亜麻仁油の犬への効果とは?適量や与え方などの注意点
健康に良いという亜麻仁油(アマニ油)。
「犬にも亜麻仁油を食べさせるといい」という情報を聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか?
でも一体、亜麻仁油を犬に食べさせるとどんな効果があるのか、気になりますよね。
そこで今回は、亜麻仁油の犬への効果について徹底特集します。
どのぐらいの量を与えたらいいのか、与え方に注意点はあるのか、など気になる情報を網羅。
愛犬の健康のために、ぜひ参考にしてくださいね。
亜麻仁油はどんな油?
亜麻仁油とは、亜麻という植物の種子から抽出された油のこと。
西洋では古くから食用油として重宝されていましたが、油にせずシード状のまま食べる食文化もあります。
亜麻仁油には、通常の食生活ではなかなか摂取しづらく、かつ人体に必須とされるオメガ3脂肪酸の一種「α-リノレン酸」が多く含まれています。
そのため、日本でも亜麻仁油の人気が沸騰。
亜麻仁油のもつアレルギー抑制効果や血液サラサラ効果など、多大なる健康効果に注目が集まっています。
犬に亜麻仁油を与えて大丈夫!
人間にとって多くの健康効果を得られる亜麻仁油。
亜麻仁油は犬にとっても、人間同様の健康効果を得られる食材とされています。
もちろん、亜麻仁油の中には犬が中毒を起こす成分も含まれていませんので、安心して与えて大丈夫です。
ただし、亜麻仁油を一般的なサラダ油だと思って使うと逆に体に悪い作用を及ぼす可能性があるため、注意が必要。
また、健康食材とはいえ、油であることには変わりないため、過剰摂取は厳禁です。
犬の亜麻仁油のメリットや期待できる効果
犬に亜麻仁油を与えるメリットや期待できる効果について詳しくみていきましょう。
アトピー性皮膚炎に効果あり!皮膚や被毛も美しく
脂肪酸にはいくつか種類がありますが、多くの食材や食用油に含まれているのはオメガ6脂肪酸。
オメガ6脂肪酸ばかり摂取すると、アトピー性皮膚炎の症状が悪化することが分かっています。
一方、オメガ3脂肪酸を摂取すれば、アトピー性皮膚炎の症状を緩和させる効果があります。
亜麻仁油にはα-リノレン酸というオメガ3脂肪酸の一種が多く含まれています。
そのため、亜麻仁油を適切に摂取することによって、オメガ3脂肪酸を体内に取り入れることができ、アトピー性皮膚炎を緩和させる効果に期待が持てます。
またオメガ3脂肪酸を摂ることによって、皮膚や被毛も美しく保てます。
抗炎症作用により、関節炎や腎臓病にも〇
亜麻仁油に含まれるオメガ3脂肪酸には、抗炎症作用があります。
様々な部位の炎症をおさえてくれる効果があるため、例えば関節炎を患っている犬に亜麻仁油を与えることによって、関節の炎症が鎮まり、動きやすくなることも。
また、腎臓病に悩むワンちゃんの場合は、亜麻仁油を摂ることによって腎臓の炎症をおさえてくれる効果も。
腎臓病の場合、高確率で高脂血症になっているそうですが、α-リノレン酸には高脂血症をおさえる効果もあります。
抗炎症作用と高脂血症抑制効果の両方の作用により、腎臓病の進行を遅らせることが期待されます。
認知症予防にも
亜麻仁油に含まれるα-リノレン酸は、犬の体内に入るとDHAやEPAに変化します。
DHAやEPAといえば、青魚に含まれていることでも有名な脳細胞活性化物質。
脳細胞を柔らかくして、情報伝達がスムーズにいくようサポートしてくれる成分です。
今、医療技術の発達やフードの質向上により、犬の寿命はどんどん伸びています。
でも高齢になってからも健康に過ごせている犬は一握り。
何らかの疾患を患いつつ…という子が多く、犬の認知症も問題となっています。
亜麻仁油はこの認知症にも効果があるとみられています。
若いころから亜麻仁油を適量摂取させることによって、認知症になるのを防ぎましょう。
犬に与える亜麻仁油の適量や与え方
それでは犬に亜麻仁油を与える場合、いったいどのぐらいの量を与えればいいのか、また与え方に決まりはあるのかをみていきましょう。
小さじ1杯程度で充分な効果あり!
