犬はキャベツを食べていい?生でも大丈夫?適量や与え方の注意点
年中、手に入るキャベツは、とても使い勝手の良い野菜ですよね。
なぜかキャベツを好きな犬も多いため、愛犬についつい食べさせ過ぎてしまう…という飼い主さんも多いのではないでしょうか?
そこで今回は、犬はキャベツを食べていいのかを検証します。
- 生で食べさせても大丈夫なのか
- キャベツを与えるなら、どのぐらいの量が適正なのか
など、与え方にも注目してみていきたいと思います。
犬はキャベツを食べていい?芯や生でも大丈夫?
キャベツには、犬にとって有毒な成分は含まれていませんので、犬はキャベツを食べても大丈夫です。
生のキャベツには、シュウ酸が含まれていますが、特に健康に問題のない犬なら少量を生で食べてもOK。
生のキャベツには、ビタミンなどが豊富に含まれていますよ。
ただし、キャベツの芯は取り除いてあげましょう。
キャベツの芯には微量ですが、硫酸イオンという毒性のある物質が含まれています。
胃腸の調子が優れない時に硫酸イオンを摂取すると、体内で発がん物質となる可能性があるため、なるべく摂取したくない成分です。
また、芯には多くの食物繊維が含まれているので、芯を細かく刻んで与えたとしても、消化不良を起こす可能性があります。
さらに、芯をそのまま丸飲みしてしまうと危険です。
丸飲みされた芯は胃腸で消化されることなく、消化管にとどまり、最悪の場合は手術で取り出すしかなくなることも…。
なぜ犬はキャベツが好きなの?
「キャベツ大好き!」というキャベツ好きの犬は多いようです。
キッチンに置いておいたキャベツを丸かじりしたり、畑にあるキャベツを豪快に丸かじりしたり、という逸話をよく耳にします。
ネット上の動画にも、キャベツ丸かじり犬の可愛い様子がアップされていますね。
本来、犬は肉食だったはずなのに、なぜキャベツをこれほどまでに好きなのか…は、分かっていません。
シャキシャキという食感が好きだったり、キャベツの甘味に惹かれていたり、キャベツで水分を補給していたりするのかもしれませんが、まだ正確に解明されてはいません。
いずれにしても、キャベツを好きな犬は多いということを覚えておきましょう。
不用意にキャベツを犬の前に置いておくと、丸々食べられてしまうかもしれませんよ。
キャベツを犬に与える時の適量や与え方
それでは、キャベツを犬に与える時の適量や与え方についてみていきましょう。
体重5kgならキャベツの葉3/4枚を目安に
キャベツの場合、カロリーはとても低く、100gでわずか24キロカロリーしかありません。
とはいえ、カロリーを基準に犬に与えてしまうと、食物繊維の量が非常に多くなってしまうためNG。
体重5kgの小型犬ならキャベツの葉3/4枚を目安にしましょう。
キャベツの葉3/4枚は、約40gなのでカロリーは9.6キロカロリーです。
体重10kgの犬ならキャベツの葉1枚と少しまで、体重20kgならキャベツの葉2枚程度までを目安としてください。
生の場合も加熱する場合も1cm程度に細かく刻んで与えて
キャベツの消化吸収率を上げるには、生でも加熱した状態でも細かく刻んで与えることが大切。
葉1枚そのままを与えると、丸飲み傾向の強いワンちゃんの場合、上手に消化できないことがあります。
最低でも、1cm程度には刻んで与えましょう。
フードプロセッサー等でさらに細かくすると、より消化吸収率がアップしておすすめです。
ちなみに、加熱する場合は、水溶性ビタミンの流出を極力おさえるため、さっと茹でるのがポイントです。
熱湯にくぐらせる程度で構いません。
ただし、シュウ酸の量が気になるようなら、1~2分程度ぐつぐつと煮込むといいでしょう。
犬がキャベツを食べるメリットや健康効果
