中毒症状!?犬はアーモンドを食べられる?アーモンドミルクやチョコは大丈夫?
ビタミンやミネラル、不飽和脂肪酸が豊富で、その健康効果に注目が集まっているアーモンド。
でも「ナッツ中毒」という言葉もあり、犬にアーモンドを食べさせても大丈夫なのか気になっている…という飼い主さんも多いと思います。
そこで今回は、犬はアーモンドを食べられるのかを特集します。
また、アーモンドミルクやアーモンドチョコなど、アーモンドを加工した食材についても、犬にとって危険性があるのかないのか、しっかり検証しますので、お楽しみに!
犬はアーモンドを食べても大丈夫?
結論を先に言います。
犬がアーモンドを食べたことによって、何らかの中毒症状を起こすことはほぼありません。
確かに「ナッツ中毒」は存在し、アーモンドもナッツ類ではありますが、アーモンドには中毒症状は当てはまりません。
ただ、体質や食べ方、食べる量によっては、アレルギーや下痢・嘔吐(おうと)といった症状に結びつくこともあります。
人間と犬とでは、必要とする栄養は違いますが、アーモンドには犬にとっても有益なビタミン・ミネラル・脂肪酸が豊富に含まれています。
アーモンドは、与え方にさえ配慮すれば、犬の食生活を豊かにしてくれる食材であると言えるでしょう。
犬はアーモンドを食べていいけど注意点が!
栄養豊富なアーモンド。
犬はアーモンドを食べてもOKですが、いくつか注意点があります。
確認しておきましょう。
丸ごと一粒を与えない
犬にアーモンドを与える時には、その形状に注意しましょう。
丸ごと一粒与えるのはダメです。
また、薄くスライスした状態もNG。
犬に与える時は、アーモンドを細かく砕くか、もしくは、すりつぶして粉末にしましょう。
まず、丸ごと一粒与えてしまうと、丸のみして喉(のど)や腸に詰まってしまう可能性があります。
また、アーモンドは消化性が良くないため、スライスした状態であっても胃や腸でなかなか消化されず、腸で詰まってしまうことも考えられます。
そうなると腸閉塞(ちょうへいそく)を起こし、生死に関わる状態になることも…。
特に、フード類を噛まずに丸のみする習慣があるワンちゃんには注意しましょう。
消化不良による下痢や嘔吐
アーモンドには、非常にたくさんの食物繊維が含まれており、消化性は良くありません。
細かく砕いたり、粉末状にしたりして、アーモンドの固形物が腸で詰まらない状態にしたとしても、アーモンドを大量に与えてしまうと、消化が上手くいかず、下痢や嘔吐といった消化器官の様々な辛い症状に結びつくことがあります。
特に、初めてアーモンドを与える場合は、まずは少量から様子をみてしっかりと消化できるかを確認することをおすすめします。
塩分が多くカロリーが高い
アーモンドは、塩分が多くカロリーも高いことが知られています。
ただ、塩分に関しては、塩分を添加していない素焼きアーモンドの場合は、ナトリウム量はほんの少しなのでそれほど気にする必要はありません。
「塩分が多い」のは、人間用に作られたおつまみ用アーモンド。
おつまみ用アーモンドには、大量の塩分が使われています。
塩分は犬の内蔵にかなりの負担となるため、おつまみ用アーモンドは与えないようにしましょう。
アーモンドは、豊富に脂肪を含んでいます。
そのため、どうしてもカロリーは高くなりがち。
アーモンド100gあたり約600kcalほどあります。
アーモンドに含まれている脂肪は不飽和脂肪酸なので、太りにくいとされていますが、摂取しすぎるとやはり肥満につながります。
特に、カロリー制限のかかっているワンちゃんには、与えないほうが無難と言えます。
尿結石の原因となる可能性
もともと健康な犬に少量のアーモンドを与えるなら、「尿結石の原因となるかもしれない」という心配をする必要はありません。
しかし、腎臓に不安のある犬の場合は、念のためアーモンドを与えないほうがいいでしょう。
アーモンドには、リンというミネラルが豊富に含まれています。
リンは体にとって必要なものですが、過剰摂取すると尿結石の原因となることがあります。
アレルギーを持つ犬も
アーモンドに対して、アレルギーを持っている犬も稀(まれ)にいます。
アーモンドを食べた後に、皮膚のかゆみや腫れ・赤み・発疹などが出ていないかを確認しましょう。
また、アレルギーが酷い子になると、嘔吐や下痢、痙攣(けいれん)などの非常に重大な症状へと結びつくこともあります。
アレルギー症状が出るかどうかは、正直、食べてみないと分かりません。
大量に食べると症状も強く出るため、アーモンドを食べさせるときは、最初は少量から試していくといいでしょう。
犬に与えるアーモンドの量
犬に与えてもいいアーモンドの量は、決まっていません。
ただ、消化に悪いという点を考えると、少量にとどめておいたほうが良いでしょう。
犬のオヤツの目安は、1日の摂取カロリーの約20%とされています。
アーモンド1粒のカロリーは約6kcal。
カロリーだけを考えるなら、例えば体重5kgの小型犬なら11個も食べていいということになりますが、これは食べ過ぎです。
オヤツといってもアーモンドだけをあげるわけではありませんし、また10粒も食べてしまうと消化できずに下痢や嘔吐をもよおしてしまうことも考えられます。
