犬も花粉症に!くしゃみや目の症状、皮膚にも出る!花粉症対策は?
毎年、春先になると花粉症に苦しんでいるという方も多いと思います。
人間同様、犬も花粉症にかかることがありますが、「犬にも花粉症がある」ということは意外と知られていないようです。
犬の花粉症は、くしゃみだけでなく、目の症状や皮膚など様々なところに症状があらわれます。
今回は、愛犬のくしゃみが気になるという方のために、犬の花粉症について特集します。
また、犬の花粉症対策についても取り上げますので、ぜひ参考にしてください。
春だけじゃなく秋も!犬の花粉症
花粉症というと春先というイメージが大きいと思いますが、実は犬の花粉症の場合、注意すべきは秋口と言われています。
というのも、犬の花粉症の原因の多くは、夏から秋にかけて咲く「ブタクサ」というキク科の雑草だからです。
もちろん、春先に飛び始めるスギやヒノキ、イネ科の植物など、50種ほどの植物もアレルゲンと成り得ますが、特にスギやヒノキの場合は、くしゃみよりも皮膚症状のほうがヒドいようです。
犬の花粉症の症状は?
それでは次に、犬の花粉症の症状について詳しくみていきましょう。
鼻水やくしゃみ
犬の花粉症でも、鼻水やくしゃみなどの症状がみられることもあります。
普段あまりくしゃみをしない愛犬が、突然ある季節になるとくしゃみを始めるという場合は、季節性の花粉症を疑ってみましょう。
症状は鼻水やくしゃみ以外に、鼻づまりなどの症状が出てくることもあります。
辛い症状が続くと、体力を消耗してしまいます。
くしゃみ・鼻水・鼻づまりなどの症状で辛そうなら、すぐに動物病院へ。
目の症状
犬の花粉症では、目にも症状が出ることがあります。
顔を頻繁にかきむしるような仕草をみせるようなら、目がかゆいのかもしれません。
また、涙や目やにが増えたり、目の充血がみられたりすることも。
症状がヒドくなると、目の周囲の毛が抜けてしまい、皮膚のただれがみられるようになります。
こうなると、かなり犬にとってはキツイ状態。
すぐに動物病院で診察を受けましょう。
皮膚の症状
犬の花粉症の場合、鼻や目の症状よりも皮膚の症状が最も強く出ます。
犬の皮膚は、人間の皮膚よりもずっと繊細です。
そのため、弱い部分に症状が出てしまうということ。
具体的な症状としては、皮膚のかゆみや発疹、色素沈着などがあげられます。
耳の皮膚に出る場合は、外耳炎となる場合も。
秋口や春先、外から帰って来た時に、体をかゆがるような仕草をみせるようなら、花粉症を疑いましょう。
花粉症になりやすい犬種
花粉症に全ての犬がかかるわけではありません。
花粉症にかかるメカニズムは完全に解明されているわけではありませんが、統計的に花粉症にかかりやすい犬種は分かっています。
まず、トイプードルやシーズー、フレンチブルドッグ、キャバリア、ミニチュアダックスフント、マルチーズなどの小型犬は、花粉症にかかる率が高いと言われています。
さらに、柴犬やダルメシアン、ゴールデンレトリーバーやラブラドールレトリーバーなどの中型犬や大型犬も、花粉症にかかることが報告されています。
もちろん、他の犬種なら花粉症にかからないわけではないので、愛犬の様子を注意して見守ることが大切です。
愛犬が花粉症の疑いがあればアレルギー検査を
愛犬が花粉症なのかそうでないのかは、動物病院でのアレルギー検査ではっきりと判明させることができます。
血液を採取して、花粉にアレルギーがあるのかを判定します。
その際、同時に、ノミやダニに対するアレルギーなども調べることが多いため、動物病院へ行けば何のアレルギーなのかが明確になります。
原因が判明すれば、治療の見通しが立ちます。
犬にはヒスタミンが効かないため、一時的な症状ならステロイドを使うことが多いです。
ただし、ステロイドは副作用もあるため、長期使用には向きません。
季節性のアレルギーではないと判明した場合は、他の治療法を試すことになります。
犬の花粉症は散歩時の対策が重要!
