犬はきのこ類を食べていい?生でも大丈夫?適量や与え方の注意点

犬きのこ
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低カロリーで、ビタミンやミネラルなどの栄養もたくさん含まれているきのこ類。

ダイエット中でもきのこ類なら、罪悪感なく食べられますよね。

太り気味のワンちゃんを持つ飼い主さんの中には、「きのこを愛犬の食事に使ってみたい」と考えている方も多いのではないでしょうか?

でも、気になるのは、犬はきのこ類を食べていいのかということ。

 

そこで今回は、犬が食べられるきのこ類を特集します。

どのぐらいの量までなら与えても大丈夫なのか、生のままでも食べられるのかなど、気になるきのこのアレコレ満載ですよ。

犬はきのこ類を食べても大丈夫?

犬にきのこを与えて大丈夫なのか

しいたけやエリンギ、マイタケ、しめじ、エノキ、マッシュルームなど、人間が食べられるきのこ類なら、犬が食べても大丈夫です。

人間が食べられるきのこ類には、犬が中毒を起こすような成分は含まれていません。

 

きのこ類には、ミネラルやビタミン、食物繊維など、魅力的な栄養素が豊富に含まれています。

しかも、きのこ100gあたりの平均カロリーは、わずか17キロカロリーほどと、低カロリー!

ダイエットの必要がある食欲旺盛なワンちゃんのフードかさ増し素材としても最適ですよ。

犬は生のきのこを食べても大丈夫?

犬は生のきのこ大丈夫

犬はきのこを食べることができますが、加熱調理するのが基本

加熱調理しないと口の中がイガイガしたり、消化できず下痢や嘔吐(おうと)など、食中毒のような症状を引き起こしたりします。

しかし、「ホワイトマッシュルーム」と「きくらげ」の2種だけは、生のまま食べても大丈夫と言われています。

 

ただし、ホワイトマッシュルームの賞味期限はとても短く、収穫後3~4日以内に食べる必要があります。

日本のスーパーマーケットに並んでいるホワイトマッシュルームは、海外からの輸入品も多く、収穫してから日にちが経過しているものが多いので注意しましょう。

かさが開いて黒ずんでしまっているものはNG。

新鮮なホワイトマッシュルームは身が固く、しまっているのが特徴です。

 

また、きくらげの場合、乾燥状態のものを水で戻して生で食べられますが、中国産などが多く、衛生面で不安が残ります。

軽く湯通しするか、数10秒程度茹でるといいでしょう。

犬に与えるきのこ類の適量や与え方

それでは、犬に与えるきのこ類の適量や与え方についてみていきましょう。

愛犬のお腹の負担にならないよう、上手に食事に取り入れましょう!

体重5kgの小型犬なら30gを目安に

犬に与えるきのこ類の適量

きのこ類には、犬が消化を苦手とする食物繊維が豊富に含まれています。

よって、与える量は、ごく少量にとどめるようにしましょう。

  • 体重5kgの小型犬なら30g
  • 体重10kgの中型犬なら50g
  • 体重20kgの大型犬なら90g

を目安とします。

 

例えば、生しいたけの場合、いしづきをとったもの1枚で10gなので、小型犬なら3枚までとなります。

マッシュルーム1個は10g、しめじ5本程度で10gです。

きくらげの場合は乾燥しているため、水で戻した状態でグラム数を計りましょう。

だいたい乾燥状態で0.6gのきくらげを水で戻すと、30gほどになります。

 

また、きのこ類を毎日継続して与えるのは胃腸の負担になる可能性があるため、やめましょう。

週に1~2回程度、フードのトッピングとして使うのがおすすめです。

きのこ類には食物繊維が多い!細かくカット&加熱が基本

犬のきのこの与え方

きのこ類には、食物繊維が豊富に含まれているので、必ず細かくカットして与えましょう

フードプロセッサー等で、ピューレ状にしてもいいですね。

そして、新鮮なホワイトマッシュルーム以外は、必ず加熱しましょう。

 

犬にきのこ類をそのままの形で与えても、消化できません。

例えば、エノキを長いままカットせずに与えると、そのままの形で便に混ざって出てくることがあります。

これでは、せっかくのきのこ類の栄養を摂取できません。

また、上手に消化できないと消化不良を起こして苦しむ可能性もあります。

栄養価3倍アップの秘策!一度冷凍してから加熱を

犬のきのこを冷凍する与え方

犬に食べさせても良いきのこ類の量は、ごくわずかです。

少量でも、充分に栄養を摂取できるような調理法を知りたいですよね。

そこでおすすめなのが、一度冷凍してから加熱するという方法。

この方法なら、普通に加熱するよりも、なんと栄養価3倍アップ

 

