犬はタケノコを食べても大丈夫?オススメできない理由や注意点
春先になると、一気に店頭に並び始めるタケノコ。
春の訪れを感じさせる野菜ですよね。
「旬の美味しいタケノコを愛犬にも食べさせてあげたい」と考えている飼い主さんも、いらっしゃるかもしれませんね。
でも気になるのは、犬にタケノコを食べさせても大丈夫なのかということ。
実は残念ながら、犬にはタケノコを積極的に食べさせない方がいいと言われています。
一体なぜ、犬にタケノコを食べさせないほうがいいのでしょうか?
犬にタケノコを食べさせてしまった場合は、どうしたらいいのでしょうか?
今回は、犬とタケノコに関連する諸々を解説します。
犬はタケノコを食べても大丈夫なの?
ネット上には、犬用のタケノコを使った料理レシピが、けっこう掲載されています。
それらを読むと「犬にタケノコを食べさせても大丈夫なのか」と勘違いしがちですが、実は犬にタケノコを食べさせるのは控えた方がいいと言われています。
なぜなら、タケノコには、犬が消化を苦手とする「食物繊維」が非常にたくさん含まれており、さらに結石を起こす原因となり得る「シュウ酸」も多く含まれているからです。
もちろん、タケノコにも魅力的な栄養成分は含まれていますが、それ以上に犬の健康に害を与えるかもしれない成分が多量に含まれているため、食べさせないほうがいいということです。
ただし、タケノコの中には、犬が急性の中毒を起こすような成分は含まれていません。
愛犬が少量のタケノコを口にした場合には、慌てず、様子を見守りましょう。
犬がタケノコを食べるのをオススメできない理由
それではここからは、犬がタケノコを食べるのをオススメできない理由について詳しくお伝えします。
食物繊維が多いため消化不良で下痢や嘔吐に
タケノコには、非常に多くの食物繊維が含まれます。
タケノコ100g中に含まれる食物繊維量は、水溶性食物繊維0.3g、不溶性食物繊維2.5gで、合計すると2.8gもの量になります。
タケノコに含まれている食物繊維量は、他の野菜と比べても圧倒的に多く、食物繊維の消化が苦手な犬は、消化不良を起こして下痢や嘔吐(おうと)といった症状に苦しむことも。
例えば、犬にも与えていいとされているキャベツの場合、水溶性食物繊維0.4g、不溶性食物繊維1.4gであり、タケノコはキャベツの約1.8倍もの量の食物繊維を含むことになります。
ちなみに、犬に与えてもいい野菜の中でも比較的、食物繊維量が多いサツマイモと比較しても約1.2倍もタケノコのほうが食物繊維の量が多いのです。
シュウ酸が多く結石の原因に
タケノコには、シュウ酸もたくさん含まれています。
ほうれん草にも、多くのシュウ酸が含まれていることで有名ですが、タケノコはほうれん草と並んでシュウ酸が多い食べ物です。
シュウ酸は、尿の中でカルシウムと結合するとシュウ酸カルシウムとなり、尿路結石の原因となります。
そのため、シュウ酸は、なるべく摂取させたくない成分。
特に尿路結石にかかったことがあるという犬には、タケノコを与えないほうがいいでしょう。
近年、尿路結石で悩む犬は増加中です。
今、尿路結石にかかっていない犬でも、将来かかる可能性は大いにあります。
リスクを避けるという点でも、シュウ酸の多いタケノコを与えるのは控えたほうがいいでしょう。
アレルギーの可能性
犬がタケノコを食べたことによって、アレルギーを起こしたという報告数は少ないものの、どんな食べ物でもアレルギーを起こす可能性はあります。
また、人間の場合、タケノコで喉(のど)のかゆみなどのアレルギーを起こす方も多いようです。
犬にタケノコを食べさせた後、喉や皮膚、目、耳などにかゆみや赤みが出たり、嘔吐や下痢などの症状が出たりした場合は、アレルギーかもしれません。
これらの症状が出た場合は、必ず動物病院を受診しましょう。
喉につまらせて窒息する可能性
