犬が吠える理由や意味は?原因別のしつけ&やめさせる方法

犬吠える
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玄関のチャイムが「ピンポーン」と鳴った途端、「ワンワン!ワオーン」と激しく吠えたてる愛犬。

「吠えなくても大丈夫!」

と言い聞かせてもなかなかおさまらず、来客がある度に吠えたてるワンちゃんにお困りの方も多いのではないでしょうか。

 

実は、犬が吠えるのには、理由がありました。

今回は、犬が吠える理由や意味について考えることで、原因別のしつけや吠えるのをやめさせる方法をお伝えしたいと思います。

  • インターホンに吠える
  • お客さんが来ると吠える
  • おねだりで吠える
  • 夜に吠える

このような犬の無駄吠えにお困りの飼い主さん、必見の内容です!

基本的に犬は吠えやすい動物

犬は吠えやすい

「愛犬が無駄な場面で吠えるのをどうにかやめさせたい」とお考えの飼い主さんに、まず押さえておいていただきたいことがあります。

それは、「基本的に犬は吠えやすい動物である」ということ。

犬と生活するという選択をするということは、すなわち「吠える動物と生活する」ということなのです。

 

もともと犬は、人間とともに長く暮らしてきた歴史があります。

その歴史の中での犬の役割は「吠えること」でした。

  • 他の獣(けもの)から家畜を守るため
  • 獣を追い詰める狩りの場面
  • 侵入者を追い払う番犬として

このように、犬は「吠える」ことを人間に要求されてきました。

つまり「吠える」ことは犬にとってごく自然なこと。

 

