犬にコーヒーを与えてはダメ!危険なカフェイン中毒症状とは?
「犬にコーヒーを与えてはダメ」という情報をご存知の飼い主さんは多いと思います。
犬がコーヒーを飲むと、カフェイン中毒を起こしてしまうと言われていますね。
でも、ワンちゃんの中には、飼い主さんが放置してしまったコーヒーを盗み飲みしてしまう子も多いよう。
ペロッとコーヒーを舐める愛犬…。
慌ててしまいますよね。
そこで今回は、犬に飲ませてはいけないというコーヒーを誤飲してしまった場合、犬にどんな症状が出るのかを徹底調査しました。
カフェイン中毒による致死量や治療法についても触れていますので、参考にしてください。
犬はコーヒーの匂いが好き?嫌い?
まず、飼い主さんのコーヒーを盗み飲みする犬が、なぜ後を絶たないのか…ということを考えてみましょう。
それはつまり、犬はコーヒーの匂いが好きだからです。
一説には、犬は人間の100万倍~一億倍もの嗅覚(きゅうかく)を持つと言われています。
コーヒーの香りは、犬の優れた嗅覚を敏感に刺激するようです。
「コーヒーの匂いが好き」というのは、人間と同じですね。
飼い主さんの中には、コーヒーの味そのものはそれほど好きでなくても、コーヒーの香りは好きという方もいるのではないでしょうか?
SNSなどをチェックしていると「うちの犬はコーヒー好きです」などの投稿もありますが、基本的にコーヒーを犬に与えてはいけません。
コーヒーの匂いが好きな犬に盗み飲みされないよう、飼い主さんは充分に注意する必要があります。
犬にコーヒーを与えてはダメな理由
それでは、なぜ犬にコーヒーを与えてはいけないのでしょうか?
それは、コーヒーに含まれているカフェインが影響しています。
犬は、カフェインを摂取すると、中毒症状を起こす可能性があります。
コーヒーの原料となるコーヒー豆やインスタントコーヒーの粉末ももちろんダメです。
コーヒーゼリーやコーヒー牛乳などの加工品も同じくカフェインが含まれていますので、NGということをおさえておきましょう。
犬に起こるカフェイン中毒とはどんな症状?
それでは、犬に起こるカフェイン中毒とは、いったいどんな症状なのかを確認していきましょう。
そもそもカフェインには、興奮作用があります。
カフェインを摂取すると、覚醒します。
その他にも、鎮痛効果や利尿作用も。
興奮作用のあるカフェインを犬が摂取すると、直接的に心筋や中枢神経を刺激。
興奮状態になって落ち着きがなくなったり、よだれがたくさん出たり、呼吸がはやくなったりします。
さらに症状が進むと、嘔吐(おうと)や下痢を起こしたり、ふらついて痙攣(けいれん)したり、筋肉が硬直してしまったり、呼吸不全に陥ることも。
最悪の場合は、死に至ることもあるため、油断できません。
これらの症状が起こるのは、カフェイン摂取後、約1~2時間後と言われています。
もし、誤ってコーヒーを飲んだ場合は、1~2時間は様子を見守りましょう。
犬がコーヒーを誤飲した時の致死量は?
それでは、具体的にどのぐらいの量のコーヒーを飲むと、犬に影響が出るのでしょうか?
確認していきましょう。
致死量は体重1kgあたりカフェイン100~200mg
個体差はあるものの、犬がコーヒーを誤飲した時の致死量として一般的に示されているのが、体重1kgあたりカフェイン100~200mgです。
以下に、コーヒーやコーヒー加工品の100gに含まれるカフェイン量の目安を記載しておきます。
- インスタントコーヒー:60mg
- ドリップコーヒー:135mg
- エスプレッソコーヒー:140mg
- コーヒーゼリー:40mg
例えば、体重5kgの犬なら、500~1000mgのカフェインが致死量となりますので、インスタントコーヒーなら840~1680ml、ドリップコーヒーなら370~740ml、エスプレッソコーヒーなら280~560ml、コーヒーゼリーなら1250~2500mgが致死量です。
ここで注意しなければならないのは、「こんなに大量に与えてないから安心」と油断してしまうこと。
あくまで、この数字は「死に至る数字」です。
つまり、致死量以下のコーヒーを摂取した場合でも、充分に中毒症状を起こす可能性はあるということを忘れてはいけません。
どのぐらいの量のコーヒーで中毒を起こすかは、個体差がある
「犬がコーヒーを飲んだけど、ケロッとしている」「うちの犬、コーヒー好きなのよ」という話を聞いたことがある、という飼い主さんも多いと思います。
でも、獣医師たちが口を酸っぱくして唱えるのは「コーヒーは危険」ということ。
実際に動物病院の現場では、コーヒーによって体調を崩したワンちゃんが担ぎ込まれています。
一体、これはどういうことなのでしょうか?