犬に亜麻仁油を与える場合、小さじ1杯程度で充分な効果があるとされています。
亜麻仁油は健康食材ですが、あくまで油です。
そのため、与えすぎは厳禁。
適量を定期的に与えることによって、犬の健康をサポートしてあげましょう。
加熱すると体に有害!必ず生で与えること
亜麻仁油は非常に熱に弱く、酸化しやすい油です。
そのため、加熱してしまうとあっという間に酸化して、体に有害な油となってしまいます。
犬に亜麻仁油を与える際には、必ず生の状態で、酸化していないものを。
ドッグフード等に生の亜麻仁油をまわしかけて与えるといいですよ。
ちなみに、亜麻仁油を回しかけたドッグフードを残した場合は、すぐに処分してしまいましょう。
亜麻仁油は、空気に触れても酸化が進むため、放置したものを数時間後に食べると、すでに酸化してしまっている可能性が高いです。
犬に亜麻仁油を与える時の注意点
それでは、犬に亜麻仁油を与える時の注意点を確認しておきましょう。
亜麻仁油は酸化しやすい
「与え方」のところでも確認しましたが、亜麻仁油は非常に酸化しやすい油です。
熱や光、空気、水、金属などに触れると、あっという間に酸化してしまいます。
そのため、保存方法や調理方法がとても大切。
まず保存する際には、冷暗所で熱・光から遮断する必要があります。
もちろん空気にもできるだけ触れない方がいいため、密閉容器に保存することが大切。
一度開封したものは長期間の保存は無理です。
亜麻仁油は光を通さない瓶に入って販売されていることが多いため、その状態のまま冷蔵庫で保存するといいでしょう。
保存期間は冷蔵保存で2週間です。
与えすぎない
亜麻仁油は、健康に良い油ですが、あくまで油。
そのため食べ過ぎには注意が必要です。
与えすぎると、太るだけでなく、お腹が緩くなってしまう可能性があります。
亜麻仁油は、小さじ1杯程度の摂取で充分に効果を感じられます。
小さじ1杯以上にならないよう注意しましょう。
アレルギーの可能性も
亜麻仁油はアレルギーをおさえる効果が高いため、「亜麻仁油を食べてアレルギーがひどくなる」という可能性は少ないと言われています。
もし、亜麻仁油を食べてアレルギー症状が出るようなら、まずは油の酸化を疑ってください。
酸化した油を食べると、嘔吐(おうと)や下痢、じんましんなどの症状が出ることがあります。
酸化していない良い状態の亜麻仁油でもアレルギーが出る場合は、ただちに使用を中止し、獣医師に相談することをおすすめします。
最近は動物病院などでも、オメガ3脂肪酸の効果に注目していて、オメガ3脂肪酸を含むサプリメントやフードを販売しているところも多いです。
亜麻仁油でアレルギーが出たとしても、オメガ3脂肪酸摂取をあきらめるのではなく、違う方法での摂取を検討してみましょう。
愛犬に与えたい亜麻仁油の選び方
健康に良い亜麻仁油ですが、非常に酸化しやすいのが難点。
その欠点をカバーするような製法で作られている亜麻仁油を選ぶのがおすすめです。
選ぶポイントは下記の4つ!
- 低温圧搾法
- 光を遮断する瓶入り
- できるだけ少量のものを
- 国産やオーガニックならより安心
まず、熱に弱いという亜麻仁油が酸化しない製法「低温圧搾法」で作られているという条件は、最低基準として必要です。
さらに、自宅での保存性を考えて、光を遮断する瓶に入っているもので、少量タイプのほうがいいでしょう。
原材料は、国産やオーガニックのものならより安心です。
犬用の亜麻仁油サプリもあり
人間用の亜麻仁油を購入しておけば、飼い主さんもワンちゃんも同時に亜麻仁油を摂取することができます。
しかし、飼い主さんは亜麻仁油を摂取したくないという場合、どんなに少量の亜麻仁油を購入しても確実に余ってしまいます。
そうなると、ちょっともったいないですよね。
亜麻仁油には、犬専用のサプリもあります。
犬専用サプリなら、余らせることもなく、与え方に迷うこともありません。
保管方法もわかりやすく指示されているものが多いため、安心ですよ。
亜麻仁油単体のものもあれば、亜麻仁油に他の油をバランスよく配合し、オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸の割合を理想的に配合したものなども。
ただ、日常のフード摂取ではどうしてもオメガ3脂肪酸のほうが不足しがちです。
総合的なバランスとしてオメガ3:オメガ6=5:1~10:1が理想と言われていますが、サプリとして摂取するならできれば、オメガ3脂肪酸を多く含むものを選ぶといいでしょう。
まとめ:犬が亜麻仁油を摂取することによって多大なる健康効果あり!
今回は、犬が亜麻仁油を摂取するといったいどんな健康効果があるのか、ということを中心にお伝えしました。
亜麻仁油にはオメガ3脂肪酸が豊富に含まれており、アトピーや腎臓病、関節炎、認知症などに効果があることが分かりましたね。
亜麻仁油は酸化しやすいのが欠点です。
与え方や量に気を付けて、犬にも亜麻仁油の健康効果を!