子犬のトイレトレーニングのしつけ方は?期間や覚えない時の対処法
子犬を迎えたらまずやるトレーニングと言えば、トイレトレーニング。
トイレのしつけができていないと、布団やソファ、マット、クッションなど、ありとあらゆる布製品が粗相の被害に…!
でも「ここがトイレよ」と教えても繰り返し失敗してしまい、
「うちの子、なかなかトイレを覚えない」
「いったいどのぐらいの期間、トイレのしつけにかかるの?」
と困っている飼い主さんも多数いるよう。
そこで今回は、子犬のトイレトレーニングについて特集します。
トイレのしつけのやり方から、どうしても失敗してしまってトイレを覚えないときの対処法まで、とにかくトイレを覚えるまでケアできる内容になっていますので、ぜひ参考にしてくださいね。
子犬のトイレトレーニングはいつから始める?
子犬のトイレトレーニングは、子犬を迎え入れたその日から始めましょう。
迎え入れて最初の1週間が、トイレトレーニングにとって最も大切な時期とされます。
最初に甘やかしてしまうとそれが当たり前となり、後にトイレを覚えさせようとしてもなかなか上手くいきません。
子犬が家に来たら、まずはゆっくり可愛がって遊びたいと思ってしまいますが、遊びは後です。
まず、しつけをきっちりとしてから、徐々に遊びの時間を増やしていきましょう。
犬のトイレのしつけ期間は?
犬のトイレのしつけ期間は、犬の性質や飼い主さんのやり方など、様々な状況によってかなり差が出ます。
早ければ1週間ほどで、すんなりとトイレトレーニングが終了してしまいますが、中には半年以上かかる場合も。
成犬よりも子犬のほうが、トイレのしつけはしやすいでしょう。
また、犬種によってもトイレを覚える速度に差があると言われています。
室内犬のプードルやチワワなどの犬種は、比較的トイレを覚えるのがはやいようです。
さらに、飼い主さんが
- しっかりとトイレトレーニングのやり方をマスターしているかどうか
- 愛犬のトイレトレーニングに一日どれぐらいの時間を割けるのか
ということによっても、トイレのしつけ期間は左右されます。
なるべく早くトイレトレーニングを終了させたいなら、しっかりとトイレのしつけの仕方を確認し、愛犬と向き合う時間を確保することが大切です。
犬にトイレのしつけをする前の準備や用意する物
犬にトイレのしつけをする前に、何を準備したらいいのかを確認しておきましょう。
トイレを設置する場所を決める
まず、子犬を迎え入れる前に、「どの部屋で主に子犬を飼育するのか」「どこにトイレを設置するのか」を決めます。
おすすめは、家族全員がそろうリビングです。
常に人の気配を感じる場所のほうが、子犬は不安にならず、安心してトイレを覚えることができます。
ドア付近などの出入りが激しい位置や窓際などの直射日光が入り込む場所を避け、落ち着いてトイレできそうな場所を選びます。
仕切りつきケージ・トイレシーツは必須
トイレを設置する場所を決めたら、そこに子犬2匹が入れるぐらいのケージを用意します。
そして、全面にトイレシーツを敷きます。
ケージの大きさは、子犬2匹がムリなく入るぐらいの大きさがベストです。
大きすぎると、落ち着かず、また小さすぎると成犬になったときに困ります。
小型犬の場合は40×60cmほどで、大型犬なら60×90×高さ120cmほどで充分です。
さらに、ケージ内を「トイレスペース」と「生活スペース」に区切れる仕切りを用意しましょう。
仕切りは、専用のものでなくても構いません。
犬がかじってもボロボロにならないスチール製ブックスタンドなどで代用できます。
