犬はセロリ食べていい?葉は大丈夫?適量や与える時の注意点
他の食べ物には反応しないのに、なぜか台所でセロリをカットしたり煮込んだりしていると、「ワンワン!」と欲しそうにするというワンちゃんも多いのではないでしょうか?
これは、どうもセロリの香りの強さが影響しているようです。
でも、「セロリなんて犬に食べさせていいの?」と悩んでしまいますね。
そこで今回は、犬がセロリを食べていいのかということについて特集します。
セロリといえば茎(くき)を食べますが、葉を食べても大丈夫なのか、またどのぐらいの量までなら食べさせてもいいのかも確認しますよ。
犬はセロリ食べていい?セロリの葉も大丈夫?
まず、セロリには犬が中毒を起こす成分は含まれていませんので、食べても大丈夫です。
茎だけでなく、葉にも有毒物質は含まれていません。
セロリのあの独特の香りが好きで、食欲を刺激されてしまうという犬も多いようです。
ただし、セロリは非常に繊維が多い食べ物です。
与え過ぎると様々な弊害が出てきます。
セロリを犬に食べさせる場合は、与え方や与える量に気を付けなければなりません。
生でも大丈夫?犬へのセロリの与え方や適量
セロリを犬に与える場合は、生でも煮込んでも大丈夫です。
ただし、セロリに含まれている繊維質の分解を不得意とする犬は多いため、生で与える場合は茎の筋を取り除いて細かく刻んだり、すりつぶしたりすると安心です。
通常、セロリを犬に与えることはほとんどないため、「どのぐらいの量までなら犬にセロリを与えても大丈夫なのか」という医学的な見解は公表されていません。
含まれている繊維の量や栄養素、カロリーなどを考え合わせると、体重5kg程度の小型犬で茎部分を5cm程度が限界かと。
葉の部分なら、1~2枚程度におさえておきましょう。
犬がセロリを食べるメリットや栄養効果
それでは、犬がセロリを食べるメリットや栄養効果についてみていきましょう。
独特の香りは、リラックス効果や抗酸化作用も
セロリといえば、あの独特の香りですね。
あの独特の香りは、40種ほどの成分から構成されていると言われています。
その中でも特に注目したいのが、「アピイン」というポリフェノール成分。
アピインにはリラックス効果があり、イライラとした犬を鎮静させる効果を期待できます。
また、アピインは抗酸化作用も強く、免疫力を高めてくれたり、ガンを防いだりしてくれる効果も。
血液もサラサラに保ってくれます。
ちなみに、抗酸化作用といえば、セロリにはβカロテンも含まれています。
βカロテンも抗酸化作用が強いビタミンとして知られていて、皮膚のターンオーバーを促し、犬の被毛(ひもう)や皮膚を美しく保ってくれる効果が期待できます。
カリウムや食物繊維でデトックス効果
次に注目したいのが、セロリに含まれるカリウムや食物繊維によるデトックス効果です。
まず、カリウムは体内の不要なナトリウムや老廃物を排出してくれる効果が期待できます。
適正な血圧を保つと同時に、神経がスムーズに働くようサポートする機能も。
セロリに多量に含まれる食物繊維は、摂取しすぎると弊害が出ますが、適量を摂取することで、腸内の善玉菌を増やすという効果が期待できます。
ウンチの量も増えるため、便秘気味の子にはおすすめです。
食物繊維を摂取することによって満腹感を得やすいため、食べ過ぎを防ぐ効果も。
犬はセロリを食べても大丈夫だけど注意点が!
犬はセロリを食べても大丈夫ですが、いくつか注意点があります。
確認していきましょう。
茎のスジを取り除く
「与え方」のところで少し触れましたが、犬にセロリを食べさせる際には、茎にある硬い繊維を取り除く必要があります。
もともと犬は、繊維質の消化が苦手というのもありますが、セロリの茎の繊維はとりわけ硬いため、そのまま摂取すると腸内で詰まってしまって腸閉塞を起こす可能性があります。
腸閉塞を起こすと、食欲不振という症状にはじまり、腹痛、嘔吐(おうと)などの症状があらわれます。
投薬などで治る場合もありますが、症状によっては外科的な手術が必要になります。
そうならないためにも、犬にセロリを食べさせる際は、必ず茎のスジを取り除くことが大切。
食べ過ぎると消化不良で下痢や嘔吐に
セロリには、犬が消化を苦手とする食物繊維がたくさん含まれています。
そのため、食べ過ぎると消化不良を起こして、下痢や嘔吐を起こす可能性があります。
犬にセロリを食べさせる場合は、必ず上記でご紹介した適量(体重5kg程度の小型犬で茎部分を5cm程度・葉の部分は1~2枚程度)を大きく超えないようにしてください。
アレルギーの可能性
セロリを犬に食べさせることが少ないため、セロリでアレルギーが起きやすいかどうかは分かっていません。
ただ、既にニンジンやキュウリ、スイカ、リンゴ、パセリ、キウイに対してアレルギーを持っているワンちゃんの場合、構造が良く似ているセロリに対しても交差反応としてアレルギーが出る可能性があります。
アレルギーの一般的な症状としては、皮膚や耳のかゆみ・赤み・炎症、目の充血、嘔吐や下痢といったものがあげられます。
生まれて初めてセロリを犬に食べさせる際には、まずごく少量から試してみましょう。
そして上記のような症状が出たら、「アレルギーかも?」と疑い、動物病院を受診することが鉄則となります。
結石のリスク
セロリには、ミネラルも含まれています。
ミネラルは、もちろん犬にとっても身体のバランスを保つために必要なものですが、必要以上に摂取して尿がアルカリ性に傾いていると、結石のリスクが考えられます。
特に、ドッグフードをメインの食事としている場合、もうすでに充分なミネラルを補給できている可能性が高いため、セロリから摂るミネラルは不要ということになります。
余分なミネラルは、腎臓や尿管などで溶かされずに結合して、結石になってしいます。
腎臓病の犬には注意
既に腎臓病になっている犬の場合、高カリウム血症を防ぐため、カリウムの摂取制限がかかっていると思います。
セロリには、カリウムも豊富に含まれていますので、腎臓病の犬には与えないようにしましょう。
また、腎臓病以外でも何らかの薬を飲んでいる犬には、動物病院で推奨されているフード以外は与えないほうが無難です。
まとめ:フードを食べにくい時の救世主として少量ならOK
今回は、犬がセロリを食べていいのかについて確認していきました。
セロリは犬にとって消化しにくく、必ずしも積極的に与えるべき食材とは思えません。
ただ、セロリの独特の香りが好きという犬は多いため、フードを食べにくい時の救世主として使うならOK。
しっかり筋をとったセロリを少量刻んでフードにかけてみましょう。
もちろん、アレルギーのリスクはありますので、食べた後は充分見守りを。
また、既に何らかの病気を抱えている犬には与えないようにしましょう。