犬はびわを食べていい?適量や与え方、びわの種や葉などの注意点
びわは比較的簡単に育つため、庭先に植えられていることも多い果実。
でも、旬の時期が5~6月と短く、近年では「高級果実」というイメージも強いですよね。
また、オレンジ色が鮮やかなびわには、栄養も多く、またびわの皮や種にも病に効くような成分が含まれているという噂も!?
栄養満点で、ちょっと高級なびわを、犬にも食べさせてみたいと考えている方も多いのではないでしょうか?
でも、気になるのは「犬は、びわを食べていいのか」ということですよね。
そこで今回は、犬にびわを食べさせてもいいのかを徹底調査しました。
- びわの種や皮に含まれているのは、健康成分?or 毒?
- びわを犬に食べさせるとしたら、その適量は?
など、びわについての気になる情報を網羅していますので、ぜひ参考にしてくださいね。
犬はびわを食べていい?
私たち人間が普段食べるびわの実の部分には、犬にとっても有毒な成分は含まれていません。
よって、犬もびわを食べて大丈夫です。
鮮やかなオレンジ色をしたびわには、βカロテンやβクリプトキサンチン、ビタミンC、ポリフェノール、カリウム、そして水分も豊富に含まれています。
これらの成分は、犬の健康にもとても有効に働きます。
ただ、びわの実以外の部分には、毒性があることが分かっています。
特に、種には毒性物質が含まれると同時に、種を丸ごと飲み込むことによる窒息などにも注意が必要。
また、アレルギーや消化不良にも気を付けなければなりません。
与え方や与える量にさえ気を付ければ、びわは犬にとっても健康的なおやつとなります。
犬にびわを与えるときの適量と与え方
それでは次に、犬にびわを与えるときの適量と与え方についてみていきましょう。
体重5kgの小型犬なら1日に10g程度が適量
健康効果が期待できるびわですが、与え過ぎは良くありません。
びわには、犬が消化を苦手とする食物繊維も含まれますし、糖分も含まれます。
消化不良や肥満を防ぎたいなら、ほんの少量を与えるのがベストです。
体重5kgの小型犬なら、1日に10g程度のびわにとどめておきましょう。
体重10kgの中型犬なら15g、体重20kgの大型犬でも30g程度とします。
ちなみに、びわ1個はだいたい30~50g。
大型犬でも、小さめのびわ1個が適量と覚えておきましょう。
皮をむいて細かくカットしたものを与えること
果実を食べる際に「皮ごと食べた方が、栄養豊富でおすすめ」と言う専門家も多いようです。
実際、果実の多くは、皮や皮の付近に多くの栄養素を蓄えていて、栄養効率を考えるなら、皮ごと摂取するのが理想。
ただし、犬に与える場合は、基本的にどの果物でも皮をむくようにしましょう。
皮には、実の部分より多くの食物繊維が含まれます。
びわの皮は、他の果物に比べると比較的薄くて消化しやすいとも言えますが、やはり実の部分よりは食物繊維が多め。
どうしても与えたいなら、ペースト状にするという手もありますが、そこまでする必要はないでしょう。
また、皮には残留農薬の心配もあります。
一般に流通しているびわの場合、ほぼ検出されないレベルとのことですが、皮をむいて与えたほうが安心ですよね。
犬がびわを食べるメリットや栄養効果
それでは次に、犬がびわを食べるメリットや栄養効果についてみていきましょう。
特に、βカロテン・βクリプトキサンチン・ポリフェノールの抗酸化効果に注目です!
抗酸化作用に期待大
びわがオレンジ色をしているのは、抗酸化作用が期待できるβカロテンやβクリプトキサンチンが含まれている証拠。
100gのびわに、βカロテンは510㎍、βクリプトキサンチンは600㎍も含まれています。
この量は、果物の中でもトップ10に入るほどの多さ。
ともに強力な抗酸化効果がある栄養素であり、体内に入ってきたサビの元となる活性酸素の働きを封じ込める役割を果たします。
その働きによって、身体の免疫力があがり、病気を防ぐとともに、皮膚や被毛を美しく若々しく保つ効果も。
また、びわには、ポリフェノールも含まれています。
びわをカットすると、瞬く間に茶色く変色してしまう…ということを経験した方も多いのではないでしょうか?
この変色は、ポリフェノールによるものです。
ポリフェノールも同じく、抗酸化作用が期待できます。
たっぷりの水分とカリウムでデトックス効果も
びわは、88%以上が水分です。
また、カリウムも100g中に160mgと豊富に含まれています。
水分とカリウムを同時に摂取することによって、体内の余分な塩分や老廃物をスムーズに排出してくれるデトックス効果が期待できます。
カリウムは、血圧を正常に整える効果もあります。
ただ、腎臓に疾患のある犬が、カリウムを含む食品を摂取する場合は、注意が必要。
びわに含まれるカリウム量は、極端に多いというわけではありませんが、念のためかかりつけの獣医師に相談のうえ、びわを与えるようにしてくださいね。
犬はびわを食べられるけど注意点が!
