犬の散歩の基礎知識!デビューはいつから?回数や時間、距離について
犬を飼い始めると気になるのは「いつから散歩に連れて行こう?」ということではないでしょうか。
犬にとって散歩は、健康を保つために欠かせないものです。
なるべく早く散歩デビューさせてあげたいけど、犬にとっても飼い主さんにとっても初めての散歩は、楽しみな反面、緊張しますよね。
そこで今回は、「犬の散歩について詳しく知りたい」という飼い主さんのために、散歩の回数や時間、距離、コースなど犬の散歩の基礎知識をお届けします。
また「雨の日の散歩はどうするの?」など、犬の散歩についての気になるアレコレも詳しく解説!
自信をもって犬の散歩ができるようにサポートします。
なぜ犬に散歩が必要?
「犬にとって散歩は必須」とよく言われます。
なぜ、犬には散歩が必要なのでしょうか?
まず、散歩には単純に運動量を確保するという役割があります。
また、家の中とは違う環境に触れることによって、ストレスも発散できます。
さらに、いろんな人や動物に出会うことによって、社会性も養われ、飼い主さんとのコミュニケーションもより円滑になります。
散歩をすることで、運動・ストレス発散・社会性・コミュニケーションという犬にとって大切な4つの要素をカバーできます。
これらは家の中の遊びだけでは補えず、外に散歩に出ることによって、はじめて得られるものです。
最近、人気の小型犬を多く扱うペットショップ等では「小型犬なら無理に散歩に行かなくても、家の中での遊びで充分運動量をカバーできますよ」などと言うところもあるよう。
これは「忙しくて散歩に行けないかも」「でも犬を飼いたい」というお客さんに犬を買わせるセールス手法。
決して鵜呑みにしないでくださいね。
犬が散歩しないとどうなる?
それでは、もし犬が散歩をしないと、一体どうなるのかをみていきましょう。
運動不足に陥る可能性が高い
家の中だけにいると、やはり運動不足に陥る可能性が高いと言えます。
外に出ると様々な刺激があり、ワンちゃんも積極的に歩くようになります。
それは、家の中で走り回って遊ぶよりも、はるかに多い運動量となります。
ちなみに運動不足になると、筋肉量が低下し、次第に肥満体質に陥ってしまうことが多いでしょう。
そうなると、足腰が弱くなって次第に歩きにくくなったり、心臓に負担がかかるようになったりと、病気へのリスクも。
ストレスが溜まってしまう
犬の散歩は、運動だけが目的ではありません。
外の世界には、家の中にはない様々な刺激がたくさんあります。
それらを存分に感じることによって、犬はストレスを発散できます。
もし、散歩しない状況が続くと、犬はストレスが溜まってしまって、様々な弊害が出るように…。
例えば、
- 夜中に激しく吠えるようになる
- やたらとモノをかじるようになる
- 粗相の回数が増える
このように、飼い主さんにとって「困った行動」と言われるものが増えてきます。
さらに下痢やおう吐、脱毛、食欲不振からくる「痩せ」などの身体症状へとつながることもあります。
社会性が身につかず、臆病な子になる
子犬の頃から散歩をさせず、ずっと家の中に閉じ込めていた場合、社会性が身につかずとても臆病な子になります。
犬にとっての社会性とは、主に2点あります。
- 飼い主さん以外の人間を怖がらない
- 他の犬と上手に接する
これらの社会性が身につかないと、例えば知らない人や犬が近づいてきたら「怖い」という感情が先に立ち、むやみやたらに吠えたり、時には噛みついてしまったりすることもあり得ます。
また、動物病院などに連れていくのも怖がってしまい一苦労…ということに。
いわゆる「問題行動」と言われる攻撃性は、飼い主さんが犬に社会性を身につけさせるのを忘れてしまったという悲劇から起こります。
高齢になるまで散歩しないと、刺激不足によって認知症に
幼い頃からずっと高齢になるまで散歩をさぼりがちだった場合、刺激不足によって脳の老化が早まり、認知症になると言われています。
散歩に出かけると、外界から受ける刺激は相当なもの。
その刺激を全く受けないとなると、脳の発達にも影響が出て当然ですね。
犬の散歩デビューはいつから?
