犬はごぼうを食べていい?生でも大丈夫?栄養効果や適量の注意点を解説
食物繊維たっぷりで、便秘解消に効果的とされるごぼう。
愛犬のしつこい便秘に困っているという飼い主さんの中には、「犬にもごぼうを食べさせたい」と考えている方も多いのではないでしょうか?
でも、ごぼうはアクも強そうですし、犬に与えてもいいのか不安になりますよね。
そこで今回は、犬はごぼうを食べていいのか、また食べさせるとしたらどのぐらいの量までならOKなのかなど、ごぼうの気になるアレコレを徹底特集します。
流行のごぼう茶についても取り上げますよ。
犬はごぼうを食べていい?生でも大丈夫?
アクが強く、犬には有害そうにみえるごぼうですが、実はごぼうの中には犬にとって有毒な物質は含まれていません。
よって、犬はごぼうを食べることができます。
ごぼうには、貴重な栄養素がたっぷりと含まれているため、犬にごぼうを食べさせることによって、ある程度の健康効果が期待できます。
ただし、犬に生のごぼうを食べさせるのは、やめましょう。
ごぼうは、野菜の中でもトップクラスの食物繊維量。
犬は食物繊維の消化が苦手なことが多く、生のままだと消化不良を起こす可能性が高いでしょう。
また、非常にアクも強いため、うま味も生のままは良くありません。
犬にごぼうを与えるなら、必ず加熱しましょう。
また、消化不良を起こさないためにも、与え方や与える量も大事になってきます。
とても体に良い野菜であるごぼうですが、犬に与える場合は、気を付けるポイントがいくつかあります。
ごぼうを犬に与える時の適量や与え方
それではここからは、犬にごぼうを与える時の適量や与え方について詳しくみていきましょう。
体重5kgの小型犬なら、20g程度を目安に
ごぼうの中には、多くの食物繊維が含まれています。
ごぼうを犬に与える場合は、食物繊維量が過多にならないよう、注意しましょう。
体重5kgの犬なら、20g程度までが目安となります。
ごぼう20gというと、だいたい長さ5~6cm程度になります。
体重10kgの犬なら40g、体重20kgの犬なら70g程度を目安にするといいでしょう。
ただし、食物繊維をどこまで許容できるかというのは、犬の個々の消化能力によって大きく異なります。
普段からお腹がゆるく、胃腸が弱いという子には、念のためごぼうを与えるのは見合わせたほうがいいかもしれません。
いずれにしても、最初から適量とされるごぼうを与えるのではなく、まずはほんのひとつまみ、少量を与えて様子をみましょう。
便の状態を確認して異常が無ければ、徐々に量を増やして大丈夫です。
さっとアク抜きをして、加熱後、細かく刻んで与えること
ごぼうの調理で気を付けるポイントは「アク抜き」と「加熱」、そして「カット方法」の3つです。
まず、アク抜きに関しては、「さっと」がポイント。
ごぼうを水にさらすと、いつまでも黒い汁が出るような気がして、何度も水を変えて長時間水にさらしてしまう…という方もいるかもしれませんが、実はこの黒い成分は栄養素です。
できれば、犬にも摂取させたいものなので、1分程度、水にごぼうをさらしたら引き上げましょう。
ごぼうのアク抜きが終わったら加熱します。
ごぼうは、加熱することによって、さらに栄養価がアップするという研究もありますので、安心してじっくり加熱してください。
加熱が終わったら、細かく刻みます。
犬が苦手な食物繊維をしっかりと断ち切るように、カットしていきましょう。
みじん切りにするか、もしくはフードプロセッサー等で細かく砕くのがおすすめです。
犬がごぼうを食べるメリットや健康効果
それではここからは、犬がごぼうを食べるメリットや健康効果について確認していきましょう。
便秘がちな犬におすすめの食物繊維!がん予防にも!
ごぼうといえば、やはり食物繊維です。
ごぼう100g中に、約5.7gもの食物繊維が含まれていて、野菜の中では食物繊維含有量トップクラス。
犬は、食物繊維の消化が苦手ではありますが、便秘がちな犬にとっては救世主となる存在です。
特に、ごぼうの場合、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維とがバランスよく含まれているので、腸内環境を整えるのに最適と言えます。
まず、水溶性食物繊維として注目したいのが、イヌリン。
イヌリンは、食物繊維の中に含まれる天然オリゴ糖の一種です。
オリゴ糖といえば、腸内を整えてくれる栄養素の一つですね。
イヌリンにも、ビフィズス菌の成長を促す整腸効果があります。
また、血糖値を改善したり、腎臓の働きを良くしたりする効果も。
そして、不溶性食物繊維の中で注目したいのが、リグニン。
不溶性食物繊維は、便のかさを増して腸のぜん動を促してくれるため、便秘を改善する効果が期待できます。
そしてなんとリグニンには、腸内にある発がん性物質を吸着する作用があるそう。
近年、がんになる犬は増えているので、ごぼうを摂取することによって、がんが防げたらいいですよね。
ファイトケミカルの一種であるポリフェノールも豊富
さらに、ごぼうの栄養素の中でもう一つ、注目の成分があります。
それは、あの黒いアクです。
黒いアクは、ファイトケミカルと呼ばれるポリフェノールの一種。
具体的には、クロロゲン酸やタンニン、アルクチゲニン、サポニンなどが、ごぼうに含まれています。
これらのポリフェノールは、強い抗酸化作用を持ち、体内に入って来た活性酸素を除去。
免疫力を高め、病気を防ぎ、老化も防止します。
内臓から元気にしてくれるため、皮膚や被毛(ひもう)も美しくなり、見た目にもイキイキと元気に。
また、これらのポリフェノールには、抗炎症作用や抗菌作用があることも分かっています。
ポリフェノールのパワーを受け取りたいなら、アク抜きをほどほどに。
そして、加熱することでポリフェノールの効果は、より高まることが報告されているので、ぜひきちんと加熱して犬に与えてくださいね。
犬はごぼうを食べていいけど注意点が!