仕切りの高さは、犬が楽に超えられるぐらいに設定しましょう。
また、できれば粗相をしたときの対策として、ペット用の消臭剤もあらかじめ準備しておくといいでしょう。
子犬のトイレトレーニングの方法
それでは、ここからは子犬のトレーニングの方法について順を追ってみていきましょう。
【ステップ1】最初の1週間はケージ内から出さないのが基本
トイレトレーニングは、最初の1週間が肝心。
でも、そのやり方は単純です。
ただケージ内から出さないだけ。
最初の1週間は、まず環境に慣れることを優先させます。
環境に馴染む前に無理をさせると、体調を崩しかねませんし、トイレの覚えも悪くなってしまいます。
子犬がトイレをしていたら、淡々とシーツを交換して、清潔を保ってやりましょう。
そしてもう一つ、飼い主さんは最初の1週間でやることがあります。
それは、子犬がケージ内のどの位置にトイレをしたがるのかを観察すること。
トイレシーツは、ケージの全面に敷かれています。
ケージ内のどこで、主にトイレをしたがるのかを確認し、そこをトイレの位置として決めます。
【ステップ2】トイレで排泄した時のみほめて
2週目に入るころに、ケージ内の「トイレスペース」と「生活スペース」の位置をはっきりと確定させます。
ケージ内は仕切りを明確にし、トイレで排泄した時だけほめて、ごほうびとしてケージの外に出して遊んであげましょう。
遊ぶ時間の目安は、10分程度です。
それ以上になると、間違えて違う場所で排泄してしまう可能性があります。
ケージの外に出す時は放置するのではなく、飼い主さん主導で遊んであげてください。
もし、トイレ側以外の「生活スペース」で排泄した時には、何も言わずただ淡々と片付けてください。
片付ける時は排泄物の臭いを残さないよう、ペット用の消臭スプレーで完全に臭いを消しておきましょう。
子犬をケージの外に出して遊ぶのもダメです。
ちなみに、トイレをさせたい時に「ワン・ツー」や「シーシー」などの言葉がけをしてやると、後に命令すればトイレに行くようになります。
言葉がけによるトイレができると、出かける前などにトイレに行かせるのもスムーズ。
ぜひ覚えさせてあげてください。
【ステップ3】自分でトイレに行けたらほめる
ステップ2をクリアできたら、次はケージ外に出す時間を長くして、自分でトイレに行けたらほめるというミッションのクリアを目指しましょう。
ケージの扉を開けっぱなしにしておき、ケージの外に子犬を出します。
遊んでいるうちに自分でトイレに行けたら、大げさにほめてさらに遊び続けましょう。
しかし、これは最初のうちは、なかなか上手くいきません。
違う場所でトイレしてしまったら、ステップ2同様に、何も言わず黙々と片付けてください。
そして、ケージの中に子犬を戻しましょう。
もし、ケージ内に戻った後にトイレをしたら、すかさずほめてください。
ちなみにケージの外に出す際は、できるだけケージ近くで遊ぶようにしましょう。
子犬が「トイレしたい!」と思った時に、すぐ戻れる距離にいることが大事です。
トイレまで戻ることに慣れてきたら、徐々に遊ぶスペースを広げます。
犬のトイレトレーニング時の注意点
それでは、犬のトイレトレーニングをするにあたっての注意点をおさえておきましょう。
ポイントをおさえてトイレトレーニングしないと、全く効果が出ないこともありますので、気を付けてください。
失敗したときに声を出して反応するのはNG
子犬がトイレに失敗した時、つい「あ!」「あーあ…」など声を出して反応していないでしょうか?
