犬はくるみを食べられるけど与え方に注意!殻は大丈夫?
美容効果のある栄養素が含まれているということから、最近とても人気があるのが「くるみ」です。
人間にとって体に良いくるみを、「愛犬にも食べさせてあげたいな」と考えている飼い主さんも多いのではないでしょうか?
でも、くるみはナッツ。
中毒などの危険性がないのか気になりますよね。
そこで今回は、犬がくるみを食べられるのかを確認していきたいと思います。
- くるみを食べて中毒を起こさないのか
- どのぐらいの量のくるみなら食べさせても大丈夫なのか
- くるみの殻を食べた場合はどうか
など細かくチェックしていきます。
犬はくるみを食べても大丈夫
「ナッツ中毒」という言葉を聞いたことがある飼い主さんも多いと思いますが、犬がくるみを食べることによって中毒を起こしたという報告はないため、犬はくるみを食べても大丈夫です。
ただし、食べさせる量によっては消化不良を起こしたり、肥満のリスクがあがったりすることも。
そのため、くるみを犬に食べさせる際には、色々と気を付けなければならないポイントがあります。
犬にくるみを食べさせるときの適量や与え方
まず、犬にくるみを食べさせるときの適量や与え方をみていきましょう。
ごく少量にとどめること
実は、くるみはかなりカロリーが高い食べ物。
くるみ100gのカロリーは、なんと674キロカロリーにものぼります。
くるみ1粒(約6g)を食べると40キロカロリーも摂取したことに。
犬にくるみをおやつとして与えるなら、ごく少量にとどめることが大切です。
例えば、体重2kgの犬なら1日に必要なカロリーは180キロカロリー程度。
体重2kgの犬がくるみ1粒食べれば、それだけで既に1日に摂取すべきカロリーの20%を軽く超えてしまいます。
体重2kgの犬なら、多くてもくるみ半粒程度にとどめておきましょう。
体重5kgの犬なら、くるみ1粒が限界です。
生ではなくローストして、細かく砕くことが大切
また、犬にくるみを与える際には、生ではなく必ずローストしたくるみを準備しましょう。
スーパーなどのお菓子コーナーでは、既にローストされたくるみが販売されています。
また、くるみを粒のまま与えるのではなく、必ず細かく砕いて与えます。
粒のままだと丸飲みしてしまう犬もいるため、非常に消化に悪いので気を付けてくださいね。
犬がくるみを食べるメリットや栄養効果
それでは次に、犬がくるみを食べるメリットや栄養効果を確認していきましょう。
豊富な不飽和脂肪酸で美しい被毛&皮膚を保つ
くるみには、多くの不飽和脂肪酸が含まれています。
特に注目したいのは、オメガ3脂肪酸。
オメガ3脂肪酸は、主に青魚に含まれており、オメガ3脂肪酸の中にはDHAやEPA、α-リノレン酸が含まれます。
くるみは、アーモンドやピーナッツなどの他のナッツ類に比べ、このオメガ3脂肪酸の含有率が高いことが特長。
くるみを食べることによって、被毛(ひもう)や皮膚を美しく保つと同時に、アレルギーをおさえたり善玉コレステロールを増やしたりといった効果が期待できます。
オメガ3脂肪酸以外にも、様々な不飽和脂肪酸がくるみには含まれています。
不飽和脂肪酸は犬用のサプリにもなるほど、その効果に期待が集まる栄養素。
不飽和脂肪酸を摂取すると、免疫力を向上してくれたり、認知症を予防してくれたりと、犬の体にとってとても良い効果があることが確認されています。
豊富なミネラル類や必須アミノ酸も
くるみには不飽和脂肪酸の他に、ミネラル類や必須アミノ酸も含まれています。
デトックス効果のあるカリウムや、歯や骨の構成に関わるリンなども、犬にとって有益な栄養素です。
また、「しあわせホルモン」という異名を持つ「セロトニン」の生成サポートをしてくれるトリプトファンという必須アミノ酸も含まれています。
犬はくるみを食べても大丈夫だけど注意点が!
くるみには、様々な栄養効果がある反面、犬にとって注意しなければいけないポイントもあります。
確認していきましょう。
消化不良による下痢や嘔吐に注意
まず、くるみには、脂肪や食物繊維が多く含まれています。
脂肪は100g中に68.8g、食物繊維は100g中に7.5gです。
犬は、食物繊維の消化を得意としません。
さらに、そこに脂肪が加わると、より消化が困難になります。
消化不良を起こすと、腹部の膨満感に加え、下痢や嘔吐(おうと)といった症状を引き起こす可能性がありますので、注意しましょう。
過食は肥満の原因に
くるみに含まれている多くの脂肪は、消化にかかわるだけでなく、肥満の原因ともなります。
くるみの脂肪の多くは不飽和脂肪酸なので、適量を摂取すれば、とても体に良い作用を及ぼしますが、脂肪には変わりないため摂り過ぎると太ってしまうということです。
くるみの殻に注意
人間の場合、くるみの殻(から)は、とても固くて食べられません。
しかし、犬の場合、くるみの殻のような固いものを噛むのが好きな子もいます。
好きだからといって、与えていいわけではありません。
くるみの殻には、非常に消化しにくい食物繊維が含まれています。
殻を食べたことによって、消化不良を起こして下痢・嘔吐につながることも考えられますので、絶対に与えてはいけません。
また、もし殻を丸飲みしてしまった場合は、そのまま消化されず腸まで流れ、腸で詰まってしまう可能性も。
腸閉塞(ちょうへいそく)という状態になり、最悪の場合は開腹手術をしなくてはいけません。
くるみパンなどの加工品はNG
人間用のくるみパンなどを欲しがるワンちゃんも多いかと思います。
でも、くるみに限らず、人間用に加工された食品を安易に犬に与えるのはNGです。
人間用の食品の多くは、砂糖や塩、その他添加物で味付けされています。
それらの調味料は、犬の体に負担となるため、犬にとっては避けたいもの。
濃い味に慣れてしまうと、主食のドッグフードを嫌がるようになる子も多いので、人間用の加工品を犬に与えるのは絶対にやめましょう。
中毒の危険性!マカダミアナッツは犬が食べたら絶対ダメ
実は、ナッツ類の中には、くるみのように犬が食べても大丈夫なものもあれば、食べると激しい中毒症状を起こしてしまうものもあります。
犬が中毒を起こすナッツとして知られているのが「マカダミアナッツ」。
犬がマカダミアナッツを食べると、元気がなくなり、激しい嘔吐・下痢に加え、手足の麻痺(まひ)など、重篤な中毒症状を起こすことが報告されています。
ただし、そのメカニズムは解明されておらず、どのぐらいの量のマカダミアナッツを食べると、どの程度の中毒症状を起こすのかも分かっていません。
犬による個体差も大きく、ほんの少量で重篤な中毒を起こす場合もあれば、ちょっと元気がなくなる程度で回復する場合もあります。
ただ、犬がマカダミアナッツを食べることによって、中毒を起こす可能性があるのは事実です。
犬には、絶対にマカダミアナッツを与えないようにしましょう。
少量のくるみをフードに振りかけるのが〇
今回は、犬がナッツ類であるくるみを食べてもいいのか、ということを確認していきました。
犬はくるみを食べられますが、少量にとどめることが大切でしたね。
少量のくるみなら、オメガ3脂肪酸も摂取でき、犬の健康にも〇。
ごく少量のくるみをフードに振りかけるという使い方がおすすめですよ。
そして、くれぐれも殻は取り除いてくださいね。