犬はみかんを食べていい?適量は?皮や種、下痢・嘔吐・アレルギーに注意
冬になると市場に出回り始めるみかん。
ビタミン補給に最適なみかんは、冬の果物の王様ですね。
種類も豊富なみかんですが、果たして犬はみかんを食べていいのでしょうか?
今回は、犬がみかんを食べていいのかについて徹底解説します。
みかんの皮や種、白い部分が下痢や嘔吐(おうと)の原因になるというのは本当なのか、また犬はみかんにアレルギーを持っているのかも確認していきましょう。
与えて大丈夫?犬はみかんを食べていい?
冬の果物として手軽に食べられるみかんですが、果たして犬に与えて大丈夫でしょうか?
結論を先に言うと、答えは「イエス」です。
みかんの成分の中には、犬にとって有害な物質はないため、中毒症状を起こすことはありません。
みかんに含まれる成分には、犬にとって有益なものもたくさんありますが、逆に注意すべき点もありますので確認していきましょう。
犬はみかんを食べていいけど注意点が!
犬は、みかんを食べても大丈夫ですが、いくつか注意点があります。
一つずつ確認しましょう。
食べ過ぎ注意!適量は?
冬のみかんは、甘くて本当に美味しいですね。
「つい食べ過ぎてしまう」という方も多いと思います。
でも、犬に人間と同じ量をあげてしまっては大変。
犬は、みかんを食べ過ぎると、下痢になってしまうことがあります。
犬にとって1日の適量は、だいたい1~3房程度と言われます。
ただ、やはり体の大きさによって量の調整が必要。
体重が、1kg程度なら1房以下にしましょう。
5kgの小型犬なら、3房程度大丈夫です。
10kgの中型犬なら5房程度までで、30kgの大型犬なら10房程度と覚えておきましょう。
みかんの外皮・種に注意
みかんを犬に与える時は、基本的に果肉のみにしましょう。
薄皮や薄皮をおおう白い筋に関しては、食べても大丈夫とされていますが、与え過ぎると上手に消化できないこともあります。
そして、薄皮や白い筋以上に問題なのが、「外皮」や「種」です。
種に関しては、ほとんどの場合、消化しづらいというだけの問題ですが、種が大きい場合は喉に詰まったり、腸で詰まったりすることも。
外皮には農薬やワックスがついていたり、中毒性のある物質が含まれていたりします。
みかんを無農薬で作るのは非常に難しく、また近年病気も流行しているため、完全無農薬栽培のみかんを探すことは非常に困難です。
食べたからといってすぐに中毒症状が出るほど毒性の強いものではありませんが、できるだけ外皮を犬に与えないようにしましょう。
消化不良で下痢や嘔吐
みかんを食べ過ぎたり、皮や種、白い筋の部分などを食べてしまったりした時には、消化不良を起こすことがあります。
消化不良を起こすと、下痢や嘔吐といった症状につながります。
まず、食べ過ぎた場合は、水分が原因となることが多いようです。
みかんの水分量は、約87%ほどです。
みかん100gあたり約87gもの水分を含んでいる、ということになります。
そのため、大量にみかんを食べると水分過多となり、下痢を起こしてしまうことも。
また、皮や種、白い筋の部分には、多くの食物繊維が含まれます。
食物繊維の摂取量が多すぎると、腸の動きが活発になりすぎて、下痢などの症状を引き起こします。
繊維が多い部分を犬に食べさせないようにしましょう。
犬のみかんアレルギーの可能性
食べ慣れたフード以外の食べ物を食べさせる時に気を付けたいのが、アレルギー反応です。
ただ、みかんに関しては、それほどアレルギーの報告が多いわけではありません。
むしろ、他の果物に比べると少ないぐらいなので、みかんは比較的安心して食べさせられる果物と言えます。
アレルギーは、他の食べ物との相関関係によって起こることが多いと言われていますが、みかんの場合は他の食べ物との相関性は認められていません。
温州みかんはOKだけど、グレープフルーツは注意が必要
中毒性が少なく、アレルギー反応が出る可能性も低いみかん。
ですが、同じ柑橘系の果物でもグレープフルーツやいよかん、夏ミカンを与えるのはやめた方がいい子もいます。
グレープフルーツやいよかん、夏ミカンには、フラノクマリンという成分が含まれています。
この成分には、薬の効き目を強くしすぎる効果があります。
特に現在、免疫抑制剤や高脂血症の薬を飲んでいる場合は、禁忌(きんき)成分なので絶対に食べさせてはいけません。
犬はみかんが嫌い?
