犬はゆで卵を食べてもいい?白身や半熟は大丈夫?適量や与え方を紹介
卵は完全栄養食に近い食品。
ドッグフードのトッピングや手作りご飯に「卵を使いたいな」と考える飼い主さんも多いのではないでしょうか?
卵の調理法には色々ありますが、油などを添加せず卵の栄養価をまるごと摂取できるのが、ゆで卵ですね。
そこで今回は、犬にゆで卵を食べさせてもいいのかを解説します。
白身や半熟状態の卵を食べても大丈夫なのかということや、犬の体重別に適切なゆで卵の量も確認しますよ。
犬はゆで卵を食べても大丈夫?
まず、犬はゆで卵を食べても大丈夫なのかを確認しておきましょう。
ゆで卵の白身・黄身や半熟は?
固ゆでにした、ゆで卵の白身や黄身を犬に食べさせることは問題ありません。
半熟卵もしっかりと白身に火が通った状態なら大丈夫ですが、白身が生のままだと栄養的に問題が出てくるため、注意が必要です。
固ゆでよりも半熟のほうが消化に良いという事実はありますが、白身の部分にしっかりと火を通し半熟状態に仕上げるというのはなかなか難しいため、固ゆで卵を推奨します。
ちなみに、卵は沸騰後10分以上茹でることで固ゆで卵となります。
ゆで卵を殻ごと与えていい?
卵の殻(から)には、カルシウムが豊富に含まれています。
最近では、卵の殻から作った栄養強化食品もあります。
卵の殻のカルシウムは、炭酸カルシウムよりも消化吸収率が高いのです。
また、卵の殻の内側にある薄い膜には、アミノ酸やコラーゲン、ヒアルロン酸など、多数の栄養素がギュッと詰まっています。
実際、SNSなどでは、よくゆで卵を殻ごとムシャムシャと食べている動画が散見されます。
生卵の殻だと、サルモネラ菌などの細菌がついている可能性もありますのでNGですが、ゆで卵の殻なら、衛生上はクリアです。
ただし犬の場合、カルシウムの摂取には注意が必要です。
というのも、犬はカルシウムの過剰摂取により、逆に骨が折れやすくなるという報告があるからです。
特に、しっかりとドッグフードで1日のカルシウム量を満たしているワンちゃんには、あえて卵の殻でカルシウムを添加する必要はありません。
犬が食べていいゆで卵の適量と与え方
それでは、犬が食べていいゆで卵の適量と与え方について確認していきましょう。
まず、1日に犬に与えていいゆで卵の量は、
- 体重1kgなら7g程度
- 体重3kgなら15g程度
- 体重5kgなら25g程度
- 体重10kgなら40g程度
を目安にしてください。
体重10kgを大きく超える大型犬なら、ゆで卵1個程度を食べても大丈夫でしょう。
ゆで卵は繊維質もなく、動物性たんぱく質がメインとなるため、犬は消化しやすい食べ物と言えます。
そのため、ある程度咀嚼(そしゃく)できる犬なら、適量にカットした状態で丸ごと与えても問題ありません。
ただし、何でも丸飲みする習慣がある犬には、喉(のど)に詰まらないよう、細かく刻んで与えましょう。
主食となるドッグフードのトッピングに使うのもおすすめです。
犬はゆで卵を食べられるけど注意点が!
犬はゆで卵を食べられますが、いくつか注意点があります。確認していきましょう。
卵アレルギーの犬も?
