犬はパイナップルを食べていい?缶詰は大丈夫?適量やアレルギーなどの注意点
夏になると、南国フルーツであるパイナップルを食べたくなる!という方も多いのではないでしょうか?
特に生のパイナップルは、フレッシュで美味!
そんなパイナップルを犬も食べることができるのか気になりますよね。
そこで今回は、犬がパイナップルを食べていいのか、解説したいと思います。
- 生のパイナップルを食べるなら、どのぐらいの量までOK?
- 缶詰のパイナップルを食べさせてもいい?
- パイナップルってピリピリするけど、アレルギーは大丈夫?
など、犬にパイナップルを食べさせる際の気になるアレコレを全て網羅!
犬はパイナップルを食べていい?
生のパイナップルの実の部分には、犬にとって毒となる成分は含まれていません。
生のパイナップルを食べたときにピリピリとする成分も、毒ではなく、消化酵素なので食べさせても大丈夫です。
生のパイナップルには、消化酵素の他にも、ビタミンやクエン酸など犬の健康に役立つ成分がたくさん含まれています。
適量を与えるなら、とても良いおやつになるでしょう。
ただし、パイナップルには犬が食べられない部位もあります。
また、缶詰などの加工品の多くも、糖分が気になります。
繊維質も多いため、与え方にも工夫が必要です。
パイナップルを食べることで、アレルギーが起こる可能性もあります。
犬はパイナップルの缶詰を食べても大丈夫?
生のパイナップルと違い、手軽に使えるパイナップルの缶詰。
でも、犬にパイナップルの缶詰を与えるのはNGです。
パイナップルの缶詰に中毒性があるわけではありませんが、やはりカロリーが気になります。
生のパイナップルのカロリーは、100gあたり50キロカロリーほどですが、パイナップルの缶詰になると100gあたり90キロカロリーにもなります。
これは、シロップの糖分が原因。
あまり甘いものを犬に与えるのは、糖尿病や肥満のおそれもありますし、やめておいた方がいいでしょう。
また、生のパイナップルには豊富なビタミンや酵素などが含まれていますが、缶詰になると加熱処理が施されているため、ビタミンや酵素はほとんど消失しています。
おやつとして食べさせるパイナップルですが、どうせなら健康効果も期待したいですよね。
つまり、カロリー&栄養両面からみて、犬にパイナップルの缶詰を与えるのはメリットゼロと言えます。
犬にパイナップルを食べさせるなら、生のパイナップルにしましょう!
犬にパイナップルを与えるときの適量と与え方
それでは次に、犬にパイナップルを与えるときの適量と与え方についてみていきましょう。
体重5kgの小型犬なら25g程度が目安
生のパイナップルにも当然、糖分が含まれています。
また、パイナップルには、犬が消化を苦手とする食物繊維も含まれています。
よって、犬にパイナップルを食べさせるなら、ある程度量を制限する必要があります。
あくまで目安にはなりますが、体重5kgの小型犬なら、25g程度のパイナップルが適量でしょう。
体重10kgの中型犬なら40g程度、体重20kgの大型犬なら70g程度を目安とします。
ただし、犬によってどの程度の量が適量なのかは違ってきます。
この量でも、消化不良を起こしてしまう子もいますので、生まれて初めて犬にパイナップルを食べさせる際は、ごく少量にしましょう。
細かくカットor ペースト状にするのがおすすめ
パイナップルを食べた時に、歯と歯の間に繊維が引っかかることがありますよね。
パイナップルは食物繊維が豊富。
食物繊維の消化が苦手という犬は多いため、こういったやや硬い食物繊維が含まれる果物や野菜では、繊維を断ち切るように細かくカットするのが基本となります。
ジューサーやミキサーなどで、ペースト状にして与えるのもおすすめです。
パイナップルには水分も多いため、ジューサーやミキサーでもスムーズにペースト状にすることができますよ。
犬がパイナップルを食べるメリットや栄養効果
それでは次に、犬がパイナップルを食べるメリットや栄養効果についてみていきましょう。
豊富なビタミン類で抗酸化作用&疲労回復も
生のパイナップルには、ビタミンCをはじめ、ビタミンB1やビタミンAなど、ビタミン類が豊富。
特に、ビタミンB1含有量は多く、代謝促進&疲労回復効果が期待できます。
ビタミンB1はドッグフードにも含まれますが、保管状態によっては損失しやすい栄養素。
パイナップルで補給できるといいですよね。
また、ビタミンCには高い抗酸化作用があります。
犬はビタミンCを自分で作り出すことができるため、不要という説もありますが、老犬やストレスが多い犬の場合、ビタミンCを食材から補ってあげるといいと言われています。
ビタミンCには、皮膚や粘膜を健康に保つ効果もありますよ。
たんぱく質分解酵素ブロメラインで消化吸収効果に加え、消炎・鎮痛も!
