犬はアスパラガスを食べていい?生は大丈夫?適量や与え方の注意点
5~6月になると、スーパーの店頭に並び始めるアスパラガス。
旬のアスパラガスはとても美味しく、栄養もたっぷり含まれています。
「美味しいアスパラガスを犬にも食べさせてみたい!」という飼い主さんも多いのではないでしょうか?
でも、犬がアスパラガスを食べても大丈夫なのか、気になりますよね。
そこで今回は、犬はアスパラガスを食べていいのか、検証しました。
生のままでも大丈夫なのか、またどのぐらいの量までなら与えてもいいのかも確認していきましょう。
犬はアスパラガスを食べていい?生は大丈夫?
アスパラガスには、犬にとって有毒な成分はあまり含まれていませんので、少量なら食べさせても大丈夫です。
アスパラガスには、疲労回復効果のある成分が含まれていて、犬の健康にも有効な野菜と言えます。
ただし、生のアスパラガスを犬に与えるのはやめておきましょう。
アスパラガスは固く繊維も多いため、犬にとっては消化し辛いものです。
また、生のアスパラガスには、自然毒と呼ばれる中毒物質もわずかながら含まれています。
アスパラガスを犬に与える場合は、柔らかい部分を選び、必ず加熱したものを与えましょう。
アスパラガスを犬に与える時の適量や与え方
それでは次に、アスパラガスを犬に与える時の適量や与え方について、みていきましょう。
体重5kgなら1/3本程度が目安に
犬にアスパラガスを与える時の目安量について、公に示されているデータはありません。
しかし、一応の目安として、体重5kgの小型犬なら1/3本程度としましょう。
アスパラガスのカロリーは100gあたり22キロカロリーと低いため、1/3本食べさせて大丈夫そうなら、様子をみて1本程度までは増やしてもいいでしょう。
体重10kgの中型犬なら1/2本を、体重20kgの大型犬なら1本を目安とします。
中型犬も大型犬も、小型犬同様、その量で問題ないようなら、様子を見ながら倍量程度までは増やしても構いません。
ただし、いずれの場合も、毎日与えるのはやめましょう。
同じ野菜ばかりを毎日食べさせると、栄養が偏ります。
旬の時期に、週に1度程度の割合で与えましょう。
柔らかい部分を選び、さっと茹でて細かく刻むのがベスト
アスパラガスは硬く、繊維も多いので、なるべく穂先の柔らかい部分を選びましょう。
皮をむいて柔らかい内部のみを使う、というのも良い方法です。
また、調理法としては茹でて与えるのが基本ですが、あまり長い時間茹でると栄養が失われてしまいます。
茹で時間は2~3分ほどで構いませんので、さっと茹でて細かく刻んだものを与えましょう。
もちろん茹でる時に、塩は不要です。
ちなみに、茹でるよりも炒めたりグリルで焼いたりしたほうが美味しく感じるという方も多いかもしれませんが、犬に与える場合は、カロリーのことや消化のことを考えて、油を使うのはやめましょう。
また、焼く場合も短時間で処理するのがポイントです。
アスパラガスを長時間焼くと、発がん性のあるアクリルアミドという物質が増えるというデータがあるため、気を付けましょう。
犬がアスパラガスを食べるメリットや健康効果
それでは次に、犬がアスパラガスを食べるメリットや健康効果についてもみていきましょう。
アスパラギン酸で疲労回復効果
アスパラガスの栄養素で特筆すべきは、アスパラギン酸です。
アスパラギン酸は、アミノ酸の一種でうまみとなる成分ですが、疲労回復効果があることで知られています。
アンモニアを体外に排出する役割も果たしてくれるため、犬の身体にとってもかなり有用な栄養素と言えます。
アスパラギン酸は、アスパラガスの穂先の部分に多く含まれます。
穂先のほうが柔らかく犬も食べやすいため、できれば穂先のほうを優先してあげるといいですよ。
抗酸化作用の高いルチンやβカロテン
次に注目したいのは、ルチンとβカロテンです。
この2つは、抗酸化作用の強い栄養素であり、ルチンには抗炎症効果や血流を改善する効果もあります。
身体に炎症や関節の痛みがある場合、炎症を鎮め、痛みを軽減してくれる可能性があるため、積極的に摂取したいですね。
βカロテンは体内に入ると、必要に応じてビタミンAに変換されます。
活性酸素の働きをおさえ、免疫力をアップし、ガンを抑制し、皮膚のターンオーバーを促すなど若返りの効果も。
犬はアスパラガスを食べていいけど注意点が!
犬はアスパラガスを食べても構いませんが、いくつか注意点があります。
確認していきましょう。
与え過ぎると消化不良で下痢や嘔吐の症状
アスパラガスの主な成分は水分ですが、食物繊維も豊富に含まれています。
いくら柔らかく茹でたものを与えたとしても、それらの繊維を消化するには、それなりに時間がかかります。
犬にアスパラガスを与え過ぎると、消化不良を起こして下痢や嘔吐(おうと)を引き起こしてしまうことがあります。
上記でご紹介した適量(体重5kgの小型犬なら1/3本程度)を超えないように与えるのが基本となりますが、どのぐらいの量を与えると消化不良を起こすのかは、その犬によって大きく違うようです。
愛犬に初めてアスパラガスを食べさせる場合は、まず少量を与えて様子を見ましょう。
与え過ぎるとアルカロイド中毒症になる可能性も
アスパラガスを与え過ぎた場合、消化不良による下痢・嘔吐以外にも、アルカロイド中毒症になる可能性もあります。
アスパラガスには、アルカロイドと呼ばれる犬にとって有毒な成分が微量ではありますが含まれています。
アルカロイドとは、いわゆる苦み成分のこと。
未成熟な野菜には特に多く含まれており、野菜自身が害虫から身を守るために殺虫効果があります。
このアルカロイドを大量に摂取した場合、痙攣(けいれん)や嘔吐などの中毒症状が出る可能性があります。
ただアルカロイドは、アスパラガスを茹でることによって減らすことはできます。
適量を守り、茹でることによって、アルカロイド中毒症にならないようにしましょう。
アレルギーの可能性
アスパラガスによって、まれにアレルギーを起こす犬もいます。
アレルギーの症状としては、皮膚や耳、目のかゆみや赤み、嘔吐や下痢というものです。
もし、アレルギーのような症状が出た場合には、すぐに動物病院を受診しましょう。
茹で汁は与えず捨てる
アルカロイドは、水に溶けだしやすいという性質があります。
そのため、アスパラガスを茹でた汁には、中毒物質であるアルカロイドが溶け出しています。
念のため、犬にはアスパラガスの茹で汁を与えず捨てるようにしましょう。
参照:農林水産省(食品中のピロリジジンアルカロイド類に関する情報)
【まとめ】犬はアスパラガスを少量なら食べてもOK
今回は、犬がアスパラガスを食べてもいいのかを確認しました。
アスパラギン酸などの栄養素が含まれるアスパラガスを食べることで、疲労回復効果や抗酸化作用が期待できます。
犬はアスパラガスを食べても大丈夫ですが、生ではなく茹でて細かく刻んだものを少量与えるようにしましょう。
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