人間の場合、卵アレルギーがある子どもが多く、問題になっていますが、犬の場合は卵アレルギーの心配はあまりないと言われています。
卵アレルギーの犬はほとんどいません。
ただし、鶏肉にアレルギーを持っている犬の場合、卵にも反応してしまう恐れがあります。
卵アレルギーの犬がゼロというわけではありませんので、注意しましょう。
一般的なアレルギー症状としては、皮膚や耳のかゆみ、発疹、目の充血、下痢や嘔吐(おうと)などがあげられます。
生まれて初めて卵を食べさせる際には、1日の上限量を与えるのではなく、ごく少量から試しましょう。
摂取後、もし体に異変が起こるようなら、すぐに動物病院を受診してくださいね。
生卵や生の卵白に注意
犬はゆで卵を食べられますが、生卵はNGです。
特に、生卵の卵白に注意しましょう。
生卵の卵白には「アビジン」という酵素が含まれています。
アビジンには、ビタミンB群の一種であるビオチンを破壊する作用があります。
ビオチンが欠乏すると、皮膚に炎症を起こしたり、貧血を起こしたりすることも。
ただ、卵の黄身にはビオチンが含まれていますし、一度に大量に生卵を食べなければ、それほど強い影響は受けないという報告もあります。
生卵を摂取して、栄養素が破壊されること以外に心配なのは、サルモネラ菌による食中毒です。
現在流通している卵は、ほとんどサルモネラ菌に汚染されていないものとなっていますが、数万個に1つの割合で、サルモネラ菌に毒された卵が流通してしまうよう。
サルモネラ菌は加熱することによって死滅しますし、またアビジンも加熱によってその効力を失います。
つまり、ゆで卵なら安心&安全に食べることができるというわけです。
犬がゆで卵を食べるメリットや栄養効果
卵は、ビタミンCと食物繊維以外の栄養素全てを含む完全栄養食に近い食品です。
犬がゆで卵を食べるメリットや栄養効果についてみていきましょう。
犬が消化吸収しやすく、完璧な組成であるたんぱく質を含有
犬にとって、たんぱく質は必要な栄養素です。
たんぱく質には動物性と植物性がありますが、卵のたんぱく質は動物性です。
犬は、植物性たんぱく質よりも動物性たんぱく質の方が、よりよく消化吸収できます。
卵のたんぱく質は、犬の体に入って分解されるとアミノ酸になりますが、卵には犬が摂取すべきアミノ酸の全てが含まれています。
つまり、卵のたんぱく質は犬にとって、とてもバランスが良いものなのです。
ビタミンやミネラルも豊富!
「ほぼ完全栄養食」と言われる卵。
ビタミンやミネラルも豊富に含まれています。
特に、生卵の章で紹介した黄味に多く含まれるビタミンB群の一種であるビオチンは、アミノ酸の代謝や糖の消化を助ける補酵素の役割を果たし、皮膚や被毛(ひもう)の健康維持に欠かせません。
不足すると、紅斑(こうはん・皮膚にできる赤い斑点)や脱毛、落屑(らくせつ・皮膚の表層の角質がはげ落ちる症状)などがみられます。
また、セレンというミネラルも卵白・卵黄ともに含有量が多い栄養素。
抗酸化作用が強く、アンチエイジング効果が期待できます。
免疫を強化し、がんができにくくする効果も。
SNSで話題沸騰!犬がゆで卵を盗み食いする動画
I don’t suppose you’ve seen those two boiled eggs I left sitting on the kitchen sideboard by any chance? pic.twitter.com/dV2YSbZL6R
— Stevie K (@1StevieKilner) 2019年2月17日
最後にご紹介するのは、SNSで話題沸騰のこちらの動画!
キッチンに置いてあったはずの2つのゆで卵が、消えてしまったと慌てた飼い主さん。
ゆで卵は、意外なところにありました!
なんと、2つのゆで卵は愛犬の口の中に。
ワンちゃんは、口の中にゆで卵を隠したつもりだったのでしょうか?
「何のこと?知らないよ、僕~」と言わんばかりのスンとした表情でこちらを見ています。
でも、悲しいかな…重力には逆らえず、まずは1つ目がポトン…、そしてもう1つもポトン…とあえなく落下!
「見つかってしまったらしょうがない」とばかりに愛くるしい表情で、こちらを見てくるワンちゃん。
うーん、可愛すぎて怒れませんね。
犬にとってゆで卵は良質なたんぱく源に!
今回は、犬がゆで卵を食べてもいいのかを確認していきました。
生卵を犬に食べさせるのは危険ですが、ゆで卵なら犬にとって良質なたんぱく源になります。
犬に卵を食べさせるなら、白身の部分にもしっかりと火を通せる固ゆで卵がおすすめですよ。