犬がマカダミアナッツを食べると中毒症状に!致死量や対処法を解説

犬マカダミアナッツ
(記事内に商品プロモーションを含む場合があります)

「マカダミアナッツ中毒」という病名もあるほど、マカダミアナッツは犬にとってNG食材であることが知られています。

でも、海外旅行のお土産などでマカダミアナッツをよくいただくという方も多いのではないでしょうか?

 

ちょっと目を離したすきに、テーブルの上に置いてあったマカダミアナッツを愛犬がつまみ食い…!!

 

もし、そんな場面に出くわしてしまったら、心配でパニックになってしまう飼い主さんもいらっしゃるかもしれません。

でも…

  • 実際にどのぐらいの量のマカダミアナッツを食べたら中毒症状が起こるの?
  • 犬にとってのマカダミアナッツの致死量は?

など、分からないことがたくさんありますよね。

 

そこで今回は、犬にとって中毒物質とされるマカダミアナッツを特集します。

愛犬が誤ってマカダミアナッツを食べてしまった場合の、具体的な対処法もお伝えしますので、参考にしてくださいね。

犬がマカダミアナッツを食べると危険な理由

犬がマカダミアナッツを食べたらダメな理由

犬にとってマカダミアナッツが中毒物質であることは、真実です。

「マカダミアナッツ中毒」という病名も存在するので、ご存じの方も多いと思います。

ただ「では、その原因は?」と問われると、なんとマカダミアナッツの成分の何がダメなのか、分かっていないそう。

原因物質が判明しないため、中毒を起こすメカニズムも不明…。

 

ただ唯一、分かっているのが、とにかく世界にはマカダミアナッツを食べたことによって中毒を起こしている犬が存在するという事実だけ。

また、マカダミアナッツは固く、食物繊維が豊富なため、丸飲みしてしまうと腸閉そくを起こすリスクもあります。

犬がマカダミアナッツを食べるとどんな中毒症状に?

犬がマカダミアナッツで中毒症状

それでは、犬がマカダミアナッツを食べると、どんな中毒症状が起こるのでしょうか?

 

代表的な症状としては、嘔吐(おうと)や下痢、発熱があげられます。

しかし、嘔吐や下痢を伴わなくても、マカダミアナッツを食べた後、急にぐったりと元気がなくなるという症例もあります。

ぐったりとした後に意識が混乱し、呼吸が浅くなり、眠りそうになっていたら、かなり危険です。

また、歩かせようと思っても脚に力が入らず、ふらふらとしてすぐに倒れてしまうという状態になることも多いよう。

さらに症状が進むと、意識が消失し、腎不全を起こして死に至ることもあります。

 

また、マカダミアナッツの場合、中毒症状とは別に、消化管閉そくのリスクも考えておかないといけません。

マカダミアナッツは、食物繊維が豊富でかなり固いため、犬は体内で上手に消化することができません。

丸飲みするクセがある子の場合は、マカダミアナッツが消化管で詰まり、腸閉そくを起こす可能性が高いでしょう。

犬がマカダミアナッツを食べてから中毒症状が出るまでの時間

犬のマカダミアナッツ中毒症状が出る時間

犬がマカダミアナッツを食べてから中毒症状が出るまでには、早くても60分程度と言われています。

通常は6~12時間程度で何らかの症状が出ることが多いそう。

 

食べた後から発病までのタイムラグがかなりあるため、飼い主さん自身、愛犬がマカダミアナッツを誤食したことに気づいていない場合が多いです。

症状が出てから「一体、なんの病気?」と慌てて動物病院を受診するというパターンも多いので、注意しましょう。

少量でもダメ?犬がマカダミアナッツを食べた時の致死量

犬のカダミアナッツの致死量

それでは、犬がマカダミアナッツを食べてしまった場合、一体どのぐらいの量が致死量となるのでしょうか?

 

今までにマカダミアナッツによって死亡したという事例がないため、正確な「致死量」はわかりません。

しかし、今までにマカダミアナッツを食べたことによって、体調を崩してしまった犬はたくさんいます。

それらのデータから中毒症状があらわれる量を換算すると、だいたい体重1kgあたり2.2gとなるそう。

 

マカダミアナッツの1粒の重さは、だいたい2~2.3g程度です。

例えば体重5kgのワンちゃんなら、5粒程度で中毒症状があらわれる可能性があるということになりますね。

ただしこの量は、あくまで平均値です。

どのぐらいの量のマカダミアナッツを摂取すると中毒症状があらわれるのか?ということについては、かなり個体差があると言われています。

中には、たった1粒程度のマカダミアナッツでもダメという子もいますので、油断は禁物です。

愛犬がマカダミアナッツを食べてしまった時の対処法

愛犬がマカダミアナッツを食べてしまった時、いったいどのように対処すればいいのでしょうか?

