犬があくびをする意味や理由は?病気やストレス、臭い時の対処法
愛犬が「ふわー」とあくびをしている様子は、かわいくて和みますよね。
人間の場合、眠いときに目を覚まそうとあくびをしたり、リラックスしているときにあくびが出たりします。
しかし、犬の場合は、ストレスを感じているときや病気が理由であくびが出ることがあるそう。
特に愛犬があくびをしたとき、声を出したり、口の中が臭かったりするときは注意した方がいいとの情報も。
今回は、犬のあくびの意味と理由、見分け方を徹底解剖します。
あくびから見える犬の病気やストレス、また口の臭いについても対処法をお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。
「あくび」で犬の気持ちを理解できる
おしゃべりができない犬の気持ちを理解するには、犬の表情や鳴き声、態度などをよく観察することが大切です。
犬のあくびもその一つ。
あくびというたった一つの動作でも、犬の場合はいろんな意味や理由をもっていることが知られています。
人間だと眠いときに目を覚まそうとして、あくびをすることがあります。
もちろん、犬でも覚醒のためにあくびをすることがあるようです。
しかし、犬があくびをする理由の代表的なものは、なんと「ストレス」。
犬は、ストレスを解消しようと、あくびをしていることが多いそう。
他にも、相手に従順であることを示すためにあくびをしたり、緊張をほぐすためにあくびをしたり、またあくびから病気を発見することもあります。
あくびの意味や理由の違いをどう見分けるのかは、前後の動作や状況の観察にかかっています。
どうしてあくびが出たのかを考えれば、犬の気持ちが手に取るように分かるはず!
犬があくびをする意味や理由
それでは、犬があくびをする意味や理由をパターン別に詳しくみていきましょう。
眠い
人間同様、眠くて脳が上手く働いていない状態から覚醒したい時に犬も「あくび」が出ることがあります。
大きく息を吸い込むことで、脳に酸素が行きわたり、覚醒するということです。
例えば、犬が眠っているときに「散歩に行こう」と声をかけると、のそのそと起きだして「ふわーっ」と大きなあくびを一つすることがあります。
こういう時は、単に眠りの状態から目を覚まそうとしているだけなので、特に注意することはありません。
人間のあくびがうつった
人間が犬の前であくびをすると、犬も同様にあくびをするということがあります。
「あくびの伝染」と言われる現象ですが、実はこの「あくびの伝染」は、人間同士でも多く見られる現象であるのにも関わらず、科学的に立証されていません。
「大好きな飼い主さんの気持ちに寄り添ったためにあくびが移った」とする説や、「単に反射的な行動」とする説など、様々な説がささやかれています。
気になるようなら、ぜひ愛犬の前であくびをしてみてください。
愛犬があくびをしてくれるかどうか、実証してみるのも面白いですよ。
敵意がないことを示している
犬は、「あなたとは戦いません」「あなたとはケンカするつもりはありません」という合図を出すために、あくびをするという場合もあります。
こういう合図のことを「カーミングシグナル」と言います。
例えば、散歩中に他のワンちゃんと出会った時、あなたの愛犬が大きなあくびをしたとします。
それは、あなたの愛犬が他のワンちゃんと戦わない、争いたくないという意味を示しています。
と同時に、「その犬とは、あまり関わりたくない」という意味も含んでいますので、必要以上の接触を避け、スルーするのがおすすめです。
緊張している
例えば知らない人が自分の陣地に入ってきた時などに、犬は大あくびをすることがあります。
この場合の犬の精神状態は「緊張」。
「これから何が起こるのだろう?」
「あの近づいてくる人は僕に何をするのだろう?」
と身構え、緊張している状態を表します。
また、犬はあくびをすることで、緊張している状態から、どうにか脱出しようと試みているとも考えられます。
あくびをして、心を落ち着かせているということです。
ストレスを感じている
犬は、ストレスを感じた時にも、あくびをすることがあります。
ストレスを感じた時にする行動のことを「転移行動」と言います。
転移行動にはあくびの他にも、後ろ足で耳をかくという行動であったり、ぶるぶるっと体を震わせるという行動であったりということが挙げられます。
例えば、知らない人から頭を撫でられたり、体を触られたりしたとき、犬は強いストレスを感じ、あくびをすることがあります。
知らない人や犬との触れ合いで愛犬があくびをしたら、ちょっと距離をとってあげるとストレスが和らぎます。
病気の可能性
犬のあくびの理由として最後に挙げられるのが、病気の可能性です。
特に、ストレスを感じる状況下ではないのに、
「普段よりもあくびの回数が増えた」
「あくびをしながら震えている」
など、普段とは違う様子を見せるようなら、何らかの心身の不調を抱えている可能性があります。
「すぐに病院へ」とは言いませんが、その日はよく様子を観察し、どうしてもあくびが収まらないようなら、獣医師に診てもらうようにしましょう。
あくびをすると口の中がよく見えます。
舌の色や歯茎、歯などに異常がないかも確認しておきましょう。
犬があくびの時に鳴く、声を出すのはなぜ?