現代では、犬に愛玩(あいがん)としての役割だけを求めることが多くなっています。

しかし、犬に「吠えないでほしい」と思っても、圧倒的な歴史の中で培われた「吠える」行為を止めさせるのは簡単なことではありません。

吠えるのを止めさせたいなら、意識的なしつけが必要となってきます。

犬が吠える時には理由や意味がある

犬が吠える理由や意味

犬は、意味もなく無駄に吠えるということはありません。

犬が吠える時には、必ず理由や意味があります。

犬が吠える理由や意味を詳しくみていきましょう。

警戒して吠える

犬は野生時代の本能で、自分の縄張りをとても大切にする動物。

そのため、外から侵入者が来そうだと感じた時には、強い警戒心が芽生え、激しく吠えることも。

例えば、家の外を歩く人の気配を感じただけでも、「入ってくるかもよ!?どうする?」と警戒心を抱いて吠えてしまう子もいます。

「侵入してくるかも」という予測を立てて吠えるという能力は、番犬としてはかなり優秀と言えます。

威嚇(いかく)して吠える

犬が「ウウゥー」と低い声で唸(うな)るように吠え始める時は、たいてい相手に対して威嚇しています。

威嚇は上記の「警戒」よりも一歩進んで、犬にとって「大ピンチ!」という状況であり、かなり切羽詰まった状態で吠えていることが多いでしょう。

威嚇相手と対面し、威嚇相手に対して牙をむいた表情で吠えるのが特徴です。

威嚇の合図に気づかず、そのまま侵入していくと犬は噛みつくなどの攻撃行動に出ることもあるので注意が必要。

恐怖で吠える

犬にとって怖いことが起きている時、恐怖心に耐えられなくなって吠えることがあります。

例えば、しつけと称し、犬を叩くという行動に出た時、犬は飼い主さんのことが怖くなって吠えることがあります。

また上記で紹介した「警戒心」に強い恐怖心が加わって吠えることも。

例えば、人間に何かひどいことをされた経験がある犬の場合、単なる警戒心ではなく恐怖心が加わって吠えたてていることがあります。

要求で吠える

「要求吠え」は、主に飼い主に対して起こります。

例えば、「オヤツがほしい」「遊んでほしい」「散歩に行きたい」など、犬がしたいことや欲しいモノがある時に、飼い主に対して激しく吠えることで要求を通そうとします。

この要求吠えが起こるのは、飼い主との主従関係が乱れていることが原因とされます。

つまり、飼い主がリーダーとしての役割を果たしていない時、犬は「自分のほうがエライ」と思い、要求吠えが起こるというわけです。

興奮して吠える

犬は嬉しさのあまり、興奮して吠えてしまうこともあります。

例えば、飼い主さんが帰宅してきた時など、尻尾を振りながらピョンピョン飛び跳ねて吠えたてるなどの行動は、まさに嬉しさのあまり興奮しすぎている状態です。

また、人間が大好きなワンちゃんの場合は、来訪者があると嬉しくて「ワンワン」と吠えることもあります。

病気やケガが理由で吠える

普段あまり吠えない犬が突然狂ったように吠え始めた時や、ずっと一晩中吠え続ける場合などは、もしかしたら急な病気やケガが理由かもしれません。

犬は痛いところがあっても「ここが痛い」と飼い主さんに伝えることができません。

そのため痛さに我慢できなくなると、吠えるという行動に出ることがあります。

また、高齢になると痴呆(ちほう)症のために吠えるワンちゃんも出てきます。

 

 

このように、犬が吠える時には理由や意味があることが分かりました。

次からは、よくある飼い主さんが困ってしまう愛犬が吠える場面を紹介します。

愛犬が吠える理由を知って、原因別のしつけや吠えるのをやめさせる方法をチェックしてみてください。

ケース1:インターホンに吠える犬

インターホンに吠える犬

多くの飼い主さんがお困りのインターホンの「ピンポーン」に反応して吠え始めてしまうという行動。

インターホンに吠える愛犬への対策を考えます。

吠える理由や意味

インターホンに吠える多くの犬は、自分のテリトリーに侵入してくる人に対する警戒心や恐怖心から吠えています。

犬は、飼い主さんに対して「飼い主さん!侵入者ですよ!危ないですよ!」と必死で教えているつもりになっています。

また、同時に吠えることで侵入者に対して「オラオラ!入ってきたらタダじゃおかないからな!」と威嚇する意味も込めています。

 

そして、全く逆の意味で吠えている犬もいます。

それは人間が大好きな犬。

この場合、インターホンが鳴ることは、すなわち来客があるということを理解していて、単に「やった!お客さんだ!遊んでくれるかな?」と嬉しい気持ちで吠えています。

また、吠えると飼い主さんが「コラコラー」とハイテンションで応じていると、「飼い主さん、僕が吠えると喜んでくれている!」と勘違いしてますます吠えるようになっていることも…。

しつけ&やめさせる方法

インターホンに吠えてしまうのをやめさせるには、色々と方法があります。

 

まず一つ目は、インターホンの音に慣れさせる方法

インターホンの音を録音し、まずは小さな音から流してみます。

それに反応しなければ、ご褒美としてオヤツを与えます。

反応するようなら、反応しなくなるまで日常的にインターホンの音を流しておき、慣らします。

徐々にインターホンの音を大きくしていき、最終的に本物のインターホンの音でも反応しなくなるまで慣らします。

 

また、インターホンの音を変えてみるという方法もあります。

新しいインターホンの音に反応しないようなら、オヤツを与えて、「この音が鳴ったらオヤツがもらえる」と学習させます。

ちなみに【インターホンの音→オヤツを与える】という方法をとる場合の注意点は、【インターホンの音→吠える→オヤツ】という順番にならないようにすることです。

こうなると、「インターホンが鳴って吠えたらオヤツがもらえた」となり、逆効果に…。

 

オヤツを与えるというご褒美作戦とは真逆の方法もあります。

それは、ワンちゃんが吠えても飼い主さんは徹底的に無視すること。

無視する作戦は、インターホンが鳴ると喜んでワンワン吠えるタイプのワンちゃんに有効です。

ワンワン吠えても飼い主さんの反応がないと「あれ?飼い主さん、喜んでくれないな…」と思い、徐々にインターホンに反応しなくなります。

 