それでは次に、犬がキャベツを食べるメリットや健康効果についてみていきましょう。
胃腸が弱い子におすすめの栄養素=ビタミンU(キャベジン)
胃腸が弱い子におすすめの栄養素といえば、ビタミンUです。
別名、キャベジンとも言われ、胃粘膜の修復を促し、消化吸収をサポートしてくれる栄養成分として知られています。
キャベツには、キャベジンが豊富に含まれています。
胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの予防や治療にも効果が見込めます。
ただし、キャベジンは水に溶けやすく、熱に弱い性質を持ちます。
つまり、キャベツを茹でてしまうと、流れ出て消失してしまう可能性があるということです。
キャベジンの恩恵を受けたいなら、短時間の加熱にとどめるか、生で与えたほうがいいでしょう。
でんぷんの消化吸収を促すジアスターゼ
犬は人間と違い、でんぷんの消化吸収が苦手です。
ただ、ドッグフードの中にもでんぷんが含まれているものが多く、またおやつとして与えた野菜などの中にもでんぷんは含まれます。
それらのでんぷんの消化を助けるのが、キャベツに含まれているジアスターゼという成分。
ジアスターゼは、大根の中に多く含まれる消化酵素として知られていますが、キャベツの中にも含まれています。
でんぷんによる胃もたれや消化不良を改善してくれる効果に期待が持てます。
その他にもビタミンCやKも
キャベツには、ビタミンUの他に、ビタミンCやビタミンKも含まれています。
どちらも野菜の中では含有量が多く、特にビタミンKはトップクラスの含有率を誇ります。
ビタミンCは、犬の場合、自ら作り出すことができるため、不要という考えもありますが、老犬や体力が低下中の犬の場合は、ビタミンCも不足しがち。
フードトッピングの野菜等で補ってあげると良いです。
また、ビタミンKも完全栄養食であるドッグフードを主食にしていれば、不足することはありませんが、ビタミンC同様に老犬や成長期の犬には不足しがちな栄養素と言われています。
ビタミンKは血液凝固に関わったり、骨を丈夫にしたりする効果が見込まれるため、フードトッピングのキャベツで補えるといいですね。
ファイトケミカルで抗がん作用や皮膚病予防
キャベツの中には、ファイトケミカルと呼ばれる様々な健康物質が含まれていることも確認されています。
ファイトケミカルには約1万種類もの成分がありますが、キャベツに含まれているのは、ポリフェノールやルテイン、イソチオシアネートなどです。
これらの物質には抗酸化作用があるものや、抗がん作用が期待できるもの、皮膚疾患を起こしづらくするもの、目の病気に有効なものなど、様々な健康効果が期待できます。
豊富な食物繊維で腸を健康に
キャベツには、食物繊維も豊富に含まれています。
食物繊維には水溶性と不溶性の2種類がありますが、キャベツの場合この2つの食物繊維が含まれていて、腸を刺激しつつ腸内環境も整えてくれます。
キャベジンの効果と合わせて、便秘気味というワンちゃんには、おすすめの食材です。
カロリー低いので、ダイエット補助に最適!
前述したとおり、キャベツのカロリーは100gでわずか24キロカロリーほどです。
しかも、キャベツの中には、犬の健康に役立つ様々な栄養素が含まれています。
これらのことから、キャベツはダイエット補助食として、動物病院で勧められることも多い食材となっています。
ドッグフードを1~2割程度減らし、キャベツに置き換えます。
ただし、毎日摂取し続けると弊害が出ることも考えられますので、週に数回程度の使用にとどめましょう。
また、きゅうりやレタスなどカロリーが低く、ダイエット用食材に適している野菜と併用するのもいいでしょう。
犬はキャベツを食べていいけど注意点が!