生のパイナップルには、たんぱく質分解酵素ブロメラインが含まれています。
犬は、たんぱく質の消化が得意な動物ですが、加齢や体調によっては、たんぱく質の消化酵素が不足してしまうことも。
犬はたんぱく質をメインとした食事をするため、たんぱく質の消化酵素が不足すると、充分に栄養を摂取できなくなります。
愛犬が「最近、ちょっと疲れ気味かな?」という時に、おやつにパイナップルを少量与えることで、消化酵素を補ってあげられるかもしれません。
また、ブロメラインには、たんぱく質の消化吸収効果を高める働きの他にも、消炎効果や鎮痛効果も期待できます。
その効果は絶大であり、ブロメラインを配合した消炎軟膏や、炎症緩解用酵素製剤の錠剤も販売されているほど。
ただ、ブロメラインは熱に弱いという特性を持ちます。
そのため、パイナップルを犬に与える際には、やはり生がおすすめ。
また、ブロメラインはたんぱく質を分解する作用があるため、口の中に入れると口腔内部に刺激を感じることも。
犬の中には、ブロメラインに敏感に反応してしまう子もいるため、パイナップルを食べるのを嫌がる場合は、無理強いしないようにしましょう。
犬はパイナップルを食べられるけど注意点が!
犬はパイナップルを食べることができますが、いくつか注意点があります。
確認していきましょう。
パイナップルの芯や皮は与えない
人間が生のパイナップルを食べる際には、パイナップルの芯や皮を取り除きますよね。
犬に与える場合も人間同様に、パイナップルの芯や皮を取り除いて与えましょう。
パイナップルの芯は一見すると実のように見えますが、とても固く、繊維量も実よりかなり多くなります。
犬が食べると消化できずに、下痢や嘔吐といった症状が出るかもしれませんので、気を付けてください。
また、パイナップルの皮を与えるのは論外です。
パイナップルの皮は、ゴツゴツととがった部分もあり、非常に硬く、食物繊維の量も決して消化できるレベルではありません。
犬に与えた場合、喉(のど)に詰まらせたり、消化器官に詰まったりする可能性があります。
犬には絶対に、パイナップルの皮を与えないようにしましょう。
食べ過ぎると消化不良で下痢や嘔吐に
多くの水分と食物繊維が含まれているパイナップルを食べ過ぎると、消化不良を起こして下痢や嘔吐(おうと)に苦しむことがあります。
パイナップルの食物繊維量は、水溶性1:不溶性14と、不溶性食物繊維のほうが水溶性食物繊維よりも14倍ほど多くなります。
不溶性食物繊維は、腸のぜん動運動を促し、ウンチの量を増やすため、便秘解消には最適の栄養素。
ですが、犬は消化を苦手とする子も多いと言われていますので、気を付けましょう。
アレルギーの可能性
パイナップルは、アレルギーを起こす可能性がある食材です。
ラテックスアレルギーと言って、天然ゴムのラテックスにアレルギーがある場合、パイナップルにもアレルギーを起こす可能性があります。
また、小麦に対してアレルギーがある場合、パイナップルに含まれるブロメラインにアレルギーを起こす可能性があるかもしれません。
これらにアレルギーがない場合でも、油断は禁物。
どんな食材でも、アレルギー物質になる可能性はあるとされます。
特に、生まれて初めてパイナップルを食べる場合は要注意。
まず、少量から様子を見るのが鉄則となります。
パイナップルを食べて、皮膚や目・耳・口腔内などにかゆみや赤みが出た場合や、下痢・嘔吐といった症状が出た場合は、アレルギーかもしれません。
動物病院を受診することをおすすめします。
糖質を含むので、与え過ぎると肥満に
パイナップルには、100gあたり12.5g程度の糖質が含まれています。
他の果物と比較すると、バナナは21.4g、りんごは14.1gとパイナップルが果物の中で特段、糖質が多いというわけではありません。
しかし、やはり糖質を含むのは事実ですので、与え過ぎると確実に太ります。
また、血糖値の上昇にかかわるGI値についてみてみると、パイナップルのGI値は65と中GI食品に位置。
そのためパイナップルを食べると、血糖値がやや上昇しやすくなります。
もちろん食べ過ぎると、血糖値が上がることになりますので、注意しましょう。
犬の食糞改善にパイナップルが効果的?
