犬は白菜を食べていい!生のままで大丈夫?芯や与え方の注意点
冬場に美味しくなる野菜といえば「白菜」ですね。
特に、鍋の白菜は甘くて格別。
「この美味しさを愛犬にも分けてあげたい」と思う飼い主さんは多いようです。
でも、愛犬に白菜をあげるのは、ちょっと待ってください!
犬に白菜を与えるには、注意すべきことがあります。
今回は、犬は白菜を食べていいのかということについて特集します。
また、白菜を与える場合は、生のままでも大丈夫なのか、白菜の芯も与えてもいいのかという、ちょっと気になることについても詳しく解説しますので参考にしてくださいね。
大好きな野菜!?犬は白菜を食べても大丈夫
白菜は、比較的犬が好きな野菜と言われています。
白菜のシャリシャリとした触感や、白菜の甘味に魅了されてしまうワンちゃんは多いよう。
そもそも、犬は白菜を食べてもいいのでしょうか?
白菜には、犬にとって有毒な物質は含まれていませんので、食べても中毒症状を起こすということは考えにくいでしょう。
すなわち、犬は白菜を食べても大丈夫です。
ただし、与え方や与える量を間違えば、犬にとって害になることもあります。
下で詳しく解説しますので、しっかりと確認してから愛犬に白菜をあげてくださいね。
犬が白菜を食べる時、生のままで大丈夫?
犬は、そもそも肉食の動物です。
そのため、白菜などの野菜を消化するのは苦手。
消化不良を起こすと下痢や嘔吐(おうと)といった症状に陥ってしまうことも。
生の少量の白菜を細かく刻んで与えるなら問題ないとされていますが、できればしっかりと火を通してあげましょう。
白菜の芯は大丈夫?犬への白菜の与え方
白菜の芯の部分に、犬にとって毒性を示す成分は含まれません。
よって、白菜の芯を犬に与えても問題ありません。
ただし、白菜の芯は葉の部分より固く、繊維質も多いため、塊のまま与えたり、生のまま与えたりするのはNG。
まず塊のまま与えると喉に詰まらせる可能性がありますし、生のままだと消化吸収しにくいと言われています。
白菜の芯を与えるときは、細かく刻んで加熱しましょう。
犬が白菜を食べて得られる栄養効果やメリット
犬が好んで食べることも多い白菜ですが、白菜を食べて得られる栄養効果やメリットはあるのでしょうか?
確認してみましょう。
低カロリー&水分たっぷり
白菜は、低カロリーで水分をたっぷりと含んでいます。
おやつを頻繁に欲しがるダイエット中のワンちゃんには、白菜を少量与えると低カロリーの良いおやつになります。
また、白菜は95%ほどが水分なので、あまり水を飲まず水分不足気味の子にも〇。
夏場などは、熱中症予防にもいいでしょう。
ビタミン豊富で健康に
白菜には、ビタミンKやビタミンCなどのビタミン類が豊富に含まれています。
ビタミンKは、骨を丈夫にする役割を果たします。
ビタミンCは抗酸化作用があり、体にとって有害である活性酸素から身を守ります。
また、ビタミンCは健康な皮膚や被毛には欠かせない成分です。
ただ、ビタミンCに関しては、犬は自分で生成できるため必要ないと言われています。
しかし、年齢を重ねた犬は、ビタミンCも不足しがち。
白菜で補ってあげるのもいいでしょう。
ミネラルで体の調子を整える
白菜には、カリウムやリンといったミネラル類も含まれています。
例えばカリウムは、塩分・老廃物を排出し、適正な血圧を保つ手助けをしてくれます。
リンは、健康な骨や歯を作るのに役立ちます。
いずれも含有量はわずかですが、バランスよく含まれており、体の調子を整えてくれます。
食物繊維で善玉菌増加
白菜には、食物繊維も豊富に含まれています。
食物繊維は、腸内の善玉菌を増やす働きをします。
便秘がちなワンちゃんには、食物繊維はとても良い成分と言えます。
しかし、食物繊維は取り過ぎると消化不良を起こすなど、犬にとって必ずしも良い働きばかりをするわけではありません。
与えすぎないようにしましょう。
イソチオシアネートで抗がん作用
白菜には、イソチオシアネートという「がん予防に効果がある」と言われている成分が含まれています。
イソチオシアネートは他にも、アブラナ科の野菜であるブロッコリーやキャベツ、小松菜などにも含まれています。
イソチオシアネートは、いわゆる辛味成分の一つであり、抗酸化作用が強いため、がん予防に効果的とのこと。
また、血栓をできにくくするなどの効果も期待されます。