犬はびわを食べられますが、いくつか注意点があります。
確認しておきましょう。
びわの種・びわの葉に注意
犬にびわを与える際に最も注意してほしいのが、びわの種や葉。
びわの種は固く、犬が丸飲みしてしまうと、喉(のど)や消化器官に詰まって危険なだけでなく、びわの種に含まれるアミグダリンと呼ばれる中毒物質も問題です。
アミグダリンをある一定量摂取すると、青酸中毒を起こす可能性があります。
「びわの種はがんに効く」と述べる専門家もいて、ネット上でもそのような意見が掲載されていることがあります。
しかし、びわの種ががんに効果がないことは、国民生活センターの発表にて立証済みです。
また、農林水産省もアミグダリンの危険性を訴えています。
くれぐれも、嘘の情報に惑わされることがないようにしてくださいね。
ちなみに、びわの葉にもアミグダリンは含まれますので、摂取しないようにしましょう。
与えすぎると、消化不良で下痢や嘔吐に
びわを犬に与え過ぎると、消化不良を起こして下痢や嘔吐(おうと)といった症状に苦しむ可能性があります。
びわには、100g中に約1.6gの食物繊維が含まれています。
それほど食物繊維が多いというわけではありませんが、犬は食物繊維の消化をそれほど得意としていないため、食べ過ぎると胃腸に負担がかかります。
犬にびわを与える際には、適量を守りましょう。
アレルギーの可能性
びわを食べることによって、アレルギーを起こしてしまう場合があります。
特に、シラカバやハンノキなどにアレルギーがある場合は、交差反応としてびわにも反応してしまうことがあるよう。
また、びわはバラ科に属するため、同じバラ科のリンゴや梨、桃、サクランボ、アンズなどにアレルギーがある場合は、びわにもアレルギーがある可能性も。
上記の植物や食材にアレルギーがない場合でも、油断は禁物。
特に、初めてびわを食べる場合は、アレルギー反応が起きないかよく注意する必要があります。
生まれて初めて、びわを食べさせる場合は、まず少量から始めましょう。
びわを食べた後に、皮膚や目、耳のかゆみや赤み、嘔吐や下痢といった症状が出るようなら、アレルギーかもしれません。
何らかの症状が出たら、動物病院の受診をおすすめします。
犬にびわ茶を与えても大丈夫?
健康茶として、注目されているびわ茶。
がん予防を始め、アレルギー対策など、様々な効果・効能がうたわれていますね。
でも実は、びわ茶を犬に飲ませるのは危険。
犬に、びわ茶を与えるのはやめましょう。
そもそも、びわ茶とは、びわの葉や種を煎じて作られています。
つまり、中毒物質のアミグダリンを含んだ物質を煎じて作られているということです。
「煎じる」という工程を経ることと、お湯で煮だすという工程を経ることにより、実際に身体の中に入るアミグダリン量は、びわの種や葉に含まれているものよりぐっと少なくはなります。
しかし、一体どのぐらいの量がお湯に溶けだしているのかも製品によって異なるため、一概に「安全」とは言えません。
また、実際どのぐらいの量のアミグダリンを摂取すると、犬に健康被害が出るのかもはっきりとはしていません。
よって、安全のためには、びわ茶を犬に与えるのはやめておきましょう、ということです。
愛犬の血行が良くなる!びわの葉温灸
びわ茶を犬に与えるのはNGですが、びわの葉温灸(おんきゅう)ならOKです。
温灸なら、びわの葉を直接食べるわけではないので、毒素が過剰に身体に入る心配はありません。
びわの葉温灸とは、普通の温灸にびわの葉のエキスを足して、血のめぐりを良くするものです。
温灸では湿度が加わることによって、じんわりと身体を温め、またゆっくりと冷めていくため、通常の温灸よりも血行促進効果が高いと言われています。
びわの葉温灸は、ネット通販等で手軽に手に入れることができます。
腰痛で悩んでいるワンちゃんや、高齢ワンちゃんには、血行を促進することで痛みを緩和する効果があります。
また、セラピー効果も抜群で、飼い主さん自身もとても癒されると高評価!
気になる方はぜひお試しを。
まとめ:びわの種・葉には気を付けて、びわの実だけを少量おやつに
今回は、びわを犬に与えてもいいのかということを中心にお伝えしました。
犬には、びわの種・葉を絶対に食べさせないようにし、びわの実だけを少量カットしておやつにしましょう。
抗酸化効果の高いびわで、犬も健康に!