ネット上では「犬の食糞(しょくふん)改善にパイナップルが効果的」という情報が掲載されていることがあります。
事実なら、食糞に悩んでいる飼い主さんにとっては朗報ですが、実際のところ、そういった研究結果は存在しないようです。
ただ、中には本当にパイナップルが食糞に効いたという犬がいるのも事実。
というのも、食糞の原因の一つに「消化不良」があげられるからです。
パイナップルの中には、たんぱく質の消化を促進するブロメラインが含まれています。
たんぱく質の消化がうまくいっていない場合、パイナップルを食べることによって、ブロメラインがたんぱく質の消化を助け、糞の中に未消化のたんぱく質が含まれなくなり、食糞が減るということが起こりえないとも限りません。
ただ、パイナップルはたんぱく質の消化を促進しますが、炭水化物の消化を促進するわけではありません。
普段食べさせているドッグフードの炭水化物量が多い場合は、炭水化物が未消化になっているケースも考えられます。
こういう場合は、パイナップルを食べさせてもあまり効果はないでしょう。
犬が消化しやすいような組成のフードに変えるほうが、食糞に効果があるかもしれません。
また、食糞の原因は消化不良だけではありません。
ストレスや単なる遊びの場合もありますし、飼い主さんがすぐに糞を片付けてくれない場合は、自分の身の回りをきれいに保とうと食糞してしまうということも…。
パイナップルを試してみても食糞が改善されない場合は、食糞の原因が他にあるかもしれないということで、犬の生活環境から見直してみましょう。
あのパイナップル製品は犬に与えて大丈夫?
パイナップルには、缶詰以外にも様々な加工品がありますね。
パイナップルジュースやドライパイナップル、カットフルーツなどを犬に与えてもいいのか、確認しておきましょう。
パイナップルジュース
パイナップルジュースの場合、完全に果汁100%のものなら与えても大丈夫です。
ただし、果汁100%と記載してあっても、糖分や香料、防腐剤などが添加されていることも。
ジュースのパッケージの成分表示をよく確認して、犬に安全と判断できたものだけを与えましょう。
またジュースになると、つい与え過ぎてしまうので要注意!
犬にパイナップルジュースを与える場合は、スプーン1さじ程度を水で薄めましょう。
ドライパイナップル
ドライパイナップルは、乾燥させたパイナップルを砂糖でコーティングしているものが多いです。
人間用の砂糖たっぷりのドライパイナップルを犬に食べさせると、肥満や血糖値上昇の原因となります。
与えるなら犬用の砂糖がかかっていないドライパイナップルがおすすめ。
しかし、ドライタイプのものは胃の中で水分を吸うことによって、膨張するので与え過ぎに注意。
ドライパイナップルが胃の中で膨らむことによって、膨満感に苦しむ可能性があります。
適量を守り、少量をおやつとして与えましょう。
パイナップルのカットフルーツ
パイナップルのカットフルーツなら、犬に与えても大丈夫です。
ただし、ぶどうなどとセットで売られている場合は要注意。
犬は、ぶどうで中毒を起こす可能性があります。
ぶどう中毒のメカニズムは解明されていませんが、犬がぶどうを食べると腎機能障害を起こす可能性があります。
まとめ:消化不良を起こしがちな犬に、生パイナップルを
今回は、犬がパイナップルを食べていいのか、ということをお伝えしました。
生パイナップルには、たんぱく質分解酵素が含まれているため、消化不良を起こしがちな犬にはおすすめのおやつです。
たんぱく質分解酵素は缶詰には含まれていませんし、缶詰は糖分も気になりますので、犬には必ず生のパイナップルを与えましょう。
与える量やアレルギーにも気を付けてくださいね。