いったん冷凍することによって、きのこ類の細胞膜が破れ、栄養が外に出やすくなるのだそう。

栄養価3倍アップというメリットだけでなく、うまみ成分や香りも良くなるので、ワンちゃんの食いつきもさらに良くなりますよ。

また、冷凍しておくと、1ヵ月ほどは保存可能という点も嬉しいですよね。

犬がきのこ類を食べるメリットや栄養効果

犬のきのこ効果

それでは次に、犬がきのこ類を食べるメリットや栄養効果についてみていきましょう。

きのこ類といっても、しいたけやしめじなど様々な種類があります。

ここでは、だいたいのきのこ類に共通するメリットや栄養効果を取り上げますね。

β-グルカンで免疫力アップ&抗がん作用も

きのこ類の中には、β-グルカンと呼ばれる多糖類(食物繊維の一種)が含まれています。

β-グルカンは、免疫力をアップし、抗がん作用も期待できる成分として注目されている成分。

ウィルスに対する抵抗力も上げてくれるので、風邪予防も期待できます。

アレルギーの予防や改善にも効果があります。

きのこ類を日光に当てると骨の形成に欠かせないビタミンD生成

ビタミンDはカルシウムの吸収を促進し、丈夫な骨を形成するのに欠かせない栄養素です。

人間の場合、自ら日光に当たることにより体内でビタミンDを生成できますが、犬は体内で生成できないため、食事からの摂取が大切になります。

 

きのこ類には、ビタミンDが生成される前の段階の物質「エルゴステロール」が豊富。

エルゴステロールは、日光によってビタミンDに変化するという性質を持っています。

つまり、購入してきたきのこ類を日光に当てることによって、ビタミンDを大幅に増やすことが可能ということ。

ちなみに乾燥しいたけの場合、すでにビタミンDに変化している可能性がありますが、中には日光乾燥ではなく機械乾燥のものも。

念のため、30分~1時間ほど日光に当ててやるといいでしょう。

代謝や疲労回復に関係するビタミンB群も豊富!

きのこ類は、ビタミンDの他にも、ビタミンB群も豊富です。

ビタミンB群には、ビタミンB1やB2など約8種類のビタミンがありますが、きのこ類に特に多いのはビタミンB1とビタミンB2、ビタミンB9(葉酸)、ビタミンB3(ナイアシン)です。

 

ビタミンB1は糖質や脂質、たんぱく質などの代謝や疲労回復効果が期待できる栄養素です。

食べたフードからエネルギーを効率よく作り出すのには、ビタミンB1が欠かせません。

また、ビタミンB2は、皮膚や被毛を美しく保つ効果があり、ビタミンB3は血行を良くしてくれる効果があります。

葉酸は、特に神経発達に関与する栄養素。

貧血の予防にも効果があり、特に妊娠期や授乳期の犬には必要な栄養です。

カリウム豊富!デトックス効果に期待

きのこはビタミンに加え、ミネラルも豊富な食材です。

ミネラルの中でも特に、カリウムの含有量が多く、デトックス効果が期待できます。

カリウムは、体内に入ってきた不要な塩分や老廃物を排除してくれる役割を果たします。

塩分を外に出すことにより、適正な血圧を保てるようになります。

また、神経がスムーズに動くよう、サポートする機能も。

食物繊維が多く、カロリーが低いのでダイエットの補助に使える!

犬のフードにきのこをトッピングする際、一番に期待することと言えば、やはりダイエット効果ではないでしょうか。

きのこは、カロリーがとても低い食材です。

きのこ類100gの平均カロリーは、約17キロカロリーほどと言われています。

例えば、マッシュルームは、100gで約11キロカロリーしかありませんし、しめじも14キロカロリーしかありません。

 

また、食物繊維も豊富なので、少量でも満腹感を味わうことができ、腹持ちもいいのが特徴。

普段のフードを2割ほど減らし、少量トッピングしてやるだけでも、充分に満足感を得ることができるはず。

食いしん坊でフードの規定量では足りないと訴えるワンちゃんには、きのこのトッピングがおすすめです。

犬が食べられるきのこの種類の特徴

きのこ類と一口に言っても、しいたけやまいたけなど、様々な種類がありますよね。

犬が食べられるきのこ類のおおまかな特徴をおさえておきましょう。

しいたけ

犬しいたけ

しいたけには、乾燥しいたけと生シイタケとがありますが、どちらも犬は食べることができます。

生しいたけの場合、食べる前に天日干ししておくと、ビタミンD含有量がアップします。

また、乾燥しいたけも、必ずしも太陽の光を浴びているとは限らないため、念のため30分程度、天日干ししておくといいですよ。

 