犬はキャベツを食べても構いませんが、いくつか注意点があります。
確認していきましょう。
消化不良で下痢や嘔吐の症状
キャベツには、食物繊維が豊富に含まれていますが、犬は食物繊維を消化するのが苦手です。
食べ過ぎると消化不良を起こして、下痢や嘔吐(おうと)を起こす可能性があります。
特に、加熱するとキャベツのかさは一気に小さくなるため、ついつい与え過ぎてしまうことがあります。
また、キャベツを丸かじりするワンちゃんも要注意です。
犬にキャベツを与える場合には、必ず適量を守り、食べさせ過ぎないようにしましょう。
アレルギーの可能性
どんな食物にも、アレルギーの可能性はあります。
犬がキャベツを食べたことによるアレルギーの報告は少ないものの、絶対にアレルギーが起きないとは言えません。
生まれて初めてキャベツを食べさせる際には、まず少量から始めましょう。
キャベツを食べた後、皮膚や目、耳のかゆみや赤み、下痢や嘔吐、痙攣(けいれん)といった症状が出るようであれば、アレルギーかもしれません。
早めに動物病院を受診しましょう。
結石のリスク
キャベツの中には、100g中に0.1~0.3gと微量ではありますが、シュウ酸が含まれます。
シュウ酸は、ある条件が整うと体内でカルシウムと結合し、シュウ酸カルシウムとなります。
シュウ酸カルシウムは結石となり、尿道や尿管などにとどまり、尿が出にくくなるなどの病気を発症してしまいます。
排尿困難になると、腎臓にもダメージを与えます。
過去に尿結石になったことがあるという犬には、念のためキャベツを与えないほうがいいでしょう。
またまだ尿結石を経験したことがない、という犬でも注意は必要です。
近年、尿結石にかかる犬は、増加傾向にあります。
シュウ酸は、水に溶け出しやすいという性質をもっています。
犬にキャベツを与える時には、キャベツを茹でて、キャベツの中のシュウ酸を減らしましょう。
甲状腺疾患のある犬には与えない
甲状腺疾患のある犬には、キャベツを与えないようにしましょう。
キャベツには、グルコシノートという成分が含まれます。
グルコシノートは体内でゴイトロゲンという、ヨウ素の吸収を阻害する成分に変化します。
ヨウ素の吸収が阻害されると、甲状腺の機能を正常に保つことができなくなります。
ただし、甲状腺疾患のない健康な犬には、あまり気にする必要はありません。
グルコシノートには、がんを抑制する効果もあると言われています。
もちろん、大量に摂取すると弊害が起こることが予想されますので、適量を守ってくださいね。
おすすめのキャベツの犬ごはんレシピ
キャベツを使ったおすすめの犬ごはんレシピを紹介します。
作り置き★失敗知らずの豆腐ハンバーグ
犬ごはん先生のいちかわあやこ先生のキャベツを使った豆腐ハンバーグレシピ。
ノンオイル仕上げの作り置き保存もできる犬ごはんレシピです。
食材(1食分・3kgの犬)
- 豆腐(今回は木綿)・・・150g
- ひじき・・・小さじ1
- キャベツ・・・30g
- にんじん・・・30g
- 片栗粉・・・大さじ1
作り方
1.約7cmの俵型で、8個分できます★ 野菜のシャキシャキ感が苦手な方は、予め加熱してください。 食感を残したい方は、生でOKです。
2.ひじきは軽く洗って、水につけておく。 豆腐はキッチンペーパーに包んでおく。
3.野菜を1.5cm角ぐらいに切る。
4.ボウルに野菜、水切りしたひじき、崩しながら豆腐、片栗粉を入れる。
5.よく混ぜ合わせる。
6.形を整えて、オーブンシートに並べる。
7.180℃のオーブンで20分焼く。 (お好みの焼き色まで)
8.あら熱が取れたらできあがり。 熱いうちだと、型くずれしやすいので気をつけてくださいね。
鶏ひき肉のキャベツたっぷり雑炊
ペット食育指導士ちゅうさんのキャベツを使った犬ごはんレシピです。
食材(1食分)
鶏ひき肉・・・25g
ごはん・・・適量
キャベツ・・・1/2
にんじん・・・1cm
チンゲン菜・・・1枚
パセリ・・・適量
ごま油・・・少々
作り方
1.キャベツ、にんじん、チンゲン菜を切る
2.鶏ひき肉、ごはん、キャベツ、にんじん、チンゲン菜を水で煮る
3.②が煮えたら、ごま油を、入れて混ぜる
4.③を盛り付けて、パセリのみじん切りを散らしたら出来上がり!
5.※パセリは、洗ってよく水を切ったら、保存用ビニール袋に入れて冷凍!よく冷えた頃にとりだし、手で揉みほぐすと、あっという間にみじん切り♪
6.で、そのまま冷凍しておけば、使いたいときに使えて、超便利です♪
【まとめ】胃腸の弱い犬でもトライできる野菜はキャベツ
今回は、犬がキャベツを食べていいのか、というところから検証してみました。
キャベツには、ビタミンU(キャベジン)が含まれているので、お腹が弱い犬でもトライしやすい野菜です。
ただし、与え方には気を付けてください。
量を守って、細かく刻み、犬の健康をサポートできるよう、食事に取り入れてみてくださいね。
キャベツも犬におすすめの野菜!