犬はグレープフルーツを食べていい?中毒は大丈夫?
なんとなく「柑橘(かんきつ)系は犬にNG」「グレープフルーツには中毒もありそう」そう思っている飼い主さんも多いのではないでしょうか?
でも実は、与え方や与える量にさえ気を付ければ、犬はグレープフルーツを食べても大丈夫!
今回は、犬がグレープフルーツを食べる際の注意点やグレープフルーツの栄養効果について確認していきます。
また、最近注目が集まっている「グレープフルーツシードエキス(GSE)」についても、詳しく解説しますので、お楽しみに!
中毒は大丈夫?犬はグレープフルーツを食べていい?
何となく「グレープフルーツを犬に食べさせると中毒になる」と心配しているという方も多いと思います。
グレープフルーツには、犬が中毒を起こす「ソラレン」という物質が含まれています。
ただし、犬が中毒を起こすとしたら、かなり大量のグレープフルーツを摂取した場合であることが分かっています。
つまり、適量を食べるなら全く問題ないということです。
ただし、与え方や与える量、与える部位によっては、中毒症状を起こさないとも限りません。
また、グレープフルーツには、薬との飲み合わせにNGな物質も含まれているため、投薬中は控えるべきとされています。
栄養効果も高いグレープフルーツですが、いくつかの注意点をおさえて犬に与える必要があります。
犬が食べていいグレープフルーツの適量と与え方
それでは、犬が食べていいグレープフルーツの適量と与え方についてみていきましょう。
小型犬なら1/2房、中型犬は1房、大型犬は2房程度まで!
犬に与えていいグレープフルーツの量に関するデータは存在しません。
しかし、だいたいの目安として、小型犬なら1/2房、中型犬は1房、大型犬は2房程度までと覚えておきましょう。
このぐらいの量なら、主食にもひびきませんし、消化不良を起こす心配も少ないと考えます。
ただし、適切な摂取量は犬によって違います。
最初に与えるときは、ごく少量から様子をみてくださいね。
生のままで細かく割いて与える
犬に人間用の食べ物を与える際には消化を良くするために、よく加熱という手法が使われます。
しかし、グレープフルーツの場合、加熱してしまうと、肝心の栄養素がほとんど壊れてしまいます。
そのため、犬にもグレープフルーツは生で与えましょう。
ただし、グレープフルーツの実のみを細かく割いて与えます。
細かく割くことで、丸飲みするクセのあるワンちゃんも喉(のど)に詰まらせることなく、消化も良くなりますよ。
グレープフルーツのルビーとホワイトどっちが犬に良い?
グレープフルーツには赤みがかったルビーと、赤みのないホワイトとがあります。
一体どちらのほうが犬に良いのでしょうか?
【ルビー】抗酸化作用に期待!甘みも強いので食べやすい
まず、グレープフルーツルビーには、その赤みの素であるカロテンが410μg(マイクログラム)含まれているという点がホワイトと大きく違うところです。
カロテンにはβカロテンとリコピンとがあり、どちらも非常に強い抗酸化力を持っています。
つまり、抗酸化力に期待したいなら、断然ルビーを選ぶべきというわけです。
また、ルビーのほうがホワイトより酸味も少ないため、酸味が苦手な犬には喜ばれます。
【ホワイト】ダイエット効果に期待!苦み成分や香り成分が強い
一方のホワイトは、栄養的にダメなのかというと、決してそうではありません。
ルビーよりもホワイトは、苦み成分や香り成分が強く、これらの成分が犬の体に有効です。
まず、苦み成分のナリンギンは、食欲をおさえる効果があります。
さらに、香り成分のリモネンには、脂肪の燃焼を促進する効果があるとされています。
つまり、ホワイトはダイエットしたい犬におすすめできるおやつということ。
食事の前にほんの少し、グレープフルーツホワイトを食べさせると、食欲をおさえてくれるかもしれません。
犬はグレープフルーツを食べていいけど注意点が!