犬があくびの時に鳴いたり、声を出したりする場合は、犬が訴えていることがより分かりやすい傾向があります。
「フワ―」「フワ―ン」は眠いだけ
何も心配する必要がないのは、犬があくびをしながら「フワ―」「フワ―ン」と声を出すときです。
これは人間同様、あくびをしたときに漏れる吐息なので、放っておいて大丈夫。
特に何かを訴えているということはありません。
「クンクン」「キュンキュン」は甘えているだけ
犬があくびをしながら「クンクン」「キュンキュン」とすり寄ってくるときは、飼い主さんに甘えています。
「クンクン」と言いながら近寄ってきたら、お腹を撫でてあげたり、遊んであげたりしたいところですが、全ての要求を聞いてしまうとわがままになってしまうことも。
飼い主さんの事情を優先させて対応してOKです。
「アン!」「キャン!」は何か訴えたいことがある
あくびをしながら「アン!」「キャン!」と鋭く鳴くときは、異常事態発生です。
体のどこかが痛かったり、身に迫る危険を感じていたりします。
本当に危険な状態なのかどうか、しっかりと見極めて、対応してあげましょう。
見える部位に異常がなくても、口の中やお腹など見えない部分が痛いということも考えられますので、注意してください。
犬のあくびが臭い原因や対処法
「ほわー」と大きくあくびをした犬の口から、何とも言えない嫌なニオイが漂ってきたら、どこかにトラブルを抱えていると考えましょう。
犬の口臭の原因や対処法について詳しく解説します。
歯や歯茎のトラブルが原因
第一に考えられるのが、歯や歯茎などの口の中のトラブルです。
犬は人間同様、歯磨きが必要です。
食べたあとそのままにしていると、歯垢がたまり、歯石が沈着。
のちに歯周病などの口内トラブルへと発展します。
しかし、歯磨きをしようとすると嫌がる犬が多いため、なかなか歯磨きできないのが現状。
そのため、3歳以上の犬の8割以上が何らかの口内トラブルを抱えているそう。
口内トラブルは、口内だけにとどまらず内蔵病など全身疾患へと繋がりかねないため、放置しておくと危険です。
口内トラブルを防止するには、毎日歯磨きをすることが重要。
特に奥歯は汚れがちなので、しっかりとケアしてあげましょう。
歯磨きが難しいようなら、歯磨き効果のあるガムやおもちゃを与えます。
ただし、歯磨きガムやおもちゃでは充分な歯磨き効果は得られないため、やはり週に何度かはしっかりと歯磨きしてあげることが必要です。
人間同様、しっかりと歯磨きをしているつもりでも、実は磨き残しがあったということはよくあること。
年に数回は動物病院で口内チェックを受け、必要なら歯石除去してもらうのがおすすめです。
胃腸の具合が悪い
口の中はキレイなのに、なぜか口臭がひどい…となると、胃腸の具合が悪いのかもしれないと疑いましょう。
特に下痢やおう吐が頻繁にみられる場合、腸内細菌のバランスが崩れているのかもしれません。
犬も人間同様に、腸内の環境は健康にとってとても大事。
正常なバランスに戻してやれるよう、食事を見直してみましょう。
最も手軽でおすすめなのは、ヨーグルトを適量与えることです。
犬に牛乳を与えるのはあまり良くないですが、ヨーグルトなら大丈夫。
腸内の細菌バランスを整えてくれる効果があるとされています。
人間用でもいいとされていますが、できれば犬用のヨーグルトを用意してあげましょう。
また、フード自体を良質なものに見直すのも大切。
添加物過多な安価なフードを与えていると、徐々に健康が損なわれます。
添加物がなるべく少ないもので、脂質過多でない、バランスの良いフードを与えましょう。
お腹が弱い子用のフードも販売されていますので、ぜひチェックしてみてください。
フードの食いつきがイマイチで、常にフードに何かふりかけて食べさせているという場合は、ふりかけの質も見直してみましょう。
腸内環境を改善するサプリ等をふりかけで与えるという方法もおすすめです。
犬のあくびの意味や理由を把握し、病気・ストレス防止!
今回は、犬のあくびについて特集しました。
犬のあくびの意味や理由は、眠いだけだったり、緊張・ストレスだったり、はたまた病気であったりと様々でしたね。
特に口の臭いや声に注目すると、大事に至る前に病気を発見してあげることができます。
愛犬があくびをしたら、まずはよく観察して見分けてみてください。
しっかりと観察することで得られる気づきが、愛犬のストレスや病気を防いでくれます。