また、インターホンが鳴ると尻尾をお尻に巻き込んで怯えながら吠えているワンちゃんに関しては、「ハウス」を覚えさせるといいでしょう。

最初はインターホンが鳴るとパニックになっているため、なかなかハウスできないかもしれません。

その際は、オヤツなどでハウスに誘導します。

そのうち徐々にインターホンが鳴ってハウスしておけば、怖いことが起こらないということを学習し、吠え続けることがなくなります。

ケース2:お客さんが来ると吠える犬

お客さんが来ると吠える犬

お客さんの「ピンポーン」というインターホンから吠え始め、さらにお客さんが家に上がってからも、ずーっと吠え続けてしまうという愛犬にお困りの方も多いのではないでしょうか。

安心してお客さんを家にお招きできるよう、対策を考えましょう。

吠える理由や意味

来客に犬が吠える理由は、ズバリ2つ!

1つ目は「警戒」「恐怖」で、もう1つは「興奮」です。

 

これはインターホンが鳴って吠える理由とほぼ同じで、「警戒」「恐怖」はお客さんが自分のテリトリーを犯すという危機感から吠えています。

この場合は、お客さんが帰るまでずっと吠え続けることもあり、何らかの対策が必要です。

 

もう1つの「興奮」は逆に、お客さんが自分と遊んでくれるのではないかという期待感からくるものです。

これも、少し対策が必要でしょう。

しつけ&やめさせる方法

「警戒」「恐怖」の場合

それでは、来客に対して「警戒」「恐怖」という感情を抱いている場合に、どのようにすればいいのかを考えます。

 

最もおすすめなのは、犬の人への恐怖心を根本から取り除く方法です。

犬好きの友人に協力してもらい、お客さんとして訪問してもらいましょう。

その友人に愛犬へオヤツをあげてもらい、「お客さん=オヤツ」「お客さん=優しい」「お客さん=怖くない!」ということを学習させます。

できれば、定期的に数人の友人に頼んでやってもらうのが効果的です。

 

ちなみに、犬の恐怖心があまりに強い場合は、オヤツどころではないことも…。

その際は、まず来訪者に犬と目を合わせず、席についてもらい、オヤツを遠くからばらまいてもらいましょう。

その後、犬が落ち着いてきたら犬の近くでオヤツをまいてもらい、最後に手から食べさせてもらいます。

この時、犬にリードをつけて飼い主さんが犬をコントロールできるようにしておくと、より安心です。

 

また、あらかじめ来訪する日時を約束している場合は、お客さんを迎える時に家の中ではなく、外で迎えるというのも有効な手段です。

例えば、愛犬とともにお客さんを最寄りの駅まで迎えに行き、先にお客さんに家の中に入って待ってもらうようにすれば、犬はお客さんのことを「自分より上の立場」だと理解し、吠えなくなります。

「興奮」の場合

お客さんが来ることが嬉しすぎて吠えてしまう犬の場合は、お客さんに犬と一緒に遊んでもらうと興奮状態は落ち着きますが、これはあまりおすすめできません。

なぜなら、犬は「吠えれば、お客さんに遊んでもらえる」と学習してしまうからです。

遊んでもらうなら、いったん「お座り」や「伏せ」などの指示を出し、興奮状態を落ち着けてからにしましょう。

ケース3:おねだりで吠える犬

犬の要求吠え

「オヤツがほしい」「ごはんちょうだい!」「散歩に行きたいよ」「抱っこしてよ」と、おねだりをするために吠える犬もいます。

犬の要求吠えを防ぐ方法を考えます。

吠える理由や意味

犬が要求吠えをするのは、飼い主さんとの主従関係が壊れているからです。

つまり、犬のほうが飼い主さんより優位に立っている状況ということ。

ワンワン吠えれば、飼い主さんが自分の言うことを聞いてくれると知っているので、犬は吠えるのです。

しつけ&やめさせる方法

要求吠えのしつけは、比較的容易です。

要求吠えが始まったら、徹底無視すればいいだけ。

ワンワン吠えても、犬と目を合わせてはいけません。

飼い主が徹底的に無視することで、犬は吠えても自分の思いが通らないことを学習します。

 