子犬は、飼い主さんが喜んでくれていると勘違いしているかもしれません。
粗相を片付ける時は、声を出さず、黙々と行なってください。
また、失敗した時に怒るのもダメ。
粗相をして飼い主さんが怒ると、犬は「トイレ=ダメなこと、怒られること」と学んでしまい、排泄物を隠すようになります。
ほめるタイミングに注意
犬はほめるにしても叱るにしても「現行犯」であることが大事。
つまり、犬がトイレに成功したらすぐにほめて、ケージの外に出すのが大事ということです。
犬がトイレに成功して、排泄物を片付けてからほめてケージの外に出すという手順は間違っています。
「排泄物を片付ける」というワンクッションが入ってしまうことによって、犬はどうしてほめられたのか、どうしてケージの外に出してもらえたのかを理解できないからです。
トイレに成功したら、まずほめて、ケージの外に出して遊んであげてから、排泄物を片付けるという手順を踏みましょう。
排泄物をそのままにしないこと
犬は本来、かなり清潔志向が強い動物です。
そのため、排泄物がそのままになっているトイレでは、なかなか用を足そうとしない子が多いよう。
「子犬が用を足したな」と思ったら、なるべく早くトイレシーツを交換し、キレイな状態を保ってあげましょう。
ただし、トイレスペースまでペット用消臭スプレーで消臭してしまう必要はありません。
トイレシーツの交換だけで充分ですので、気を付けましょう。
トイレトレーニングの方法を家族全員が共有すること
トイレトレーニングの方法を家族全員で共有することも大事なポイントです。
人によって対応が違うと、犬は混乱してしまいます。
子犬を迎える前に、まずトイレトレーニングの方法をどうやるのかを、家族全員で確認しておきましょう。
また,トイレに誘導する際の言葉がけも「ワン・ツー」にするのか「シーシー」にするのか、統一しておきましょう。
犬のトイレのしつけが失敗!覚えない時の対処法
上記の方法を試しても「なかなかトイレを覚えてくれない…」ということがあります。
「トイレをいったん覚えたのに、再び粗相を繰り返すようになる」場合と、「何度やってもトイレを覚えない」場合とに分けて考えていきましょう。
再び急に失敗するようになった場合
実は、ほとんどのワンちゃんが、いったんトイレできるようになっても、少し経ってから必ず失敗するようになります。
これは「失敗したら飼い主さん、どんな反応するの?」と飼い主さんを試しているからです。
ここでの対応法は、トレーニング中と同じです。
「あれ~?トイレ覚えたはずなのに、なんでよ~!?」などと、大げさに失敗に反応してはいけません。
トイレに失敗したら淡々と片付け、子犬をケージの中に戻します。
これを繰り返せば、いずれワンちゃんの精神状態も落ち着き、間違いなくトイレができるようになります。
また、数回トイレに成功したからと、犬が動ける範囲を一気に広げてしまった場合も、失敗するリスクを抱えます。
犬の活動スペースを広げるのは徐々に。
一進一退を繰り返しながら…が普通ですので、10ヵ月ぐらいまでは気長に頑張りましょう。
何度やってもトイレを覚えない場合
何度やってもトイレを覚えない場合は、トイレのしつけスプレーを試してみる方法も。
トイレのしつけスプレーにはアンモニア成分が入っており、排泄を誘発するということで、ある程度の効果が期待されます。
ただし、マーキングを覚えていない子犬には、あまり効果がないという声も。
あくまで補助的なグッズとして使ってみましょう。
また、ある一定の場所で粗相を繰り返す場合は、思い切ってトイレの場所を変えてみるのも一つの手です。
よく粗相する場所をトイレにしてしまい、まずはトイレシーツの上で排泄するという感触を覚えさせます。
ただし、これは一時的な応急処置。
トイレに成功するようになったら、徐々に元の位置に戻していきましょう。
犬のトイレトレーニングのしつけ教室もあり
実は、上記の方法を試しても、どうしてもトイレトレーニングが上手くいかず、長引く場合があります。
そういう時には、思い切って犬のトイレトレーニングのしつけ教室を利用しましょう。
プロの目線から適切なアドバイスをもらうことにより、犬にとっても飼い主さんにとってもストレスなく、トイレトレーニングできます。
土日で1時間ぐらいのコースから、丸々30日間ホームステイさせるという本格派まで色々と展開されています。
もし、飼い主さんが仕事などで、どうしてもトイレトレーニングする時間がないようなら、ホームステイで完全にプロの手にゆだねるというのも一つの手段ですね。
子犬のトイレトレーニングは気長に根気よく!
今回は、子犬のトイレトレーニングについて、トイレのしつけの方法やその期間、どうしてもトイレを覚えない時の対策まで細かくみていきました。
子犬のトイレトレーニングは、失敗しても寛容な心で気長に根気よく付き合うのが鉄則です。
ただ、それが飼い主さんにとってストレスになるようなら、プロの手に頼るのもアリ!
子犬にとっても飼い主さんにとっても、ベストな方法を見つけてくださいね。