乾燥しいたけの場合、戻し汁にはうまみのみならず、多くの栄養素が溶け込んでいます。

しいたけの戻し汁も一緒に犬に与えてやると、より健康効果を感じられるでしょう。

戻したしいたけを細かく刻んで、戻し汁と一緒に柔らかく煮こんだものをフードにかけてやるのがおすすめです。

 

また、しいたけには、他のきのこ類には含まれていないエリタデニンという成分も(※マッシュルームには微量ながら含まれています)。

エリタデニンは、血中のコレステロールをコントロールしたり、血圧を正常に戻したりする作用が期待されています。

えのき

犬えのき

ひょろひょろと白くて細いえのきですが、他のきのこ類同様、充分栄養を含んでいる食材です。

特に、ビタミンB群とミネラルが豊富で、疲労回復効果には期待が持てます。

脂肪を排出してくれる効果もあるので、ダイエット中のワンちゃんにはおすすめ。

 

ただ、えのきは細いのでつい「そのまま与えても大丈夫かな?」と思いがち。

えのきにも、多くの食物繊維が含まれていますので、そのままでは消化吸収に難ありです。

細かくカットして、しっかり加熱したものを与えましょう。

まいたけ

犬まいたけ

かつては「幻のきのこ」と呼ばれるほど珍しく、見つけると舞って踊りたくなるほど嬉しいということから「まいたけ」と名付けられたという説もあるまいたけ。

まいたけはβ-グルカンの量が、きのこ類の中でトップクラス

 

また、β-グルカンから抽出されるMDフラクションという、まいたけにしか存在しない成分も。

MDフラクションは、抗がん作用があることで近年注目されています。

以前は「幻のきのこ」と呼ばれていたまいたけですが、現在は「戦うきのこ」という異名を持つそうですよ。

エリンギ

犬エリンギ

エリンギの特徴といえば、トレハロース。

エリンギは、他のきのこ類に比べてトレハロースの含有量が多く、抗酸化作用が期待できます。

抗酸化作用とは、身体の中に入ってきた不要なサビの元となる活性酸素を取り除く作用のこと。

抗酸化作用のある成分を摂取することによって、免疫力がアップし、がんを抑制したり、老化も防止したりします。

 

またエリンギは、きのこ類の中でも食物繊維量はトップクラス。

犬に与える場合は、しっかりと加熱して繊維を柔らかくし、できるだけ細かくカットすることが必要です。

なめこ

犬なめこ

なめこと言えば、ぬめりですね。

なめこのぬめりの中には、胃壁(いへき)を守る成分や肝機能をサポートする成分、さらに軟骨構成成分であるコンドロイチンも含まれていて、栄養たっぷりです。

胃腸が弱い子や、老犬などには最適のきのこですね。

 

そして、なめこを調理する際に気になるのは、「洗うか、洗わないか」ではないでしょうか?

洗ってしまうと、ぬめりが取れてしまいそうな気がしますよね。

かなり新鮮で清潔そうななめこなら、洗わなくても大丈夫ですが、新鮮さに欠けるなめこの場合は乳酸菌が発酵している可能性があるため、洗わずに使用すると酸味を感じることも。