犬はごぼうを食べても大丈夫ですが、いくつか注意点があります。
確認しておきましょう。
アレルギーの可能性
ごぼうには抗炎症作用もあることから、アレルギーを起こしやすい食材とは言えませんが、キク科にアレルギーがある場合、ごぼうにもアレルギーが出る可能性があります。
特に、生まれて初めてごぼうを食べさせる場合は、少量から試して様子をみるようにしましょう。
一般的なアレルギーの症状としては、皮膚や目、耳などのかゆみ、赤み、さらに嘔吐(おうと)や下痢、血圧の低下や呼吸困難といったものがあげられます。
ごぼうを食べた後にこれらの症状がみられたら、速やかに動物病院を受診しましょう。
消化不良で下痢や嘔吐の症状
ごぼうには、多くの食物繊維が含まれています。
犬は、それほど食物繊維の消化が得意ではないので、食べ過ぎると当然体調に影響します。
消化不良を起こし、下痢や嘔吐に苦しむことも。
食物繊維をどのぐらい消化できるのかは、かなり個体差があると言われています。
愛犬が、どのぐらいの量までなら食べられるのかは、実際に食べさせてみないと分かりません。
アレルギー対策と同様になりますが、生まれて初めてごぼうを食べる場合は、少量から試しましょう。
そして、摂取目安量を超えて食べさせることのないよう、充分注意しておきましょう。
摂り過ぎると便秘に
犬がごぼうを食べ過ぎて食物繊維の許容量を超えた場合、消化不良を起こして下痢や嘔吐するのが普通ですが、逆に便秘になってしまうこともあります。
特に、すでに頑固な便秘に悩んでいる場合は、腸のぜん動運動が正常に行われていない状況。
ここに大量のごぼうが入ると、不溶性食物繊維が大腸内にとどまってしまい、どんどん巨大な便の固まりとなって、かえって便秘がヒドくなることがあります。
犬に推奨されるのは、あくまで適量のごぼうです。
便秘がヒドいからと大量のごぼうを与えると、もっと便秘がヒドくなる可能性があるため、気を付けましょう。
ごぼう茶を犬に与えても大丈夫?
ごぼう茶とは、ごぼうを煮だしたお茶のことです。
ごぼう茶には、ポリフェノールや水溶性食物繊維も溶けだしているため、犬にも飲ませてあげたいという方も多いと思います。
ごぼう茶にも犬にとって中毒を起こす成分は含まれていませんので、犬が飲んでも大丈夫です。
ただし、加工されたごぼう茶の中には、様々な添加物が入っている場合も。
原材料をチェックして、犬に安全なものか確かめてから与えましょう。
犬ごはんのおすすめ「ごぼうレシピ」
犬ごはん先生いちかわあやこ先生のごぼうの入った「おからはんばーぐ」レシピ。
飼い主さんのごはんと一緒に作ることもできます。
【材料】
*ひき肉(これは赤身80%表記のもの)
*おから
Aにんじん
Aごぼう
*たまご
*オリーブオイル
※(人間用)にんにくチップ
※生姜
※だいこんおろし
※しそ
※の食材は、お好みで。ワンコが苦手なようでしたら抜いて下さいひき肉とおからは2:1ぐらい。
【作り方】
- Aの食材は細かく刻み、好みの柔らかさに茹でておく。
- 混ぜた具材をお好みのサイズに成形します。
- 熱したフライパンにオリーブオイル(なければサラダオイル)をひいて半分は犬用に。
もう半分はお好みでにんにくチップで香りづけをしながら、人間用を焼きます。- ワンコ用は、ごはんも一緒に
【まとめ】便秘がちな犬には少量のごぼうを!
今回は、犬はごぼうを食べても大丈夫なのか、また犬にごぼうを与える場合の注意点を中心にお伝えしました。
ごぼうには、腸内環境を整える効果や、抗酸化作用が期待できます。
特に便秘がちな犬にとって、ごぼうは救世主となり得る存在。
与える量や与え方に気を付けて、少量のごぼうをフードにトッピングしてみましょう。
ごぼうの他にも!生で食べてはいけない野菜とは?