犬はとうもろこしを食べられる!アレルギーや芯には注意!
毎年、夏近くになると市場に出回り始めるとうもろこし。
ゆでたり焼いたりしたとうもろこしをかぶりついている飼い主さんの横で、欲しそうな素振りを見せる愛犬が…。
果たして、犬はとうもろこしを食べられるのでしょうか?
今回は、犬はとうもろこしを食べても大丈夫なのかと疑問に思っている飼い主さんのために、とうもろこしの特集です。
気になるアレルギーのことや、芯を食べても大丈夫なのかということ、またドッグフードに含まれているとうもろこしは成分的にどうなのかというところまで、細かく確認していきたいと思います。
犬はとうもろこしを食べていい?
とうもろこしは、ドッグフードにも含まれているような食材です。
犬にとって毒性は無く、食べても中毒を起こすようなことはありません。
つまり、犬はとうもろこしを食べても大丈夫。
ただし、与え方や与える量によっては犬にとって危険な場合もありますし、中にはとうもろこしにアレルギーを持つ犬もいます。
以下で確認していきましょう。
犬にとうもろこしの芯を与えたら絶対ダメ!
とうもろこしを犬に与える上で最も注意しなければならないのが、とうもろこしの芯(しん)です。
犬には、絶対にとうもろこしの芯を与えないようにしましょう。
丸かじりもNGです。
とうもろこしの芯は固く、消化できないので詰まる!
とうもろこしの芯は固く、多くの食物繊維が含まれています。
芯を丸のみしてしまうと、まず喉で詰まってしまうことが考えられます。
喉で詰まると、当然呼吸困難に。
とうもろこしの芯を食べて、すぐに症状が出ない場合も安心できません。
喉で詰まらず通過した芯は、そのまま胃まで降りて、腸を通過しようとしたところで詰まることが多いのです。
とうもろこしの芯は胃腸でほとんど消化されないため、芯の大きさ・形のまま腸を塞いでしまいます。
とうもろこしの芯を誤飲したときの対処法
とうもろこしの芯を誤って食べてしまった時は、自宅で無理やりに吐かせないようにしてください。
とうもろこしの芯は直径も大きく、吐かせようとしても、逆に喉の手前で詰まってしまうことが多いため、危険です。
誤飲したことが確認できたら、すぐに動物病院へ連れていきましょう。
レントゲンなどで芯の場所を確認し、内視鏡を使って取り出したり、開腹手術を行って取り出したりします。
とうもろこしアレルギーの犬もいるって本当?
ドッグフードにも含まれる食材であるとうもろこしですが、実は、とうもろこしに対してアレルギーを持つ犬もたくさんいます。
アレルギーの症状としては、
- 肌のかゆみ
- 湿疹
- 皮膚炎
- 目・鼻の症状
- 嘔吐や下痢
などを起こすこともあります。
生まれて初めてとうもろこしを犬に与える場合は、少量から様子を見ましょう。
かゆがったり嘔吐したりするなどの症状が見られなければ、徐々に量を増やしていきます。
犬がとうもろこしを食べるメリットや栄養効果
それでは、犬がとうもろこしを食べるメリットをみていきましょう。
ビタミン豊富
とうもろこしには、ビタミンが豊富に含まれています。
最も多いのは、元気の素であるビタミンB群です。
ビタミンB群は、糖やタンパク質の代謝に関わったり、エネルギーを生成するサポートをしたり、酵素の働きを助ける役割を担っています。
そのため、ビタミンB群が不足すると、疲れやすくなってしまいます。
中でも、ビタミンB群の一種の葉酸は、妊娠中の母犬や子犬にとって必要な栄養素です。
DNAの形成や細胞の分裂に欠かせない成分で、胎児の発育や子犬の成長を助けます。
赤血球を作る働きもあるため、葉酸を摂取すると、健康な血液が体の中を巡りやすくなります。
カリウムで体のバランスが整う
とうもろこしには、カリウムも含まれています。
カリウムは、体の水分バランスや血圧をコントロールしてくれる役目を果たしてくれる栄養素です。
また、神経がスムーズに働くようサポートする役割も担っていて、体のバランスを総合的に整えてくれる成分と言えます。
食物繊維
とうもろこしの実の部分にも、多くの不溶性食物繊維が含まれます。
不溶性食物繊維といえば、サツマイモが一番に思い浮かぶという方も多いと思いますが、実はサツマイモよりとうもろこしのほうが不溶性食物繊維は豊富。
便秘がちな子に、適量与えると便秘解消に役立ちます。
犬はとうもろこしを食べていいけど注意点が!
