトを少量与えることで、腸内環境の改善が期待できます。
また、風邪まではいかなくても、ちょっと食欲がない時。
ヨーグルトをフードにかけると風味が増すので、食欲増進に一役買ってくれます。
さらに、ヨーグルトには、発酵過程で生成された酵素が豊富に含まれています。
この酵素は、フードのタンパク質を分解する手助けをしてくれるため、消化不良になるのを防いでくれます。
口臭予防や歯磨きにも活躍!
愛犬の口臭に悩んでいる飼い主さんは多いようです。
3歳を過ぎると、8割以上の犬が歯周病に悩むというデータもあるほど。
犬の口腔ケアに悩んでいる飼い主さんにおすすめしたいのが、ヨーグルトです。
ヨーグルトに含まれている乳酸菌は、口の中の細菌類の発生を抑制し、口臭を予防してくれます。
ただ、食べさせるだけでもある程度の効果が期待できますが、さらにおすすめなのは、ヨーグルトを使った歯磨きです。
やり方は簡単!
寝る前に、ヨーグルトを塗り込んだ布で愛犬の歯を磨くだけ。
もちろん歯だけでなく、歯茎も磨いてあげてください。
ただし、ヨーグルトだけに口臭予防を頼るのはNGです。
口臭の原因となる細菌は、食べ物のカスが残っていると増えやすいとされています。
歯の間の食べカスもしっかりチェックして、取り除いてあげてくださいね。
犬にヨーグルトを与えるときの注意点
良いことばかりのヨーグルトのように感じますが、犬にヨーグルトを与える時には、注意すべきことがあります。
確認していきましょう。
ヨーグルトアレルギーをもつ犬も
こんなに健康効果の高いヨーグルトですが、中にはアレルギーを起こしてしまうワンちゃんもいます。
まず、牛肉や牛乳にアレルギーがある場合は、ヨーグルトでもアレルギーを起こすかもしれないと疑いましょう。
ヨーグルトの場合、乳酸菌がアレルゲンを分解している可能性もありますが、「最初にヨーグルトを与える時は、少量ずつ様子を見ながら」を徹底してください。
ヨーグルトの種類
犬に食べさせるなら、無糖のプレーンヨーグルトが鉄則です。
糖分がたくさん含まれているものや、果物入りのものは絶対に避けましょう。
また、できれば低脂肪や無脂肪のものだと、より犬の体の負担にならないでしょう。
まず、糖分が多すぎると、肥満の原因となります。
「砂糖使用ゼロ」と書かれているものでも、体に害の恐れがある人工甘味料(スクラロースやアスパルテームなど)が使われているものはNG。
甘味料の「キシリトール」を使っている場合も注意しましょう。
キシリトールを大量に摂取してしまうと、犬は中毒症状を引き起こす可能性があります。
果物が入っているものは、犬が食べられない果物である可能性もあります。
特に、ブドウやイチジクは、犬にとってNG食材となるので、絶対に食べさせてはいけません。
冷やしすぎに注意
犬は、冷たいものを食べると、体調を崩してしまうことがあります。
ヨーグルトは、冷蔵庫に入れて保存するものですが、冷蔵庫から出してすぐに犬に与えないようにしましょう。
10~15分ほど室内に犬が食べる分だけ放置し、常温に近づいてから食べさせるようにしましょう。
飼い主さんが食べ終わる頃に「最後の小さじ1杯程度を犬に与える」というやり方なら負担にならないですよ。
ちなみに、「急いで常温に戻したい」ということで、電子レンジを使うという方もいるかもしれませんが、乳酸菌はとても熱に弱い成分です。
もし、加熱しすぎた場合、せっかくの健康効果が失われることにもなりかねませんので、電子レンジの使用はやめておきましょう。
犬におすすめのヨーグルトのメーカーや種類
せっかく犬に食べさせるなら、より効果の高いヨーグルトを選びたいですね。
話題の機能性ヨーグルトに注目してみましょう。
フジッコ「カスピ海ヨーグルト」
ヨーグルトに含まれる乳酸菌は胃酸に弱く、なかなか摂取しても効果を充分に発揮できないのが難点です。
しかし、フジッコの「カスピ海ヨーグルト」に含まれている乳酸菌クレモリス菌FC株は、生きたまま大腸まで届くことが証明されているので安心。
人間での効果になりますが、アレルギー症状を改善したり、血中脂質の改善、血糖値の上昇を抑制したり、といった報告も上がっています。
フジッコ「カスピ海ヨーグルト」を犬に与えるなら、400g入りの「プレーン」か「脂肪0」がおすすめです。
また、「牛乳からカスピ海ヨーグルトを作りたい」という方のために「種菌セット」も販売されていますので、興味がある方はぜひチェックを。
森永「ビヒダスヨーグルトBB536」
森永の「ビヒダスヨーグルトBB536」は、生きたまま腸に届くビフィズス菌BB536を種菌としたヨーグルトです。
人間での効果になりますが、整腸作用はもちろんのこと、ウィルス感染や菌感染を防ぐ効果やアレルギーを予防する効果、潰瘍性大腸炎を緩和するなど様々な機能が報告されています。
森永「ビヒダスヨーグルトBB536」を愛犬に与えるなら、400g入りの「ビビダス プレーンヨーグルト」や「ビビダス プレーンヨーグルト 脂肪ゼロ」がおすすめです。
人気の明治「プロビオヨーグルトR-1」は犬に与えて大丈夫?
強さ引き出す乳酸菌で人気の明治「プロビオヨーグルトR-1」。
「私もよく食べるから犬にも与えたい」という飼い主さんも多いはず。
R-1ヨーグルトは、犬に与えて大丈夫なのでしょうか。
残念ながら、R-1ヨーグルトの中に、無糖のプレーンヨーグルトはありません。
砂糖を使っているもの、もしくは、砂糖0でも人口甘味料(スクラロース)が使われているものしかありません。
人間に人気の明治「プロビオヨーグルトR-1」ですが、愛犬には与えないでくださいね。
安心できる犬用ヨーグルトもあり
「人間用のヨーグルトを与えるのは、やっぱり心配」という方には、犬用ヨーグルトがおすすめです。
犬用ヨーグルトには、粉末状のものやブロック状、チップ状、スティック状、ピューレ状などいろいろな形状のものがあります。
また、クッキーに混ぜ込んでいるものや、犬の好きなガムになっているものなども。
たくさん種類はありますが、ヨーグルトの乳酸菌やビフィズス菌が犬の腸にきちんと届くような商品は少ないという印象です。
粉末状になっているものやブロック状になっているものの中には、生きて腸まで届く乳酸菌やビフィズス菌を配合したものがありますので、ぜひ成分表示や機能性をしっかりとチェックしてみてください。
犬にヨーグルトを食べさせて、健康に!
今回は、犬とヨーグルトの関係について、深く掘り下げてお伝えしました。
犬は、もちろんヨーグルトを食べても大丈夫です。
できれば毎日、少量を食べさせてあげましょう。
また、ヨーグルトの種類にもこだわり、より健康効果を追求するのがおすすめです。
愛犬の腸内環境がどうなっているのかは、実は動物病院での検便で簡単に分かります。
ただ、中には「犬にヨーグルトは厳禁」という考え方の獣医師さんもいますので、できれば先進的な考えを持つ動物病院でヨーグルトの効果を確認してもらいましょう。