犬はグレープフルーツを食べても大丈夫ですが、いくつか注意点があります。
確認していきましょう。
グレープフルーツの外皮に注意
犬に、グレープフルーツの外皮を与えないようにしましょう。
まず、グレープフルーツの外皮はかなり分厚く、多くの食物繊維が含まれており、消化に良くありません。
そして特筆すべきは、中毒を起こすソラレンの量。
果肉よりも、外皮にソラレンは多く含まれます。
硬い外皮をムシャムシャと全部食べてしまう…
ということは、あまり想定できませんが、犬は気になるものを何でも口に入れてしまうという習性があります。
犬の手の届くところに、グレープフルーツの外皮を置かないようにしましょう。
そして、外皮の内側にある薄皮や白い筋も、消化に良いものではありませんので、必ず取り除きましょう。
消化不良を起こすと、嘔吐(おうと)や下痢といった症状が出てしまうこともあります。
食べ過ぎると消化不良に!下痢や嘔吐の危険性
犬は、グレープフルーツを食べても大丈夫ですが、グレープフルーツには多くの水分や食物繊維が含まれます。
適量を超えて大量に食べ過ぎてしまうと、水分の過剰摂取や食物繊維の消化不良によって、下痢や嘔吐の危険性もあります。
グレープフルーツを犬に食べさせるときは、絶対に食べさせ過ぎないようにすることを頭に入れておきましょう。
アレルギーに注意
グレープフルーツを食べたことによるアレルギー発症の報告例は、あまり聞きませんが、どんな食材にもアレルギーを発症するリスクは含まれていると言われています。
生まれて初めて犬にグレープフルーツを食べさせる際には、ごく少量から試すことを忘れないようにしましょう。
一般的なアレルギー反応として、皮膚や耳のかゆみ・炎症、目の炎症、嘔吐や下痢といった症状などがあげられます。
犬にグレープフルーツを食べさせた後、こういった反応がみられたら、すぐに動物病院へ連絡しましょう。
アレルギー反応は、食べてすぐに起こるとは限りません。
食べさせた後、数時間は様子をみるようにしましょう。
薬を飲んでいる時は与えない
グレープフルーツを犬に食べさせる際に、最も注意したいのが、投薬治療中の場合です。
グレープフルーツに含まれる「フラノクマリン」という成分は、一部の薬との相性が悪い成分として注意喚起されています。
フラノクマリンと一部の薬を同時に摂取すると、薬が過剰に効いてしまうという弊害を起こします。
例えば、アトピー性皮膚炎の治療に使われるシクロスポリンというステロイド剤や咳止めのテオフィリンなどは、グレープフルーツとの飲み合わせNGのお薬です。
薬を飲んでいる場合は、必ずかかりつけの獣医師に相談の上、グレープフルーツを与えるようにしてくださいね。
犬がグレープフルーツを食べるメリットや健康効果
それでは、犬がグレープフルーツを食べるメリットや効果について確認していきましょう。
酸味や苦みで健康効果!
グレープフルーツを食べた時に感じる酸味は、クエン酸やビタミンCによるものです。
クエン酸には疲労回復効果があり、ビタミンCには抗酸化作用が期待できます。
クエン酸を摂取すると、アルカリ性に体の状態を整えてくれるという効果もあり。
ビタミンCに関しては、健康な犬なら自分で作り出せるため不要という考えもありますが、老犬など体が弱っている犬にとっては、必要な成分です。
また、グレープフルーツの苦み成分であるナリンギンには食欲をおさえる効果の他に、免疫力を高める効果もあるということが分かっています。
つまり、グレープフルーツの酸味や苦みによって、疲労が回復し、免疫力が高まり、抗酸化作用が期待できるというわけです。
香り成分リモネンによる高いリラックス効果!