犬の花粉症は、散歩時の対策が最も重要です。
散歩で気を付けることをあげておきます。
散歩の時間帯
花粉は、時間帯によって飛ぶ量が違ってきます。
花粉が多く飛んでいる時間帯には、散歩しないようにしましょう。
花粉がどの時間帯に多いのかは、地域によってまた天気によっても異なります。
東京都心の場合、昼過ぎから夕方にかけて多いとされます。
また、雨上がりにはより多くの花粉が飛散するため気をつけましょう。
洋服を着せて出かける
花粉が毛につかないよう、洋服を着せて出かけるのもおすすめの対処法です。
ツルツルとした素材の洋服を選べば、花粉もつきにくく、またついた花粉もさっとはらうだけで落とすことができて便利。
最近は、花粉を付着させにくい洋服も販売されているので、ぜひチェックを。
草むらに入るのを避ける
犬の場合、スギやヒノキなどの樹木系の花粉よりも、ブタクサなどの雑草系の花粉の影響のほうが強いとされます。
散歩中、草むらに入るのは絶対に避けましょう。
今、愛犬が花粉症になっていない場合も、予防として草むらを避けるのは有効です。
また、路上の草や花のニオイをかがせないようにするのも大切。
花粉を落として家に
散歩が終わったら、自宅に入る前に、愛犬の体についた花粉をしっかりと払い落としましょう。
タオルでさっと被毛(ひもう)を拭いたり、ブラッシングをしたりすることで、ある程度の花粉を落とすことができます。
特に手足には、より多くの花粉がつくため、丁寧に拭きとってあげましょう。
合わせて飼い主さん自身についた花粉も、しっかりと落とすことを忘れずに。
室内に花粉を持ち込まないようにすることが大切です。
家でできる犬の花粉症対策
それでは次に、家でできる「犬の花粉症対策」についてご紹介します。
室内の空気をキレイに
室内の空気をキレイに保つことは、犬の花粉症対策として有効です。
室内の空気中の花粉量を減らすには、空気清浄機を使うのがおすすめ。
花粉モードがついている空気清浄機なら、より強力に花粉を吸い取って空気をキレイにしてくれます。
また、空気清浄機を設置する場所は愛犬が過ごす部屋だけでなく、玄関にも置いておくといいでしょう。
室内に置く場合も、出入口付近に置いておくとより効果的に使用できます。
さらに、室内の空気を循環させるために、サーキュレーターや扇風機を合わせて使うといいでしょう。
室内をこまめに掃除
花粉症対策には、室内をこまめに掃除して花粉を部屋から全て取り除くことが大切です。
掃除をするのは、朝起きてすぐと夕方の2回が理想。
掃除は「上から下へ」が基本なので、棚の上から掃除をし、最後に床をきれいにします。
掃除道具は、吸着モップかドライタイプの使い捨てシートがおすすめ。
掃除機だと、ホコリや花粉を舞い上げてしまいます。
濡れた雑巾での雑巾がけも、一瞬キレイになりますが、どうしても拭き残しが出ます。
拭きとれなかった花粉は、拭いた後に乾くと同時に再び空気中に舞い上がることに。
吸着モップやドライタイプの使い捨てシートなら、花粉を取りこぼすことなく除去できます。
犬のシャンプーの回数を増やす
犬の花粉症対策として、花粉の季節だけシャンプーの回数を増やしてあげるという手段もあります。
ただし、増やすとしても週に2回を限度とします。
これ以上シャンプーすると、かえって皮膚に刺激を与えることになります。
そして、使うシャンプーは、一般的なものではダメです。
一般的な犬用シャンプーだと刺激が強すぎます。
アレルギーの犬用に作られた低刺激のシャンプーや、薬用の保湿系シャンプーを使うのがおすすめです。
保湿効果の高いものは静電気を防止し、花粉をつきにくくする効果も。
食事を見直す
花粉症を患っているワンちゃんには、フードもなるべくアレルゲンが含まれないアレルギー対策済みフードを与えましょう。
特に注意したいのが、小麦や果物、野菜。
犬は元来、肉食なので炭水化物を分解するのは苦手です。
上手に消化吸収できないものは、アレルゲンとなり得るため要注意。
良質なタンパク質をしっかりと含んでおり、有害な添加物のないフードを選びましょう。
静電気防止!犬の花粉症対策グッズ
犬の被毛には、どうしても花粉がたっぷりとついてしまいがち。
花粉付着量を少しでも減らすには、静電気に注目!
静電気を防止して、被毛への花粉付着量を減らす花粉症対策グッズをご紹介します。
シャワーシート
出典:https://www.lion-pet.jp/petclean/index.htm
犬にシャンプーできない時に便利なシャワーシート。
使い捨てタイプの大判シートに、シャンプーに近い成分を含ませており、ワンちゃんを拭くだけでシャワーしたような爽やかさを得ることができます。
毎日お風呂に入れることはできませんが、このシャワーシートを使えば、散歩の後の花粉をスッキリと拭き取ってあげることができます。
と同時に、多くのシャワーシートには静電気除去効果のある保湿成分が含まれているため、一石二鳥。
シャワーシートで拭いておけば、被毛表面の静電気を防いで花粉付着量を減らすことができます。
花粉防止スプレー
散歩前に、花粉防止スプレーを一拭きするのもおすすめです。
花粉防止スプレーには帯電防止成分が入っていて、静電気を防いでくれます。
被毛部分はもちろんのこと、ワンちゃんに着せる洋服にもあらかじめスプレーしておくことで、花粉を寄せ付けないようにしましょう。
ちなみに、犬用の花粉防止スプレーの中には、人にも使えるものも。
飼い主さんにもスプレーしておくと、家の中に持ち込む花粉量が少なくなりますよ。
静電気除去マットや静電気除去ベッドも
犬に全く負担をかけず、静電気を楽に除去できるグッズといえば、静電気除去マット。
静電気除去マットを玄関に置いておき、その上を犬に歩かせるだけで、簡単に静電気を除去できます。
もちろん人間にも効果があるので、花粉症の時期はかなりおすすめのグッズと言えます。
また、普段ワンちゃんが寝ているベッドを静電気除去タイプのものに交換するのもいいでしょう。
静電気除去アクセサリー
犬用の静電気除去アクセサリーも、花粉症を患っているワンちゃんには人気。
アクセサリーを付けるだけで、花粉を引き寄せる嫌な静電気を減らすことができます。
アクセサリーは可愛いものが多いので、オシャレに花粉症対策できるのが魅力です。
愛犬の花粉症を少しでも楽に
今回は、犬の花粉症について特集しました。
犬の花粉症の症状は、くしゃみよりもむしろ皮膚や目に症状が出るので不快感も高いようです。
「もしかして花粉症かも?」と思ったらできるだけ早く診断をつけてあげて、根気強く治療してください。
花粉症は根本的な治療がない病気ですが、対策次第で症状を軽減することはできます。
花粉症対策をしっかりとして、愛犬の花粉症を少しでも楽にしてあげられるようにしましょう。