犬は栗を食べても大丈夫!与え方や適量、アレルギーや皮に注意
秋の味覚である栗。
甘くて美味しいのはもちろんのこと、実は栄養も豊富で、夏に疲れた体を癒してくれる健康食材としても注目されていますね。
人間にとっては、美味しく栄養もある栗ですが、犬に与えても大丈夫なのでしょうか?
今回は、「愛犬に栗を食べさせてあげたい」とお考えの飼い主さんのために、犬に栗を食べさせる際に気を付けるポイントを解説します。
どのぐらいの量までならOKなのかということや、皮つきのままで与えてもいいのかということ、アレルギーが起こる可能性はないのかということまで細かくみていきますよ。
犬は栗を食べても大丈夫?
まず、そもそも犬は栗を食べても大丈夫なのか気になっているという方も多いと思います。
栗には、犬にとって有毒な物質は含まれていませんので、犬が栗を食べたからといって中毒を起こすことはまず考えられません。
つまり、犬は栗を食べても大丈夫です。
自然な甘さを感じる栗は、犬にとっても美味しいおやつとなることでしょう。
ビタミンなどの栄養もふんだんに含まれているので、健康効果も期待できます。
ただし、与え方や与える量によっては消化不良を起こしたり、その他の健康被害がもたらされたりすることもあります。
また、まれにアレルギーを起こすことも考えられますので、注意しましょう。
愛犬への栗の与え方や適量
栗には、炭水化物や食物繊維が豊富に含まれています。
犬に与え過ぎると、太ってしまったり、消化不良を起こしたりする可能性があります。
与える量の目安は、
- 体重1kgで5g程度
- 体重5kgなら18g程度
- 体重10kgなら28g程度
です。
また、消化不良を起こさないよう、よく加熱し、皮をむき、細かく砕いたり、ペースト状にしたりして与えましょう。
犬が栗を食べるメリットや栄養効果
それでは犬が栗を食べるメリットや栄養効果についてみていきましょう。
甘みが強い栗は、食欲不振気味の犬も好んで食べる!
秋になっても、なかなか夏の疲れが抜け切らず、愛犬が食欲不振気味という時に、栗は大活躍します。
栗は、甘みが強い食べ物。
犬は、人間ほどの味覚はないとされていますが、甘みに関しては比較的感じやすいのです。
食欲が落ちているワンちゃんも、栗の甘みを喜んでくれることでしょう。
細かく刻んだ栗をフードのトッピングにすれば、食いつきがよくなりますよ。
ビタミンやカリウムなどの栄養豊富!
栗には、ビタミンやカリウムなどの栄養が豊富に含まれています。
ビタミンCやEは抗酸化作用があることが知られていて、がんを抑制する効果が期待できます。
ビタミンCは熱に弱い栄養素ですが、栗の場合、でんぷんがビタミンCを守るため、加熱しても壊れにくいのです。
代謝促進や疲労回復効果が期待できるビタミンB1も含まれています。
不要なナトリウムや老廃物を排出するデトックス効果があるカリウムも含まれています。
食物繊維豊富なので便秘がちな子にも
栗には、食物繊維も豊富に含まれています。
中でも不溶性食物繊維が豊富なので、ゆっくりと食べ物を消化し、血糖値の上昇を防ぐ役割を果たしてくれます。
また、ウンチの量がアップするため、便秘がちな子にもおすすめです。
犬は栗を食べても大丈夫だけど注意点が!
犬は栗を食べても大丈夫ですが、いくつか注意点があります。確認していきましょう。
生で与えない
まず、生のままの栗を犬に与えるのはやめましょう。
犬は固いものをかじるのが好きなので、生でもガリガリとかじって食べてしまうかもしれませんが、生のままだと消化しにくく、嘔吐(おうと)や下痢の原因となることも。
栗を与える時は、必ず柔らかくなるまで加熱するようにしましょう。
皮に注意
犬は、栗の皮を消化できません。
栗の鬼皮はかなり硬く、とがっている部分もあります。
消化管を通る際に、消化管内で詰まったり、消化管を傷つけたりする可能性があるため、絶対に犬に与えてはいけません。
消化管内にとどまった鬼皮は、分解されることはないため、外科的に取り出すしか方法がありません。
そして、鬼皮の下にある渋皮は、鬼皮よりは柔らかく、抗酸化作用があるタンニンを含むと言われていますが、すい臓リパーゼの働きを妨害する成分が含まれている可能性があるため、なるべく摂取しないほうがいいでしょう。
栗の皮むきは大変な作業ですが、一晩水に漬けておくと、むきやすくなりますよ。
食べ過ぎると消化不良に!下痢や嘔吐の危険性
栗には、100g中に約4.2gの食物繊維が含まれていると言われています。
適度に食物繊維を摂取することは、犬にとっても腸内環境を良くするために必要なことではあります。
しかし、食物繊維摂取量が多すぎると、消化できず、下痢や嘔吐を起こしてしまうことも。
特に小型犬の場合は、5粒程度の栗を食べただけでも消化不良になる可能性もあります。
消化不良を起こして、下痢や嘔吐の症状が出た場合、その症状が1回程度でおさまるようなら、自宅で様子をみても構いません。
しかし、下痢や嘔吐が続くようなら、動物病院を受診しましょう。
アレルギーが出る可能性も?