少量を食べてしまった場合、動物病院へ連絡後、元気なら自宅で様子を観察

犬がマカデミアナッツを食べてしまった時の対処法は病院へ連絡

まず、食べた量が少量の場合で、特に何の中毒症状も出ず、元気に過ごしている場合は、自宅で様子を見守ってもいいでしょう。

ただし、その後急変することもあり得ますので、念のため動物病院へ連絡し、指示をあおいでおきましょう。

マカダミアナッツ摂取後、12時間以内に特に何の症状も出ないようなら、ひとまず安心

少量でも「マカダミアナッツチョコレート」を1粒食べた場合は、すぐに動物病院へ

犬がマカダミアナッツチョコレートを食べる

食べた量が少量でも、「マカダミアナッツチョコレート」を食べてしまった場合は、すぐに動物病院を受診するのをおすすめします。

なぜなら、「マカダミアナッツ」も「チョコレート」も犬にとっては中毒物質だからです。

 

チョコレート中毒の原因物質は、デオブロミン。

犬はデオブロミンを分解する力が弱く、嘔吐や下痢を起こす可能性があります。

また、呼吸や脈が早くなり、痙攣(けいれん)や麻痺、昏睡状態になり、最悪死に至ることも…。

チョコレートの致死量は、マカダミアナッツチョコレート1粒の量程度ではありませんが、デオブロミンに対する犬の感受性も個体差があると言われていますので、油断大敵です。

何らかの中毒症状が出始めていたら、すぐに動物病院へ

マカダミアナッツを食べた犬

マカダミアナッツを1粒以上食べた場合や、すでに何らかの中毒症状が出始めているようなら、すぐに動物病院を受診しましょう。

とはいえ、実はマカダミアナッツ中毒に対する効果的な特効薬が存在するわけではありません。

 

動物病院では、中毒症状を和らげるための対症療法を行います。

胃の中に、まだマカダミアナッツが残っているという状態なら、胃の内容物を吐かせる催吐(さいと)処置を施したり、胃洗浄を試みたりすることもあります。

また、嘔吐や下痢が激しいようなら、輸液等で適切に体の水分を維持し、脱水症状に陥らないようにしてくれます。

 

また、マカダミアナッツの中毒症状が続くのは、長くても2日程度と言われています。

特に治療を施さない場合でも、2日経てば自然と治癒していくという考え方が主流です。

しかし、怖いのは、消化管等にマカダミアナッツが詰まってしまうこと。

こうなると、開腹手術という方法しかなくなる場合もあります。

病院では、マカダミアナッツ中毒を起こした犬の治療のために1~2日程度、入院して経過を観察するところが多いです。

愛犬がマカダミアナッツを間違って食べないようにする対策

犬と飼い主の主従関係

海外のお土産として人気のマカダミアナッツ。

おつまみにとつい、テーブルの上にマカダミアナッツの小袋を広げっぱなしにしてはいませんか?

まずは、マカダミアナッツを犬の手の届かないところに置くというのが基本となります。

人間用の食べ物の管理を徹底することが大切ですね。

 

また普段から、人間の食べ物を食べないようしっかりとしつけをすることも大切。

ポロっと落としたマカダミアナッツを拾い食いしないというしつけも必要でしょう。

マカダミアナッツ以外のナッツ類は犬が食べても大丈夫?

犬はナッツを食べられる

マカダミアナッツ以外にも、アーモンドやピーナッツ、くるみ、カシューナッツ、ヘーゼルナッツなど「ナッツ類」には様々な種類がありますね。

この中で最も中毒の可能性が高いのは、マカダミアナッツですが、それ以外のナッツも「消化管に詰まるかもしれない」という点と、「脂肪が多い」「ミネラル類が多い」という点で犬にはあまり与えない方がいいとされています。

 

食物繊維が豊富で固いナッツ類を丸飲みしてしまうと、腸閉そく等のリスクがあります。

また、ピーナッツなどは成分の半分が脂質。

脂質過多の食材を犬が食べると、太ってしまうばかりか、消化しきれず、下痢や軟便、嘔吐などの症状に苦しむことも。

 

ミネラルが多すぎるナッツ類を食べると、尿結石などの病気の原因となってしまう場合もあります。

さらに、人間用に加工されたナッツ類の多くが、塩や油等で味付けされているため、犬にとっては塩分や油の過剰摂取となる可能性が高いと言えます。

いずれにしても、ナッツ類は、犬にとって体の負担になる要素が多いため、避けたほうがいいでしょう。

まとめ:中毒を起こす可能性のあるマカダミアナッツを犬に与えないで!

今回は、犬がマカダミアナッツを食べてしまった場合に、一体どんな中毒症状が出るのか、そして致死量や対処法はどうなのか、ということについて解説しました。

マカダミアナッツ中毒の原因はわかっていませんが、症例はたくさんあがっています。

中毒を起こす可能性のあるマカダミアナッツを絶対に犬に与えないようにしましょう。