犬に白菜を与える場合の注意点
それでは、白菜を犬に与える場合の注意点について確認していきましょう。
漬物などの加工品、味付けした鍋の白菜は与えない
漬物にした白菜や、味付けした鍋の白菜を犬に与えてはいけません。
漬物は塩分量が多すぎるため、腎臓に負担となります。
「漬物は水で洗えば塩分が流れるからOKなんじゃないの?」と考える方もいるかもしれませんが、漬物は内部まで塩分が浸透していて、少々水で洗ったぐらいでは塩分を取り除くことはできません。
また、味付けした鍋の白菜も塩分量が気になります。
さらに、塩分よりも問題になってくるのが、一緒に煮込んでいるネギなどの成分です。
ネギは、犬にとって有毒な物質を含み、摂取すると中毒を起こします。
ネギと一緒に煮込んだ白菜は、ネギの成分を白菜が吸着しているためNGです。
適量を与える
白菜は、多くの食物繊維や栄養成分を含みます。
人間にとっては有益なこれらの成分も、本来肉食である犬にとっては、摂取しすぎることによって大きな負担となります。
「白菜を与えるなら、ごく微量」というのが鉄則です。
目安としては、体重5kgのワンちゃんなら1日に10g程度におさえておきましょう。
10gというと、だいたい白菜の葉を7~8等分したうちの1切れ程度。
ほんのわずかな量ですね。
消化不良で下痢や嘔吐
白菜には、多くの食物繊維を含みます。
食物繊維は、適量摂取すれば腸の善玉菌を増やしてくれるため、犬にとってもある程度必要な成分といえますが、実はメイン食材であるドッグフードにもかなり多くの繊維質が含まれています。
そのため、白菜で食物繊維を取り過ぎると、本来肉食である犬は、消化不良を起こしてしまいます。
消化不良になると、下痢や嘔吐といった症状があらわれます。
特に、もともと胃腸が丈夫でない子の場合、食べ物のほんの少しの変化で下痢・嘔吐という症状に見舞われることがあるため、あえて白菜を与える必要はありません。
結石のリスク
犬に優良なドッグフード以外を与える時に気になるのは、結石のリスク。
食品には、結石のリスク要因となる物質を含んでいることが多いからです。
犬に多いストルバイト結石は、マグネシウムやリンなどが多いに関係しています。
白菜にもマグネシウムやリンが含まれているので、食べ過ぎるとストルバイト結石にかかるリスクは上がります。
また、葉物野菜で結石の原因になると言えば、シュウ酸。
シュウ酸は、どの葉物野菜にも含まれていますが、特に多いのはほうれん草です。
白菜は、ほうれん草の8%程度しかシュウ酸を含まないため、シュウ酸カルシウム結石になるリスクは低いと言えるでしょう。
甲状腺疾患がある犬には与えない
白菜には、抗がん作用があるイソチアネートが含まれています。
このイソチアネートが、ゴイトロゲンという物質に変化すると、甲状腺ホルモンをつくるのに必要なヨウ素という成分を吸収しづらくしてしまいます。
そのため、甲状腺疾患がある犬には白菜を与えないというのが鉄則となっています。
ただ、イソチアネートがゴイトロゲンに変化する割合はそれほど高くなく、実際のところは白菜を摂取したことによって、犬の甲状腺機能が低下したという事例は報告されていません。
しかし、甲状腺疾患で既に苦しんでいるワンちゃんに、あえて白菜を与える必要はないですね。
また、白菜以外にもアブラナ科のブロッコリーやキャベツ、小松菜などにもイソチアネートは含まれますので、注意しましょう。
犬に白菜アレルギーが出ることはあるの?
白菜は、比較的アレルギーが出にくい食材として知られています。
ただ稀(まれ)に、白菜でもアレルギーを起こしてしまうワンちゃんもいるようです。
生まれて初めて白菜を与える時は、かなり少量から試して、体に変化がないかチェックしましょう。
ちなみに、アレルギーを起こした場合は、皮膚疾患のほかに、目の充血、下痢や嘔吐などの症状がみられることもあります。
何らかの症状が出た場合は、早急に動物病院を受診しましょう。
まとめ:犬は白菜を食べていいけど、ごく少量を!
今回は、犬が白菜を食べていいのかということや、生のまま食べても大丈夫なのか、また白菜の芯は食べられるのかなど、犬と白菜の関係について細かくお伝えしました。
白菜を好きなワンちゃんは多いようですが、あえて積極的に与える食材というわけではありません。
犬が好むなら、ごく少量をご褒美のおやつとして与えましょう。