犬はさつまいもを食べていい!生や皮は大丈夫?量やアレルギーに注意
ホクホクと甘くて美味しいさつまいも。
焼き芋を食べている飼い主さんの隣で「くぅーん」とおねだりしてくるワンちゃんも多いのではないでしょうか?
でも、犬にさつまいもを食べさせてもいいのか、悩んでしまいますよね。
そこで今回は、
- 犬にさつまいもを食べさせてもいいのか
- 食べさせるならどのぐらいの量をどのように食べさせたらいいのか
を考えていきたいと思います。
さつまいもアレルギーの有無や、栄養が多いとされるさつまいもの皮を犬に与えても大丈夫なのかも確認しますよ。
大好き!?犬はさつまいもを食べていい!
さつまいもの成分の中には、犬が中毒を起こすようなものは含まれていないので、犬がさつまいもを食べても大丈夫です。
ただし、食べる量や与え方によっては、消化不良を起こすことも考えられます。
また、アレルギーも無いわけではありませんので、注意しましょう。
ちなみに、「犬は味覚がない」とよく言われますが、味覚がないわけではなく、人間よりも味覚細胞が少ないだけ。
犬は、甘みを感知する能力には長けており、甘みを感じるさつまいもが大好物という犬も多いようです。
生や皮は大丈夫?犬に与えるさつまいもの適量や与え方
消化という点で考えると、「生のままのさつまいも」や「さつまいもの皮」はNGです。
まず、生のままだと固く、上手く消化することができません。
必ず、さつまいもを加熱して犬に与えましょう。
また、皮には実の部分に含まれない栄養素がたくさん詰まっていますが、お腹があまり丈夫でない犬に与えると、下痢などの原因になります。
お腹が丈夫でない限りは、取り除いたほうが無難でしょう。
また、ドッグフードを主食としている犬にさつまいもを与える場合の適量は、
- 体重1kgで8g程度
- 体重3kgなら17g
- 体重5kgなら26g
- 体重10kgなら45g
を目安にしましょう。
消化吸収のことやカロリーのことを考え合わせると、これ以上与えると、犬の体に負担をかけてしまいます。
犬がさつまいもを食べるメリットや栄養効果
それでは、犬がさつまいもを食べるメリットや栄養効果についてみていきましょう。
便秘解消に役立つ
やはり、さつまいものメリットと言えば、便秘解消効果です。
さつまいもの成分で便秘解消に役立つのは、食物繊維とヤラピンという栄養素。
まず、食物繊維には「水溶性」と「不溶性」とがありますが、さつまいもの場合、この2つがバランスよく含まれています。
水溶性食物繊維で腸内環境を整えつつ、不溶性食物繊維で腸のぜん動運動を促してウンチの量をアップさせることによって、便秘を解消させてくれる効果があります。
ヤラピンとは、さつまいもの皮近くに多く含まれ、生のさつまいもをカットした時に出てくる白い汁に含まれています。
ヤラピンには便通を促進する緩下(かんげ)効果があるので、食物繊維の働きと合わせて便通改善に役立ちます。
抗酸化作用のあるビタミンやポリフェノール
さつまいもには、抗酸化作用のあるビタミンCやビタミンE、βカロテン、さらにポリフェノールの一種である「クロロゲン酸」という成分が含まれています。
犬は、自分でビタミンCを作る能力があるため、「犬にビタミンCは不必要」という意見もありますが、免疫力が下がっていたり歳をとってきたりすると、なかなか思うようにビタミンCを作成できなくなります。
外部からビタミンCを補給することで、免疫力を高め、老化を防止してくれます。
βカロテンは、さつまいもの中でも安納芋(あんのういも)のような、黄色の色が濃い品種のさつまいもに含まれています。
βカロテンは、ビタミンCやビタミンEよりも抗酸化作用が強いと言われています。
また、クロロゲン酸にも強い抗酸化力がありますが、さつまいもの場合、皮の近くのみに存在し、しかも熱に弱いことが分かっています。
つまり、クロロゲン酸は上手に摂取することが難しい栄養素と言えます。
皮ごと短時間加熱することによって、クロロゲン酸の流出を極力防ぐといいでしょう。
犬はさつまいもを食べても大丈夫だけど注意点が!