犬にとって重要な散歩。
子犬を家に迎えた後、いつから散歩デビューさせたらいいのでしょうか?
ワクチンプログラムが終了して抗体がついてから
犬の散歩デビューは、ワクチンプログラムが終了して抗体がついてからが望ましいでしょう。
もし、抗体が不十分な状態でウイルスに触れてしまうと、子犬の生死にかかわることもあるからです。
ただ、散歩デビューに関しては、獣医師によっても意見が分かれます。
3回目のワクチン接種を終えて、1週間ぐらいからOKという意見もあれば、2回目のワクチン接種後2~3週間でOKという意見も。
その時期に流行している病気などの情報も重要な判断基準となりますので、ぜひワクチンを接種した動物病院で獣医師に散歩デビューの時期についても尋ねておきましょう。
ワクチン接種が済んでいない時期の散歩は?
子犬が適切な社会性を身につけるには、3ヵ月より以前に多くの人やモノ、動物に触れることが重要とされています。
しかし、ワクチンプログラムが全て終了するのを待っていると、子犬の月齢は既に4ヵ月を超えている場合が多く、しかもこの時期は子犬にとって「恐怖期」といって色々なものを怖がる時期に入ってしまっています。
ワクチンプログラムが済んでいない時期に散歩をさせる方法は、2つあります。
1つは、抱っこして近所を歩くこと。
犬好きのご近所さんと関わってもらうことで、犬の社会化を促します。
また、周囲の環境を見たり、車などの音を聞いたりするだけでも、子犬にとっては大きな刺激となります。
もう1つは、有料のパピー教室を利用して、安全な環境で犬同士の触れ合いをさせること。
散歩という定義とは若干違いますが、この時期に犬同士の触れ合いを経験させるには有効な手段です。
1回の犬の散歩に必要な「時間」と「距離」の目安
初めての散歩では、一体どのぐらいの時間をかけてどのぐらいの距離を歩けばいいのか分からず「これで足りているの?」と心配になりますね。
1回の犬の散歩に必要な「時間」と「距離」の目安について確認していきましょう。
大まかな目安
実は、犬の散歩に必要な「時間」と「距離」は、個人差がかなり大きく、一概にコレと言えるものではありません。
小型犬と一口に言っても、1kgの子もいれば5kgの子もいます。
また、必要な運動量も犬種によってまちまちです。
一応の目安として、提唱されているものを以下に掲載しておきます。
時間 | 距離 | |
小型犬 | 30分~1時間 | 500~1.5km |
中型犬 | 1~2時間 | 1.5~4km |
大型犬 | 1~2時間 | 2.5~6km |
愛犬にとって本当に必要な「時間」と「距離」を見極める方法とは?