グレープフルーツなどの柑橘系は、うま味だけでなく、香りなどの風味を楽しむ食材でもありますね。
グレープフルーツには、リモネンという香り成分が豊富に含まれています。
リモネンには、高いリラックス効果があることが分かっていて、アロマテラピーなどでもオイルとしてグレープフルーツは使われています。
また、リモネンは香り成分として香りを嗅ぐだけでなく、口から直接摂取することによって、脂肪を燃焼させる効果があることも分かっています。
例えば、ダイエット中でフードの少なさやおやつの少なさにストレスを感じている犬に、ほんの少しのグレープフルーツを与えることで、ストレスを和らげ、脂肪燃焼も促進させてくれる効果も期待できるかも。
グレープフルーツの加工品は犬に大丈夫?
グレープフルーツには、様々な加工品がありますね。
加工品を犬に与えてもいいのかチェックしてみましょう。
グレープフルーツジュース
まず、人間用に市販されているグレープフルーツジュースの場合、100%果汁で砂糖やその他の保存料等の添加物が無いものなら、与えても大丈夫でしょう。
ただし、犬に与えられるグレープフルーツの量はごくわずかです。
すると、犬に与えられるグレープフルーツジュースの量も小さじに“ほんの少し”ということになります。
ジュースは飲みやすいため、ゴクゴクたくさん飲んでしまうリスクが高いと言えます。
与える量には、くれぐれも気を付けましょう。
グレープフルーツアイス
まず、絶対に与えてはいけないのは、人間用に市販されているグレープフルーツのアイス(シャーベット)です。
多くの商品に砂糖が添加されていますので、犬の体によくありません。
犬にグレープフルーツアイスを与えるなら、100%のグレープフルーツジュースを凍らせたものがおすすめです。
ただし、こちらも与える量を考えましょう。
グレープフルーツのアロマ
犬もストレス社会…ということで、ドッグアロマも流行していますね。
グレープフルーツの香りは、高いリラックス効果があるということで、人気があります。
愛犬がグレープフルーツの香りが好きなら、飼い主さんと一緒に楽しんでもいいでしょう。
ただし、犬によってはグレープフルーツの香りを好まない場合もあります。
嫌いな素振りを見せるようなら、無理やりにニオイをかがせないようにしましょう。
また、グレープフルーツの精油(せいゆ )は、とても濃い成分なので、犬が直接触ったり、舐めたりしないよう、管理を徹底してくださいね。
天然の抗生物質!?グレープフルーツシードエキスが犬に人気
アメリカでは古くから使われていましたが、最近、日本でも注目されているのが、グレープフルーツシードエキスです。
グレープフルーツシードエキス(GSE)は、グレープフルーツの種子や膜、果肉などから抽出したエキスで、とても抗菌採用が強く、「天然の抗生物質」とも言われている成分。
抗菌力が強いGSEですが、善玉菌を攻撃しない体に優しい抗菌剤という点も魅力です。
抗菌・抗ウィルス効果が期待できるので、摂取することによって免疫があがるとされ、犬だけでなく人の間でも人気があります。
日本でも、濃縮液体やカプセル、錠剤の形でサプリとして販売されています。
犬に使うなら、濃縮液体が便利でしょう。
濃縮液体なので、当然薄めて使用します。
原液が皮膚についた場合は、強い刺激を感じるため、扱いには注意しなければなりません。
水で薄めて飲ませるという使い方だけでなく、歯磨きに使用したり、足裏の清浄に使ったりと活用法は様々。
興味がある方は、ネットなどで気軽に購入できますよ。
まとめ:犬はグレープフルーツを食べていいけど、量には注意!
今回は、犬がグレープフルーツを食べる際の注意点を中心にお伝えしました。
犬はグレープフルーツを食べても大丈夫ですが、ソラレンによる中毒の可能性や食べ過ぎによる消化不良も気になりますので、適量を守ってその効果を享受しましょう。
また、最近注目のグレープフルーツシードエキスも気になりますね。
まだまだ日本では認知度が低いサプリですが、気になる方はチェックしてみてください。