犬はピーマンやパプリカを食べられる!生は大丈夫?適量や注意点も
「苦い」ということで、子供が嫌いな野菜によく挙げられるピーマン。
でも、抗酸化作用が期待できる栄養豊富な野菜ということで、「ぜひ愛犬にも食べさせたい」という飼い主さんが増えているようです。
そこで今回は、犬にピーマンを与える場合の注意点やピーマンを犬に与えるメリットについて特集します。
「生であげても大丈夫なのか」ということや、「犬にとって適切な量とはどのぐらいなのか」ということにも言及しますので、チェックしてくださいね。
また、ピーマンに似たパプリカについても確認していきますよ。
犬はピーマンやパプリカを食べても大丈夫
まず、そもそも「犬はピーマンやパプリカを食べても大丈夫なのか?」という点について確認しておきましょう。
ピーマンには、犬にとって有毒な成分は含まれていませんので、犬はピーマンを食べても大丈夫です。
嗅覚が優れている犬にとって独特の香りを持つピーマンは、興味の対象になることが多いよう。
ただし、「食べる」か「食べないか」は、その犬の好みによりますので、食べない場合は無理強いしないようにしましょう。
中毒性を気にする必要はないといっても、犬は本来肉食を好む動物です。
ピーマンは野菜なので、与える量や与え方によっては、消化不良を起こすこともあるため注意しましょう。
生は大丈夫?適量は?愛犬へのピーマンやパプリカの与え方
ピーマンやパプリカを犬に与える場合に、「生であげるのか」それとも「加熱しないといけないのか」では、意見が分かれるところです。
また、どのぐらいの量を与えていいのかも悩みどころですね。
確認していきましょう。
生で与えてOKだけど、加熱すると柔らかく甘みもアップ!
ピーマンは他の野菜に比べ、シャキシャキと硬いのが特徴ですね。
消化をよくするという点では、やはり、この硬さがネック。
加熱して、柔らかくしてから与えるといいでしょう。
加熱すると甘さも増すのでおすすめです。
ただ、中にはこの「シャキシャキという食感が好き」というワンちゃんも。
そういう場合は、細かく刻んで、胃腸への負担を和らげてあげるといいですよ。
適量は体重5kgなら5g程度が目安
また、具体的にどのぐらいの量までなら、あげてもいいのかというのも悩むところですね。
ピーマンやパプリカには、繊維質が豊富に含まれているので、与え過ぎは禁物です。
目安として、体重5kgの犬なら5g程度と覚えておきましょう。
ピーマンなら1個が大体35gなので、7等分したうちの1かけらで適量です。
パプリカの場合は、1個が150g程度なので、30等分したうちの1つまで。
犬はピーマンやパプリカを食べても大丈夫だけど注意点が!
犬はピーマンやパプリカを食べても大丈夫ですが、与える時には、注意しなければならない点がいくつかあります。
確認しましょう。
食べ過ぎると消化不良で下痢や嘔吐
ピーマンに限らず、どんな野菜・果物にも言えることですが、野菜や果物には多くの食物繊維が含まれます。
犬は、野菜や果物に含まれている食物繊維を上手に分解することができません。
もちろん適度な量の摂取は、腸内の善玉菌を増やすため犬にとっても有効ですが、取り過ぎると消化不良を起こしてしまいます。
消化不良になると、胃部不快感に続き、嘔吐(おうと)や下痢といった症状に陥ることも。
消化不良を起こすかどうかは「量」が大いに関係してきますので、上記でお伝えした「体重5kgで5g程度」という量を守ってくださいね。
種やヘタは与えない
ピーマンの種やヘタは、果肉部分よりもはるかに硬く、多くの食物繊維を含んでいて犬は消化しにくい部分。
ピーマンの種は比較的小さいので、腸管に詰まってしまうというリスクは少ないかもしれませんが、ヘタの部分をそのまま与えた場合は、腸管に詰まって腸閉塞(ちょうへいそく)を起こすことも考えられます。
危険な部位をわざわざ与えるメリットはありませんので、必ず種やヘタを取り除いてから犬にあげるようにしましょう。
アレルギーの可能性?