一応、上記の目安を参考として、小型犬ならまず30分、中型犬・大型犬なら1時間から散歩してみましょう。
そのうえで、散歩が足りているのか、それとも不足しているのかを見極めます。
散歩の量に満足している場合は、家に帰ってから水分補給をした後、ウトウトしたり、寝てしまったりすることが多いでしょう。
逆に散歩の量が足りない場合は、帰ってからも飼い主さんに「遊んで」とせがんできたり、落ち着きなく走り回って吠えたりします。
また、散歩中にペタンと座り込んで動かなくなったり、息切れしてしんどそうな様子を見せたりする場合には、散歩が長すぎるのかもしれません。
ただこれらの行動は、別の意味が込められている場合もあるので、一概に散歩の量の判断に使えるわけではないので、帰宅後の様子もよく観察しましょう。
犬の散歩の回数
それでは次に、犬の散歩の回数について考えます。
犬の散歩の回数は、散歩の総時間によります。
小型犬で毎日30分程度の散歩でいいなら、1日に1回程度で大丈夫でしょう。
1時間なら1回で済ませることもできますが、30分×2回とする方法もあります。
2時間なら1時間×2回とするほうが、犬にとっても飼い主さんにとっても負担がないでしょう。
ただし、ワンちゃんの体力や飼い主さんの事情によって、1日に30分の散歩を2回に分けても全く問題はありません。
また、事情によって1日に2回している散歩を1回にまとめるなど、無理のない範囲で臨機に対応して大丈夫です。
そこまで神経質にならず、飼い主さんにとってもワンちゃんにとっても快適な散歩になるよう、回数を考えましょう。
夏と冬で違う!犬の散歩の時間帯
犬の散歩をするときに一つ、気を付けなければならないことがあります。
それは気温。
夏と冬とでは、犬の散歩をする時間帯を変えなければなりません。
夏は日が昇る前&日が落ちてから
まず夏は、犬が熱中症になったり肉球をヤケドしたりしないよう、日が昇る前や日が陰ってからの時間帯を狙って散歩します。
地域によっても違いますが、早朝なら4時~5時、遅くても7時までには散歩を終えるようにしましょう。
また、夕方は18時前後だと、まだまだ日が高いため、早くても19時以降に散歩するといいでしょう。
冬はなるべく暖かい時間帯を狙う
逆に冬は、犬が冷えないよう、なるべく暖かい時間帯に散歩します。
一般的に太陽が南中する時間帯が一番暖かいことが多いですが、寒気の入り具合によっては、朝が一番暖かいということもあります。
必ず毎日、天気予報で気温のチェックをしておきましょう。
犬の散歩、雨の日や暑い日はどうする?
できるだけ毎日散歩に連れ出してあげるのが理想ですが、雨の日やあまりに暑い日に無理をしてまで散歩する必要はあるのでしょうか?
雨の日は散歩しなくてもいい
雨の日は、散歩しなくても大丈夫です。
ただし、条件があります。
まず、家の中でも排泄できること。
たまに「散歩でしか排泄できない」という犬がいます。
その場合は、雨の日でも散歩に連れ出し、排泄させてあげましょう。
また、どうしても家の中だけでは運動量が足りず、ストレスが溜まってしまう子も、天候に関係なく散歩に行く必要があります。
雨の日に散歩する場合は、飼い主さんはレインコートなどを着て、しっかり両手が使える状態で行きましょう。
傘をさしての散歩は、視界も悪くなり、犬のとっさの行動に対応できず、かなりリスキーです。
ちなみに、よほど毛の長いワンちゃんでない限りは、犬にレインコートを着せる必要はありません。
ただし、帰宅したらしっかりと濡れた毛を拭き、乾かしてあげましょう。
夜になっても気温が下がらない真夏の散歩は?
真夏になると、夜になっても気温が下がらない日が、続くこともあります。
そういう時は、アスファルトの温度も高いままのことが多いため、犬にとっては肉球ヤケドの危険があります。
特に暑さに適応がない超小型犬や子犬、高齢犬、また肥満体の犬などは、気温が高すぎると熱中症の危険性も高まるため、散歩を見合わせたほうがいいでしょう。
どうしても夜の散歩が必要な場合は、アスファルトの上ではなく土の上を歩かせたり、足にシューズを履かせたりするという手段もあります。
また、散歩途中に水分補給できるよう、水も持参しておくといいでしょう。
最近では、天候や寒暖に左右されず、思いっきり遊べる室内のドッグランもあります。
あまりに暑い日には、そのような施設を利用するのもおすすめです。
犬の散歩コースの決め方
毎日の犬の散歩のコース、あなたは、どのように決めていますか?
「毎日、同じコース」という方が多いかもしれませんが、実はそれは間違っています!
