犬にきな粉を与えても大丈夫?適量や与え方の注意点
日本人にとって、身近な食材であるきな粉。
きな粉は大豆を煎(い)って細かくしたもので、健康食材としても注目されていますね。
「犬にも、きな粉を与えて、もっと元気になってもらいたいな」と考えている飼い主さんもいらっしゃるのではないでしょうか?
でも、ここで気になるのが、犬にきな粉を与えても大丈夫なのかということ。
犬と人間では、食べられる食材が違います。
ドッグフード以外の食材を犬に与える場合は、毒性がないか、量は適当か、調理法は間違っていないか、というチェックが必要です。
今回は、きな粉を犬に与える場合の適量や与え方の注意点をお伝えします。
犬はきな粉を食べても大丈夫?
きな粉は、煎った大豆を細かく粉末状にしたものです。
きな粉は大豆が原料なので、大豆アレルギーがある場合はNGですが、アレルギーがない犬なら、食べても大丈夫です。
大豆そのものを食べるよりも、粉末状になっているきな粉は、吸収率も高いと言われています。
きな粉は、一般的な黄大豆を原料にしたものに加え、黒大豆を原料にしたもの、青大豆を原料にしたものと、大きく3種類に分かれます。
それぞれ多少の成分の違いはあるものの、大豆由来の植物性タンパク質が豊富でオリゴ糖や食物繊維、ミネラル、ビタミン、脂質など、栄養が豊富に含まれています。
ただし、きな粉はかなり細かい粉末状になっているので、そのまま与えると鼻から吸い込んでしまってむせてしまう犬も。
また、食べさせる量も多すぎると逆に健康被害が出ることも…。
犬にきな粉を与える場合は、与え方や与える量に気を付けなければなりません。
きな粉を犬に与える時の適量や与え方
犬にきな粉を与える時の適量は、だいたい体重5kgで大さじ半分程度、体重10kgで大さじ1杯程度と言われています。
ただし、この量はだいたいの目安です。
犬によっては、多すぎる場合もあるので、翌日の便の状態を確認して緩(ゆる)いようなら、量を減らすようにしてください。
また、与える際には、きな粉の粉末でむせてしまわないよう、湯に溶かすなど水分を足してやるといいでしょう。
特に、フレンチブルドッグやパグなどの短頭種の犬は、粉末が気管に入り込んでむせこむ可能性が高いため、注意してくださいね。
犬がきな粉を食べるメリットや栄養効果
犬にきな粉を与えた場合、何らかのメリットや栄養効果はあるのでしょうか?
確認してみましょう。
香りが良いので、フードの食いつきアップ
犬に与えられるきな粉の量は、ほんの少しなので、きな粉を食べさせることによって劇的な栄養効果があるとは考えにくいのが現状です。
ただ、きな粉の香ばしい香りは、犬の食欲を刺激することが多いよう。
普段フードの食いつきがイマイチな子でも、きな粉をフードにかけてあげると食欲がアップする可能性も。
犬に必要な栄養が豊富なきな粉
食べさせる量が少量とはいえ、きな粉に含まれる栄養素は犬にとって必要なものが多く、細かい粉末状になっているため、吸収率も高いと言われています。
例えば、皮膚や被毛(ひもう)を美しく保つ脂質、抗酸化作用のあるビタミンEやサポニン、お腹の調子を整える食物繊維やオリゴ糖など。
身体にあまり良いとは言えない添加物たっぷりの犬用ふりかけをフードにかけるよりは、安心して与えられますよ。
犬はきな粉を食べていいけど注意点が!
犬はきな粉を食べても大丈夫ですが、いくつか注意点があります。
確認しておきましょう。
アレルギーの可能性
きな粉は、大豆を原料としています。
大豆といえば、アレルギーを起こしやすい食材として有名ですね。
大豆アレルギーがある場合は、きな粉ももちろんNG。
大豆アレルギーがない犬でも、もしかしたらきな粉によってアレルギーが起こる可能性もあるので、気を付けましょう。
皮膚や目、耳などの赤みやかゆみが出たら、アレルギーかもしれません。
また、下痢や嘔吐(おうと)、痙攣(けいれん)などもアレルギーの症状です。
きな粉を食べさせた後に何らかの異常が出たら、すぐに動物病院を受診してくださいね。
また、生まれて初めてきな粉を食べさせる場合は、ごく少量から与えるようにしてください。
砂糖入りのきな粉は与えない
犬の主食は、ドッグフードです。
ドッグフード以外のものは「おやつ」という位置づけで、カロリーや栄養素などを摂取しすぎないよう気を配りましょう。
犬にとっても糖分は必要ですが、砂糖入りのきな粉を犬に与えてしまうと、糖分が多すぎる可能性があります。
犬にきな粉を与える場合は、砂糖が入っていないものをチョイスしましょう。
与えすぎると消化不良で下痢や嘔吐に
「犬にも、きな粉の栄養効果を存分に味わいさせたい!」とばかりに、大量にきな粉を与えるのは絶対にやめてください。
きな粉には、犬が消化を苦手とする食物繊維が豊富に含まれています。
摂取する量をおさえれば犬の健康にも良い食物繊維ですが、大量に摂取した場合は消化不良を起こし、下痢や嘔吐に苦しむ可能性があります。
犬にきな粉を与える場合は、体重10kgで大さじ1という目安量を守ってください。
犬にきな粉の加工品を与えても大丈夫?
きな粉は私たち日本人にとって、とても身近な食材です。
きな粉を使った加工品もたくさんありますよね。
犬にも、きな粉の加工品を与えても大丈夫なのか、確認しておきましょう。
きな粉クッキー
きな粉をクッキー生地に練りこんで作られている「きな粉クッキー」。
普通のクッキーよりも香ばしさがアップして、とても美味しいですよね。
人間用のきな粉クッキーには、砂糖やバターなどがたくさん使われている可能性があるため、犬にはNGです。
ただし、犬用に砂糖やバターの使用量を控えて作られているきな粉クッキーならOK。
飼い主さんの中には、手作りされる方も多いようです。
また、市販の犬用きな粉クッキーも人気があります。
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きな粉ミルク
きな粉ミルクとは、牛乳にきな粉を溶いた飲み物です。
犬は、牛乳に含まれる乳糖を上手に分解できない子が多いため、基本的にきな粉ミルクはNG。
ただし、牛乳を使わず、ヤギミルクを使っているものならOKです。
ヤギミルクは乳糖が少なく、また含まれている乳糖の大きさが小さいため、牛乳よりもはるかにお腹を壊しにくい食材。
犬にきな粉ミルクを与えたいなら、「ヤギミルク+きな粉」でできているものを選びましょう。
きな粉もち
きな粉といえば、きな粉もち!ですが、もちを犬に与えるのはやめておいたほうが無難です。
もちの成分の中に、犬が中毒を起こすものがあるわけではありませんが、もちは弾力があるため、犬が喉(のど)に詰まらせる可能性が高い食材。
きな粉もちを食べて、窒息…ということにならないよう、きな粉もちを犬に与えるのは控えておきましょう。
まとめ:犬はきな粉を食べても大丈夫!量には気を付けて
今回は、犬がきな粉を食べても大丈夫なのか?ということについて特集しました。
きな粉は、犬が食べても大丈夫な食材ですが、下痢や嘔吐に苦しまないよう、与える量には気を付けましょう。
また、むせないように水分を加えて与えるのもポイント。
使い方に気を付けて、犬にも食の喜びを!