ピーマンは中毒の危険性も少ない野菜ですが、2019年現在のところアレルギーの報告もあがっていない、アレルギーを起こしにくい野菜として認知されています。
ただ実は、ピーマンはナス科に属していて、同じナス科のトマトやジャガイモはアレルギーになる可能性があると言われています。
特にトマトやジャガイモでアレルギーを起こしたことがあるワンちゃんの場合は、ピーマンを与える時には少量で様子を見ましょう。
皮膚をかゆがったり、下痢や嘔吐などの症状が出たりした場合は、すぐに動物病院を受診しましょう。
関節炎のリスク
ピーマンを食べることによる関節炎のリスクについては、獣医師によって様々な見解があります。
ピーマンに含まれる苦み成分である「アルカロイド」が関節炎を引き起こすのではないか?という仮説を立てている方もいれば、「ピーマンのアルカロイドが関節炎を起こす根拠はない」と断言する獣医師もいます。
よって明確な回答が研究等で出るまでは、現在、関節炎に悩まれているワンちゃんには、念のためピーマンを与えないほうがいいでしょう。
犬がピーマンを食べるメリットや栄養効果
それでは、犬がピーマンを食べるメリットをみていきましょう。
ピーマンの栄養素で最も大きい効果は「抗酸化作用」です。
抗酸化作用を持つ栄養素をピックアップしてみました。
緑ピーマンに多いクロロフィルはデトックス効果もあり!
緑色のピーマンに多く含まれているのがクロロフィルです。
クロロフィルには抗酸化作用があり、免疫力を高めてくれると同時に、がん予防に効果が期待できると言われています。
クロロフィルは、有害な物質を体から排除してくれるデトックス効果もあります。
赤ピーマンに多いβカロテンが皮膚のターンオーバーを促す
赤ピーマンに特に多いβカロテンも抗酸化作用が期待できる栄養素。
免疫力を高め、がん抑制効果が期待できるのはクロロフィルと同様です。
また、体内でβカロテンがビタミンAに変換されると、皮膚のターンオーバーを促すという効果も。
被毛(ひもう)や皮膚を美しく保つのに必須の栄養素です。
老犬の老化防止には赤ピーマンのビタミンCも
ピーマンはビタミンCも豊富な野菜ですが、犬は自分でビタミンCを生成できるため、食物からの補給は不要と言われています。
しかし、老犬になると次第にその生成能力も落ちてくるため、ピーマンで補ってあげるといいでしょう。
ビタミンCも抗酸化作用が期待できる栄養素なので、老化防止に役立ちます。
ちなみにビタミンC含有量は、赤ピーマンが最多です。
その他アルカロイドやテンペルも抗酸化作用あり
関節炎に関わりがあるかもしれないと言われているアルカロイドですが、抗酸化作用がある成分としてがん抑制効果が期待できます。
他にも、ピーマンに含まれるテンペルやカプサイシンといった物質も抗酸化作用があるとされています。
ピーマンとの違いはある?犬がパプリカを食べるメリット
ピーマンとよく似ているパプリカ。
この2つは、同じナス科のトウガラシ属です。
同じ品種ではありますが、パプリカのほうが厚く、味も違います。
当然、栄養価にも差があり、パプリカのほうが抗酸化物質であるビタミンCやβカロテンが豊富で、ピーマンの2倍ほど含まれています。
ただし、パプリカのビタミン類が熱によって壊れやすいのに比べ、ピーマンのビタミンは熱の影響を受けにくいと言われています。
加熱調理するならピーマンを、生ならパプリカをという使い分けをしてもいいですね。
【まとめ】犬に比較的安全なピーマンは、最高のトッピング材料
今回は、犬にピーマンやパプリカを食べさせる場合の注意点や栄養価を中心にお伝えしました。
ワンちゃんが好むならピーマンを生で食べさせても大丈夫でしたね。
ただし、量だけは間違わないようにしましょう。
犬にとって比較的安全なピーマンは、最高のトッピング材料となりますよ。
フードの食いつきがイマイチというワンちゃんに、お試しください。