犬はさつまいもを食べても大丈夫ですが、いくつか注意点があります。
確認していきましょう。
アレルギーに注意
「さつまいもアレルギーを起こす犬は少ない」と言われていますが、全くアレルギーが起きていないというわけではありません。
まれにアレルギーを発症する犬もいるので、初めてさつまいもを犬に与える場合は、少量から様子をみましょう。
アレルギーの代表的な症状としては、皮膚のかゆみや赤み、また耳のかゆみやただれ、目の充血、下痢や嘔吐(おうと)などがあげられます。
これらの症状が出たからといって、必ずしもさつまいもアレルギーであるとは言い切れませんが、何らかの症状が出るようなら、動物病院を受診しましょう。
過食は肥満の原因に?
甘くて美味しいさつまいも。
さつまいもに「太りやすい」というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか?
実際、さつまいものメイン成分はでんぷん。
つまり炭水化物です。
炭水化物を摂取すると、エネルギー変換されなかった分は脂肪として蓄えられるため、食べ過ぎるとやはり太ることにつながります。
ただし、さつまいもは低GI食品に分類されています。
低GI食品は、血糖値の上昇が穏やかです。
血糖値の上昇が緩やかになると、インスリンの分泌が少なくなるので膵臓(すいぞう)への負担が少なくなります。
また、中性脂肪を減らし、糖尿病のリスクが減ることも確認されています。
つまり、低GI食品は高GI食品よりも太りにくいと言えます。
同じ量を摂取するなら、高GI食品よりも低GI食品のほうがダイエットにはおすすめです。
消化不良による下痢や嘔吐に注意
さつまいもには、食物繊維が含まれています。
その量は多すぎるというほどではないため、適量を食べるなら、犬にとっても良い効果がもたらされます。
しかし、例えば体重5kgのワンちゃんが、焼き芋を1本まるごと食べてしまったという場合は、注意が必要。
消化しきれずに下痢や嘔吐を起こす可能性があります。
さつまいもを犬に与える場合は、カロリーの面でも消化の面でも適量を守ることが大切です。
カリウム量が多い
さつまいもの栄養素で意外と知られていないのが、カリウムの量の多さです。
カリウムはデトックス効果があり、犬にとっても必要な栄養素ですが、摂取量が多すぎると、弊害があります。
特に、腎(じん)機能に障害がある犬の場合は、カリウムが体内にとどまりやすいため、不整脈の原因となることも。
利尿剤を服用している犬も、さつまいもを食べることにより、カリウム過多となり、高カリウム血症を起こす可能性があります。
腎臓に不安がある犬には、さつまいもを与えないほうが無難でしょう。
加工した食品は与えない
基本的に犬には、さつまいもを加工した食品を与えないようにしましょう。
例えば、スイートポテトやさつまいもチップス、いもけんぴなどのお菓子は、砂糖や油脂分が犬の体に良くありません。
添加物などの影響も気になるので、犬のおやつとしては不適切です。
ただ、原材料が純粋にさつまいもだけの干し芋なら、犬に与えても大丈夫です。
市販の干し芋を犬に与える場合、原材料に添加物が含まれていないかチェックしましょう。
市販の犬用のさつまいもおやつ
さつまいもが使われている犬用の市販のおやつも多く販売されています。
スティックタイプのものやボーロ、クッキーなどが人気です。
市販のおやつを選ぶ時は、添加物ができるだけ使われていないものをチョイスするようにしましょう。
超簡単!犬のさつまいも人気おやつレシピ「まん丸ボーロ」
犬の手作りご飯のレッスンを行っているドギーズスープカフェさんの簡単に作れる人気さつまいもレシピ。
メタボのワンちゃんにも健康的に食べられるおやつにしたいと思い考案したそう。
食材(1食分・体重10kg)
さつまいもを茹でたもの・・・50g
片栗粉・・・小さじ2
卵・・・大さじ1
小麦粉・・・10g
作り方
1.さつまいもは丁寧に潰して材料を全部混ぜる。
2.くるくると丸めて、160度のオーブンで30分焼く。
まとめ:さつまいもは犬にとって良質なおやつ
今回は、さつまいもを犬に与える場合のメリットや注意点について確認しました。
犬は、さつまいもを食べていいことが分かりましたね。
犬に与える場合は、生ではなく必ず加熱し、皮を取り除き、消化が良い状態にすることが大切です。
与え方や与える量にさえ気を付ければ、さつまいもは犬にとって良質なおやつとなります。
蒸したさつまいもを細かくカットしてフードにふりかけるなどすれば、食欲もアップしますよ。
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