タケノコは食物繊維が多いだけでなく、非常に繊維が固いという特徴があります。
タケノコを大きいサイズのまま与えると、食べ物を丸飲みする習慣がある犬はもちろんですが、噛む習慣がある犬でもタケノコを上手に噛みくだくことができず、喉につまらせて窒息することも。
犬がタケノコを食べた後に苦しそうな様子を見せたら、すぐに動物病院へ連れて行きましょう。
犬がタケノコを食べるメリットや栄養効果
犬がタケノコを食べるメリットや栄養効果も、もちろんあります。
例えば、タケノコにはデトックス効果が期待できるカリウムや、老化防止に役立つグルタミン酸、疲労回復に効果を発揮するアスパラギン酸などが含まれています。
他にも、まだまだ栄養素は含まれていますが、これらの栄養素は他の野菜でも充分に補えるものです。
タケノコを食べることでしか得られない栄養素というものはないため、あえて犬にとって危険性の高いタケノコを与える必要はないでしょう。
犬にタケノコを与える時の注意点
「それでも!犬に旬のタケノコの味を!」という場合は、以下の注意点を守ってください。
生はNG!ゆでてアク抜きをする
まず、犬にとって問題となるシュウ酸を除去するには、たっぷりのお湯で茹でることが大切。
シュウ酸は水に溶けだしやすいため、茹でるとある程度のシュウ酸を除去できます。
いくら新鮮だからといって、シュウ酸のたっぷり含まれた生のタケノコを犬に与えるのはNGです。
また、タケノコのアクには、シュウ酸以外にも様々な成分が関わっています。
これらのアクを除去するには、水だけで茹でず、米ぬかを使うことがポイントです。
根元と穂先を切り落として、皮つきのまま上から3センチほど切れ目を入れます。
しっかりとタケノコが、かぶるぐらいの水を入れ、米ぬかも加えて加熱します。
加熱時間は、1時間ほど。
加熱が終わったら、そのままの状態で冷まします。
細かくして、ごく少量を与える
タケノコのアク抜きが終わったら、皮をむいて、細かくカットします。
皮には、多くの食物繊維が含まれていますので、犬に与えてはいけません。
また、実の部分もできるだけ繊維を断ち切るように、みじん切りレベルに細かくカットするのがおすすめです。
与える量も小型犬なら、小さじスプーンに半分ぐらい。
ごく少量にとどめておきましょう。
食べさせた後の体調を見守る
タケノコは、犬にはあまりおすすめできない野菜です。
もしかしたら、食べさせた後に体調に変化があるかもしれません。
犬にタケノコを食べさせて、そのまま飼い主さんが外出する…といったことのないよう、できるだけ食べさせた後の体調を見守れる時間帯に食べさせるようにしましょう。
また念のため、動物病院の診察時間もチェックしておきましょう。
もちろん犬は「たけのこの里」もNG
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最期に…、当たり前のことではありますが、犬にチョコレート菓子の「たけのこの里」を与えるのは絶対にダメです。
たけのこの里には、犬が中毒を起こすチョコレートが含まれています。
チョコレートの中毒性は高く、下痢や嘔吐、痙攣(けいれん)などを起こした末に、死に至る可能性もあります。
犬には、たけのこの里を与えないようにしましょう。
まとめ:タケノコに中毒性はないものの、犬には与えないほうがいい
今回は、犬には、なぜタケノコを与えないほうがいいのか?ということを中心にお伝えしました。
タケノコには中毒性はないものの、食物繊維の量やシュウ酸といった成分の多さから、「犬には与えない方がいい」ということが分かりましたね。
旬のタケノコを犬に食べさせてあげたいという思いは分かりますが、犬の健康を損ねてしまっては本末転倒ですね。
犬には、なるべくタケノコを食べさせないようにしましょう。
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