小型犬なら1~3粒程度、大型犬でも10粒程度におさえておいたほうが無難でしょう。
ただ、これも一般的な目安です。
犬の体質や年齢によっても適切な量は違ってきます。
かかりつけの獣医師にどのぐらいの量までならアーモンドを食べさせてもいいか確認しておくと安心です。
犬がアーモンドを食べるメリットや栄養効果
それでは、犬がアーモンドを食べるメリットをみていきましょう。
抗酸化作用&老化防止に役立つビタミンEを摂取できる
アーモンドには、色々なビタミンが含まれていますが、中でも特筆すべきはビタミンEの豊富さです。
ビタミンEには、抗酸化作用があり、老化防止に役立つとされています。
免疫の状態を正常に整え、皮膚も美しく保つ効果があります。
皮膚や被毛を美しく保つ不飽和脂肪酸が豊富
アーモンドには脂肪が多く含まれますが、そのほとんどが体に良い油の不飽和脂肪酸(オレイン酸やリノール酸など)と呼ばれるもの。
例えばオレイン酸は、皮膚や被毛(ひもう)を美しく保つのに不可欠な脂肪酸です。
また、リノール酸も不足してしまうと皮膚病など様々な障害を引き起こすため、体にとって必要。
その他のビタミンやミネラルも犬の健康維持に役立つ
ビタミンEや不飽和脂肪酸以外にも、犬の健康維持に役立つビタミンやミネラルがアーモンドには含まれています。
例えば、ビタミンB2は、被毛や皮膚、ツメなどの成長を促進する成分として注目されています。
また、ミネラルのリンは、歯や骨の強度を保つために欠かせない成分です。
あのアーモンド製品は犬に与えて大丈夫?
アーモンドは様々な加工食品に使われています。
アーモンド製品を犬に与えてもいいのかを確認しておきましょう。
アーモンドチョコレート
人間にとっては、とても美味しいアーモンドチョコレートですが、犬には絶対に与えてはいけません。
なぜなら、チョコレートが犬にとって有毒だからです。
チョコレートに含まれているアルカロイド(テオブロミン)という苦み成分を犬が摂取すると、中毒を起こします。
アーモンドプードル(パウダー)
アーモンドを粉末にしたアーモンドプードルは、犬に与えても大丈夫です。
アーモンドを粉末にする手間を省けるため、手軽に使えるのが魅力。
フードの上にふりかけたり、おやつにトッピングしたりして使いましょう。
アーモンドミルク
アーモンドミルクとは、水に浸したアーモンドをミキサーにかけ裏ごしして滑らかにしたものの事です。
ミルクのような見た目ですが、成分は牛乳とは違い、犬に有害なものは含まれていないので、犬に与えても大丈夫です。
ただ、食物繊維の量は多めなので、与える量に気を付けましょう。
アーモンドオイル
アーモンドオイルは、アーモンドから抽出されたオイルのこと。
アーモンドには、不飽和脂肪酸が豊富に含まれているので、健康オイルとして人気です。
もちろん、犬が摂取しても問題ありません。
また、マッサージオイルなどとして使われることも多いです。
肉球保護のためのクリームやシャンプーなどに含まれていることもあります。
犬はアーモンドを積極的に食べなくてもよい
犬にとってアーモンドは決して有害なものではなく、食べても大丈夫ということを確認してきました。
また、アーモンドには犬にとって有益な成分もたくさん含まれていました。
しかし、だからといって、積極的に犬に食べさせる必要はありません。
なぜなら、アーモンドに含まれている成分のほとんどは、総合栄養食であるドッグフードにふんだんに含まれているからです。
アーモンドを食べないからといって、犬が栄養失調になることはありません。
また、積極的に食べさせるには、デメリットも多すぎるため、わざわざ「栄養のため」とアーモンドを用意する必要はないということです。
ただ、アーモンドは大変風味が良いため、犬も好んで食べることが多いです。
食欲が落ちている時などに、フードの上に少量ふりかけて食いつきを良くするという手段で使ったり、手作り食の日にフードの中に混ぜ込んであげたりするという使い方がおすすめです。
中毒症状に注意!「マカダミアナッツ」は犬が食べたら絶対ダメ
最初に少し「ナッツ中毒」について触れました。
アーモンドには、ナッツ中毒になる要素はありませんが、「マカダミアナッツ」には要注意です。
まだまだ、そのメカニズムは判明されていませんが、マカダミアナッツには犬が中毒を起こす成分が含まれています。
マカダミアナッツを食べると、下痢や嘔吐、発熱、痙攣などが起こります。
中毒を起こすまでにかかる時間は非常に幅があり、60分~12時間と言われています。
小型犬なら、ほんの少量で中毒を起こす可能性があります。
マカダミアナッツを絶対に犬に食べさせないようにしましょう。
フードに粉末チョイがけがおすすめのアーモンド
今回は、犬はアーモンドが食べられるのかどうか、またアーモンドミルクやアーモンドチョコといった加工品はどうかという点を確認していきました。
犬にとってアーモンドは有害ではありませんが、積極的に食べさせる必要はありません。
アーモンドの風味の良さを生かして、フードに粉末チョイがけがおすすめです。
犬の食生活をより豊かにするために、アーモンドを取り入れましょう。