栗は、アレルギーを起こしにくい食べ物とされています。
しかし、中には栗を食べて皮膚がかゆくなったり、皮膚に発疹が出たり、目が充血したりする子もいるようです。
他にも下痢や嘔吐、ショック状態などもアレルギーの症状として挙げられます。
これらの症状が出たら、ただちに動物病院を受診し、獣医師の診断をあおぎましょう。
ちなみに、アレルギー症状は食べてすぐに出るとは限りません。
数時間後に異変が起こることも多々ありますので、初めて栗を食べさせた日は、愛犬の様子をよく観察しておきましょう。
おしっこの回数が増える
栗には、豊富な栄養成分が含まれています。
その栄養成分の中には、利尿作用の強いカリウムも。
カリウムはデトックス効果があり、腎臓(じんぞう)のサポートをしてくれる成分ではありますが、摂取しすぎると、おしっこの回数が増えておもらししてしまうなどのデメリットも考えられます。
また、腎臓疾患のある子の場合、カリウムの過剰摂取は危険を伴いますので、NGです。
尿路結石のリスク
栗には、マグネシウムも含まれています。
マグネシウムももちろん犬にとって必要な栄養素ですが、尿がアルカリ性に傾いたときに摂取すると、ストルバイト結石になってしまうというリスクをもっています。
ただし、例えば二ホングリに含まれるマグネシウム量は100g中に45mg程度です。
体重5kgの子なら栗摂取量は18g程度となっているので、摂取されるマグネシウム量は8mgとなります。
すでに尿結石で悩んでいるというワンちゃんは、栗も摂取しないほうが無難ですが、特に尿結石や腎臓の病気がない健康なワンちゃんなら、気にするほどの量ではありません。
加工品やスイーツを与えない
飼い主さん自身が栗ご飯やモンブランなど、秋の味覚である栗を存分に味わっている時、「愛犬にも栗を食べさせてあげたいな」と感じると思います。
しかし、飼い主さんが味わっている人間用の栗加工品やスイーツをそのまま犬に与えるのはNGです。
まず、人間用に調味されたものはすべて、犬にとっては味が濃すぎます。
塩分・糖分の量を考えると、犬にとっては毒です。
味の濃い食事を覚えた犬は、ドッグフードを食べなくなると言われています。
また、加工品には、犬が食べてはいけない成分が含まれていないとも限りません。
スイーツならチョコレートや酒類が危険ですし、総菜系ならネギ類や香辛料が気になります。
添加物も犬にとって摂取していいものとは言えないため、気を付けないといけません。
「少しだけなら、あげてもいいだろう」という油断が、愛犬の体調を崩すきっかけとなることも。
人間用の加工品は、絶対に与えないということを頭に入れておきましょう。
犬の手作りごはん!人気の栗レシピ「サツマイモと栗のケーキ」
犬の手作りご飯のレッスンを開催しているドギーズスープカフェさんの栗を使った犬の人気おやつレシピ。
犬が好きなサツマイモも入った、砂糖なしでも食いつきがいいケーキです。
食材(1食分・体重18kgの犬)
さつまいも・・・160g
茹でた栗・・・70g
アーモンドダイス・・・無くても可
豆乳・・・180
薄力粉・・・適量
作り方
1.さつまいもを茹でて荒くつぶします。
2.豆乳とさつまいも・栗・アーモンドダイスを混ぜます。★栗はむき栗で可
3.薄力粉を入れながら混ぜてゆき、ホットケーキの生地ぐらいにします。
4.型に入れて180度のオーブンで30分ぐらい焼きました。
サツマイモについて詳しく知りたい方は下の記事もオススメです。
まとめ:犬は栗を食べても大丈夫だけど、量や調理法に注意を!
今回は、犬に栗を食べさせる際に気を付けるポイントについて確認しました。
栗には中毒性がないので、犬は栗を食べても大丈夫です。
ただ、食べさせ過ぎると嘔吐や下痢の原因となるため、与える量はごく少量にしましょう。
また、消化吸収をよくするために、栗をよく加熱して、皮を取り除いて与えることが大切。
「甘い栗が大好き」という犬も多いよう。
食欲不振気味のワンちゃんにフードのトッピングとして使ってみましょう!