ただし、要求吠えがおさまるまでには、やや時間がかかります。

無視されることに慣れていない犬は「なんでよ!こんなに吠えているのに、気づかないの?もっと吠えてやる!」とばかりに、激しく吠えるようになります。

中には、吠えながら体当たりしてくる子も…。

 

でも、ここで折れてはいけません。

どんなにうるさく吠えてきても、飼い主さんがやることはただ一つ。

徹底無視です。

「かわいそう…」と中途半端に言うことを聞いてしまうと、永遠に要求吠えはおさまりません。

ケース4:夜に吠える犬

犬が夜に吠える

昼間は静かに過ごしているのに、夜になると急に「ワンワン」と吠え始める犬もいます。

なぜ、夜に吠えるのかを考えていきましょう。

吠える理由や意味

夜に吠えるのには、いくつか理由があります。

まず一つ目は「分離不安」

飼い主さんと違う部屋で寝ている場合、寂しくて吠えていることが多いでしょう。

また、昼間の運動不足や触れ合う時間が少ないがために起こる「ストレス」などから、夜になると吠える子もいます。

 

さらに成犬になると、発情期のストレスから吠える場合もあります。

特に去勢していないオス犬にみられるもので、メスのフェロモンに反応して起こります。

また、老犬になると今度は痴呆症や体の衰え・痛みなどからくる不安から夜になると吠えることも。

しつけ&やめさせる方法

「分離不安」の場合

まず「分離不安」の場合は、要求吠えの対策同様に無視することから始めましょう。

期間としては、1週間かかるか、それとも半年かかるか分かりませんが、必ずおさまります。

なるべく早くやめさせたいなら、寝床の環境を整えてみましょう。

ケージに毛布をかけたり、ラジオの音を流したりしておくなど、犬が安心できる環境にしてあげることが大切です。

「ストレス」の場合

昼間の運動不足や触れ合い不足からくるストレスで夜に吠えている場合は、極力昼間に運動する時間を増やしてあげることで対応しましょう。

散歩に出かけることが有効ですが、天候不順や体力の関係で散歩できない時は、家の中で遊ぶ時間を増やすなど臨機に対応することが大切です。

発情期のストレスの場合

成犬の発情のストレスは、やはり去勢手術が有効です。

メスのフェロモンは半径2km圏内に届くとされますので、メスから遠ざけるという方法は、あまり現実的な手段ではありません。

老犬の場合

老犬の痴呆症は、昼夜逆転の生活習慣から起こることが多いため、なるべく昼間に起こしておくという対策が有効です。

また、身体の衰えや痛みから吠える場合は、直接的な治療はもちろんですが、飼い主さんが愛犬に寄り添って共に眠ってあげることで解消されることもあります。

犬が吠える理由や意味を考えれば、やめさせる方法が見つかる!

今回は、犬が吠える理由や意味について考え、犬が吠えるのをやめさせる方法をご紹介しました。

犬はもともと吠える動物ですが、無駄に吠えているわけではありません。

犬が吠えるのには、すべてに理由・意味があります。

それらを考えることによって、しつけの方法ややめさせる方法が浮かび上がってきます。

 

犬が吠えることでお困りの方は、ぜひ愛犬をよく観察し、「なんで吠えているのか」という理由をまず見つけてください。

理由が分かれば、やめさせる方法は必ず見つかります。

犬のしつけは単純ではなく面倒臭い部分もありますが、犬との快適な生活のために頑張りましょう!