犬の中には、酸味が苦手という子もいるので、軽く洗ってあげたほうがいいでしょう。

しめじ

犬しめじ

きのこ類の中でも、平均的な栄養素を持つ優等生タイプのしめじ。

β-グルカンやビタミンB群、ビタミンDが生成される前段階の物質であるエルゴステロール、食物繊維など、きのこらしい栄養素が含まれています。

「どのきのこにしよう?」と悩んだ場合は、とりあえず使い勝手がよく、バランスよく栄養が含まれているしめじをチョイスしておけば間違いないでしょう。

マッシュルーム

犬マッシュルーム

ホワイトだけは、生食でも食べられるマッシュルーム。

きのこ類の中では食物繊維量が少ないのが特徴なので、「食物繊維の消化が少し苦手かも?」というワンちゃんも挑戦してみる価値ありの食材です。

しかも、他のきのこ類に比べて最もカロリーは低く、ビタミンB2やセレンの含有量は多いという特徴があります。

セレンは、ミネラルの一種であり、抗酸化作用が期待される成分です。

また、エリタデニンというマッシュルームとしいたけにしか含まれていない栄養成分も。

きくらげ

犬きくらげ

国産の清潔なきくらげなら、生でも食べられるきくらげ。

ビタミンDの含有量は、きのこ類の中でもトップクラスです。

また、きくらげには、普通の黒いきくらげと白きくらげとがあります。

ビタミンDをたっぷりとりたい場合には普通の黒いきくらげを、皮膚や被毛、爪、粘膜の健康を保つビオチンたっぷりがいいなら白きくらげを選ぶといいでしょう。

犬はきのこ類を食べても大丈夫だけど注意点が!

犬はきのこ類を食べても大丈夫ですが、いくつか注意点があります。

確認していきましょう。

与えすぎると消化不良で下痢や嘔吐に

犬がきのこで下痢

きのこ類は、とにかく食物繊維量が多い食材。

特に、普通の黒いきくらげや干ししいたけの食物繊維含有量は、目を見張るものがあります。

犬は元来、肉食だったという歴史があるため、食物繊維の消化を苦手とします。

そのため、きのこ類を与え過ぎると、消化不良を起こして下痢や嘔吐に苦しむことに…。

 

ただ、食物繊維をどの程度消化できるのかは、個体差があると言われています。

ほんの少しのきのこで消化不良を起こしてしまう子もいれば、摂取目安量を超えたきのこを食べてもケロッとしている子も。

愛犬がどの程度、食物繊維を消化できるのかは、実際に食べさせてみなければ分かりません。

生まれて初めてきのこを食べさせる場合は、まず少量から試し、下痢や嘔吐がないか確認しましょう。

野生に生えているきのこはNG

野生に生えているきのこ

これは人間にも言えることですが、野生に生えているきのこを犬に食べさせるのは、絶対にNGです。

野生のきのこの中には、しいたけやまいたけなど、食べられるきのこ類にそっくりな見た目でありながら、毒を持っているものがあります。

素人が簡単に判別できるレベルではないため、野生のきのこに手を出すのはやめましょう。

アレルギーの可能性

きのこアレルギーの犬

きのこには、たんぱく質が含まれています。

アレルギーは、食材のたんぱく質に反応して起きることが多いと言われています。

そのため、きのこ類を食べたことによってアレルギーが起きる可能性は充分にあります。

 

また、犬ではなく人間ですが、しいたけやまいたけなど特定のきのこ類だけに反応するアレルギーに悩んでいる方もいます。

犬に生まれて初めてきのこ類を食べさせる場合は、少量から始めましょう。

きのこを食べて、皮膚や耳、目のかゆみや赤み、嘔吐や下痢などの症状が出た場合は、アレルギーかもしれません。

アレルギー反応が出た場合は、動物病院を受診し、獣医師の診断をあおぎましょう。

もちろん犬に「きのこの山」を与えるのはNG

犬にきのこの山

最後に…、当たり前のことではありますが、犬にお菓子の「きのこの山」を与えるのは絶対にNGです。

きのこの山には、犬が中毒を起こすチョコレートが含まれています。

犬がチョコレートを食べると、下痢や嘔吐、呼吸の異常、痙攣(けいれん)、脈の異常、運動失調などが起こり、昏睡(こんすい)状態となり最悪の場合、死に至ることもあります。

 

チョコレートへの感受性にも個体差がありますが、もし誤ってきのこの山を犬が食べてしまった場合は、動物病院へすぐに連絡をしてください。

その際に、食べた量や食べた時間、犬の体重、犬種、年齢、病歴などを伝えましょう。

まとめ:ダイエット補助食材として使えるきのこ類!栄養効果もあり!

今回は、犬がきのこ類を食べていいのか、また、きのこにはどんな栄養効果が期待できるのかを中心にお伝えしました。

きのこ類はローカロリーで、β-グルカンなどの栄養も含まれていて、ダイエットの補助食材としておすすめです。

ただし、ホワイトマッシュルーム以外は、生ではなく加熱して。

食物繊維も多いので、量に気を付けて、細かくカットしたものを与えましょう。

きのこを上手に活用して、ワンちゃんのご飯をバラエティ豊かに!

 

きのこ類の他にも!生で食べてはいけない野菜とは?