飼い主さんの中には「犬にみかんをあげようとしたら嫌がられた」という方もいるようです。
果たして犬は、みかんが嫌いなのでしょうか?
みかんに嫌悪感を示す犬の多くは、おそらく柑橘のニオイに反応しています。
柑橘の香りは、人間にとっては「とてもいい香り」ですが、犬にとっては単なる「刺激臭」と感じることがあるようです。
特に、みかんの皮に含まれる成分に不快な気持ちになるよう。
もし、犬がみかんを食べるのを嫌がったら、無理強いするのはやめましょう。
犬は、フードのみで充分栄養は足りています。
無理にみかんを食べさせると、気分が悪くなることもありますので気を付けましょう。
犬がみかんを食べるメリットや栄養効果
それでは犬がみかんを食べるメリットや栄養効果をみていきましょう。
※ただし前述したように、犬が食べられるみかんの量はごくわずかです。そのため、ここで挙げるメリットを充分享受できるほどの量を摂取するのは難しい、ということをご理解ください。
豊富でバランスの良いビタミンで元気に
みかんには、ビタミンCやビタミンA、ビタミンE、ビタミンB群などが、バランスよく豊富に含まれています。
まず、ビタミンCには、抗酸化作用や体の調子を整えてくれる作用があります。
犬は人間と違って、ビタミンCを自分の体内で生成できますが、高齢犬や体調が優れない犬にとっては、外から取り入れるビタミンCは有効に作用します。
また、ビタミンAは皮膚を健康に保ってくれ、ビタミンEは抗酸化作用、ビタミンB群はエネルギーの代謝や供給と関係しています。
ビタミンがバランスよく含まれているみかんは、犬にとって健康的なオヤツと言えるでしょう。
がん予防に期待
近年、みかんのがん予防効果に注目が集まっています。
みかんに含まれるリモネンやヘスペリジン、βクリプトキサンチンなどの成分が、がんの生成に関わるとされる活性酸素の働きを抑えてくれます。
みかんをオヤツに食べていたからといって、絶対にがんにならないわけではありません。
しかし、発がん物質だと指摘されている成分を含んだ市販のオヤツを与えるぐらいなら、みかんをあげたほうが健康的ですね。
みかんの加工品は犬に与えて大丈夫?
最後に、みかんの加工品を犬に与えてもいいのかを確認しておきます。
基本的に犬用に加工されたものでないなら、全て与えてはいけません。
その理由を詳しくみていきましょう。
みかんゼリー
みかんゼリーには、砂糖がたくさん含まれています。
砂糖を摂取しすぎると肥満につながります。
また、香料や着色料などの添加物が多いゼリーもあります。
香料や着色料全てが体にダメというわけではありませんが、念のため与えないほうがいいでしょう。
みかんジュース
果汁10%未満などのみかんジュースは、糖分などの割合も高くおすすめできません。
「100%果汁のみかんジュースなら、犬に与えてもいいかな?」と思われるかもしれませんが、与え方には注意しましょう。
ジュースになっていると、つい飲み過ぎてしまう可能性があります。
また、100%と書いていても、香料などは含まれている場合も多いので、チェックしてみましょう。
みかんの缶詰
みかんの缶詰は甘すぎるため、犬には与えないようにしましょう。
みかんの酸味が苦手なワンちゃんの場合、みかんの缶詰なら食べてくれるということはあるかもしれませんが、あえてみかんを食べさせる必要はありません。
もちろん、みかんの缶詰のシロップを飲ませるのもダメです。
まとめ:与え方に気を付ければヘルシーなオヤツになるみかん
今回は、犬はみかんを食べていいのかということを中心にお伝えしました。
みかんには、中毒症状を示す成分はないものの、犬がみかんを食べ過ぎたり、皮を食べてしまったりすると下痢やおう吐など、様々な症状が出てしまうこともあるようです。
みかんアレルギーをもつ犬は比較的少ないため、果物の中では与えやすい種類にはなりますが、他の果物同様、量や与える部位に気を付ける必要があります。
みかんは、与え方さえ間違わなければ、ヘルシーなオヤツになります。
愛犬の様子を見ながら、あげてみてくださいね。