犬の散歩コースの決め方の基本をおさえていきましょう。
散歩コースを犬に決めさせてはダメ
犬の散歩コースを決めるのは、飼い主さんです。
「犬が行きたい方向に引っ張られて行く」という散歩コースの決め方は、絶対にダメ。
散歩は、リーダーウォークが基本です。
飼い主がリーダーとなり、犬がそれに従って散歩をするという形をとらないと、犬は飼い主の言うことを聞かないワガママ犬になってしまいます。
パターン化しないことが大事
犬の散歩コースは、パターン化しないことが大事です。
いつも同じ散歩コースにしていると、犬が道順を覚えてしまい、犬のほうが飼い主より先を歩く可能性が高くなります。
つまり、「リーダーウォークができなくなる」ということです。
また、パターン化してしまうと、刺激が少なくなり、ストレス解消に役立ちません。
さらに、縄張り意識が強い子の場合、同じ散歩コースばかりを歩いていると、その散歩コースのことを「自分のテリトリーだ」と勘違いしてしまいます。
そうなると、歩いている犬や人に向かって吠えてしまうという問題行動に繋がります。
散歩コースを毎日変えるのが理想
できれば、散歩コースを毎日変えていきましょう。
「そんなに、たくさんの経路を用意できない…」という場合でも、大筋の道のりはそのままにして、ちょっと脇道に入るだけでも犬にとっては新鮮です。
また、いつもの道を反対周りに回ってもいいでしょう。
ちなみに、散歩慣れしていない臆病な子の場合、散歩コースを変えると、なかなか前に進まないことがあります。
そういう時には、大きくガラッとコース変更するのを避け、毎日ほんの少しずつどこかの脇道にそれる程度にしておきましょう。
臆病な子でも毎日同じ道を通るというのは避けてください。
同じパターンに固執すると、臆病な性格が助長されてしまいます。
犬の散歩に必要なもの
犬の散歩に出かける際には、準備すべき散歩グッズがあります。
まずは、首輪もしくは胴輪と、リードです。
日本ではトラブル防止のため、地方自治体の条例などにより、ノーリードでの散歩が認められていません。
必ず、首輪(胴輪)にリードをつけて散歩させましょう。
また、首輪などに迷子札をつけておくのも忘れないようにします。
また、散歩前に家の中で排泄させていくのは常識となりつつありますが、それでも外で排泄してしまう犬もいます。
道路上で排泄した時に備え、トイレグッズを持参しましょう。
・エチケット用の水
・おしり拭きティッシュ
・スコップ
・トイレシーツ
犬が小をした場合は、トイレシーツでキレイに排泄物を拭き取ります。
その後、水で流しておきましょう。
大の場合は、スコップ等でビニール袋に排泄物を入れ持ち帰ります。
こちらも水でしっかりと流しておきます。
犬の排泄に関するエチケットは、近年厳しくなっています。
マナーを守って気持ちの良い散歩を心がけましょう。
初めての愛犬の散歩は短時間の練習から
以上のような準備ができたら、いざ初めての散歩へ!
ただし、初めての愛犬の散歩はまず短時間の練習から。
小型犬なら30分が散歩の目安時間でしたが、最初から30分も歩かせるのは長すぎです。
だいたい10分程度を目安とし、家の周囲をぐるりと回るぐらいが丁度いいでしょう。
最初は、散歩を怖がるワンちゃんもいますが、無理強いはよくありません。
最初からリーダーウォークを意識しすぎて、強い口調で指示するのはNG。
最初は自由に歩かせて、犬が「散歩は楽しい」という意識を持てるようにしてください。
オヤツなどを上手に使って誘導するのも有効です。
愛犬のペースに合わせて、徐々に行動範囲を広げていきます。
犬の散歩の基本をおさえて、散歩を楽しい時間に!
今回は、犬の散歩の基本知識を確認しました。
子犬を迎えるといつから散歩したらいいのか、また散歩の回数や時間、距離、コースなど、気になることがたくさん出てきます。
それら一つひとつの疑問をしっかりと解決して、飼い主さんも自信をもって散歩できるようにしましょう。
また、散歩は犬にとってとても大切なものですが、雨の日や暑さがヒドい日などは無理をする必要はありません。
もちろん、飼い主さん自身の体調が優れない日に、散歩に出かけなきゃと頑張らなくても大丈夫。
犬にとっても飼い主さんにとっても、散歩が楽しいものとなることが一番大切です。
散歩中のお悩みは下の記事で解決!