それでは次に、とうもろこしを犬に与える時の注意点をみていきましょう。
生で与えず加熱する
犬にとうもろこしを与える場合は、必ず加熱しましょう。
生で与えると、消化吸収に時間がかかったり、消化できなかったりします。
胃腸に負担をかけないためにも、必ず加熱することが必要です。
人間の場合、とうもろこしを塩ゆですることも多いと思いますが、犬に与える場合は塩などの調味料は使わないようにしましょう。
犬は、人間よりも塩分量に気を付けないと、腎臓に負担がかかると言われています。
「塩ゆで程度の塩分は大丈夫」という見解を持つ獣医師もいますが、念のため塩を使わないほうが安心です。
細かくする
犬の消化器官に負担をかけないようにするには、加熱したとうもろこしをさらに細かく砕いたり、すりつぶしたりして与えるのがおすすめです。
とうもろこしの粒の部位の中で、最も消化吸収しにくいのは、黄色い皮の部分です。
この部分を細かくしてあげることで、消化吸収しやすくなります。
与えすぎに注意!下痢や嘔吐、肥満の可能性
とうもろこしは便通に良い食材ですが、食物繊維が非常に多いため、与え過ぎると下痢や嘔吐の危険性があります。
また、とうもろこしには炭水化物も多いため、摂取しすぎると肥満になることも。
カロリーのことだけを考えると、1日の摂取カロリーの20%までは与えてもいいことになりますが、これは多すぎです。
例えば、避妊去勢済みの健康な体重5kgの成犬なら、74gも与えていいことになってしまいますが、74gも食べると消化不良を起こす可能性が高くなります。
とうもろこしは、1日に10~15g程度の量を目安に与えるようにしましょう。
主食として与えるのではなく、おやつや主食のトッピングとして与えます。
味付けポップコーンはダメ
人間がポップコーンを食べているときに「ちょうだい!」と寄ってくるワンちゃんもいると思います。
絶対に味付けのポップコーンを犬に与えないようにしましょう。
とうもろこしに限らず、人間用に濃いめに味付けされて加工された食材は、多くの塩分や糖分を含んでいるため、犬にとっては危険です。
犬が摂取すると、腎臓などに負担がかかり、内蔵系の病気になってしまうことも考えられます。
ポップコーン以外にも、とうもろこしを加工したお菓子やコーン缶も、塩分や糖分が気になるので与えないようにしましょう。
主原料がとうもろこしのドッグフードは良くない?
ドッグフードの中には、とうもろこしを主原料にしているものも多くあります。
一概には言えませんが、それらは一般的なドッグフードより安価な値段で売られていて、スーパーなど量販店で販売されていることから購入しやすいのが特徴です。
ドッグフードに使われているとうもろこしは、人間が口にしているとうもろこしとは種類が違い、「コーンミール」や「とうもろこし粉」などと表記されています。
安価なので、ドッグフードのかさ増しにちょうどいい食材として使われています。
とうもろこしの主成分は炭水化物です。
とうもろこしが主原料になっているドッグフードは、要するに炭水化物が主原料ということ。
犬にとって、炭水化物はエネルギー源にはなりますが、この割合があまりに多いと、必要な栄養素を充分に摂取できないフードとなっている可能性もあります。
ちなみに、とうもろこしは高GI食品に分類されています。
高GI食品を摂取すると血糖値が上昇し、元に戻るまでに時間がかかるため、近年は糖尿病予防のために高GI食品は避けるべきとの論調が主流です。
できれば、とうもろこしを豆類などの低GI食品に置き換えているフードを選ぶと、糖尿病予防という観点からは、より安心できますね。
【まとめ】犬にとうもろこしを与えるなら、アレルギーと芯に注意!
今回は、とうもろこしを犬に与える場合のメリットや注意点を中心にみていきました。
犬は、とうもろこしを食べることはできますが、特に芯には注意しなければならないことが分かりましたね。
また、アレルギーにも気を付けましょう。
とうもろこしは、犬にとって絶対に必要な食材ではありません。
愛犬が好むようなら、与えても構いませんが、ごく少量にしましょう。