実は、コーヒーを飲んだ際に、どのぐらい犬に影響があるのかは、かなり個体差があるよう。
大量にコーヒーを飲んでも平気な犬もいれば、ほんの少しの量のコーヒーを口にしただけで、中毒症状が出てしまう犬もいるということです。
先ほどの致死量も、よく見れば、かなり幅があります。
つまり、愛犬がどのぐらいの量のコーヒーを飲んだら中毒症状を起こすのか、という正確な数字は分からないということです。
ただ、コーヒーは犬にとって危険である可能性が高いということだけは言えます。
飼い主さんができることは、そんな危険なコーヒーを愛犬に与えないよう配慮することではないでしょうか。
犬がコーヒーを誤飲してしまった時の対処法
では、愛犬がコーヒーを誤飲してしまった時、飼い主さんはどのような行動をとるべきなのか、確認していきましょう。
ごく少量を舐めた程度なら、1~2時間様子を見守る
まず、犬がごく少量のコーヒーを舐めた程度なら、それほど心配する必要はないです。
カフェイン中毒が出るのは1~2時間後なので、1~2時間程度は変わった様子がないか様子を見守りましょう。
もし、その間に中毒症状を起こすようなら、早急に動物病院を受診してください。
ある程度の量を飲んでしまった場合も、1~2時間は様子を見守る
例えばコップ半杯程度など、ある程度まとまった量のコーヒーを飲んでしまった場合も、まずは1~2時間程度、様子を見守りましょう。
様子を見守りつつ、動物病院を受診することになった場合に備えて、以下のことをメモしてください。
- コーヒーを誤飲した時間
- コーヒーを誤飲した量
- どんなコーヒーを飲んだのか
どんなコーヒーを飲んだのかについては、もしそのコーヒーのパッケージなどが自宅にあるようなら、そのパッケージを動物病院へ持参できるよう、準備しておきましょう。
犬がコーヒーを誤飲した時間帯が深夜や日祝祭日の場合は、その日の救急外来をチェックしておきます。
ある程度、まとまった量のコーヒーを飲んでしまった場合は、少しでも異常を感じたらすぐに動物病院を受診することが大切です。
コーヒーを致死量近く飲んだ or 粉を食べたなら即動物病院を受診!
コーヒーを致死量近く飲んでしまった場合や、コーヒー豆やインスタントコーヒーの粉を食べてしまった場合は、すぐに動物病院を受診します。
コーヒー豆やインスタントコーヒーの粉は、コーヒーの素となるものなので、少量食べただけでも大量にカフェインを摂取したことになるため危険です。
受診の際には、コーヒーを誤飲した時間やどんな種類のコーヒーを誤飲したのか、また誤飲した量を記載していくことを忘れないようにしましょう。
できるだけ早く獣医師に診せたいところですが、冷静に行動してください。
ちなみに、カフェインを解毒する薬はありません。
治療方法は、対症療法となります。
誤飲から4~6時間程度経過していたとしても、胃の内容物を吐かせることは有効な治療方法とされています。
ただし、飼い主さんが無理やり吐かせようとするのはやめてください。
吐いた物が喉に詰まるなどの二次被害が心配です。
必ず獣医師の診断を仰ぎ、処置はプロにお任せしましょう。
コーヒー以外で犬にカフェイン中毒のリスクがある飲み物や食べ物
犬にとって怖いカフェイン中毒。
コーヒー以外にも、犬にカフェイン中毒を起こす可能性がある飲み物や食べ物は、たくさんあります。
以下に、カフェインを含む飲み物・食べ物と100g中のカフェイン含有量を示しておきますので、参考にしてください。
- 紅茶:30mg
- 玉露:160mg
- 煎茶:20mg
- ウーロン茶:20mg
- コーラ:10~13mg
- 栄養ドリンク:30~50mg(※商品によって違う)
紅茶や玉露(ぎょくろ)、煎茶(せんちゃ)、ウーロン茶の茶葉にも、もちろんカフェインが含まれますので注意しましょう。
ちなみに、麦茶にはカフェインは含まれませんので、カフェイン中毒を起こす心配はありません。
しかし、麦茶にはミネラルが豊富に含まれています。
腎臓病などの犬にとっては、負担になることも考えられますので、なるべく飲ませないほうが無難でしょう。
カフェインレスのコーヒーなら犬に与えて大丈夫?
コーヒーのカフェインが、犬にとって有毒であるということを確認しましたが、カフェインレスコーヒーなら犬に与えても大丈夫なのでしょうか?
カフェインレスコーヒーとは、特殊な製法によりカフェインの量を100mlあたり1~2mgとごく少量におさえたものです。
全くカフェインが含まれないというわけではないので、犬にカフェインレスコーヒーを与えるのはやめておいたほうがいいでしょう。
カフェインを含むコーヒーは危険!
今回は、カフェイン中毒があるコーヒーを犬に与えた場合、どんな症状が出るのかということを中心にお伝えしました。
どのぐらいの量のカフェインを飲むと、どんな症状が出るのかは、個体差が大きく一概に言えませんが、犬にとってカフェインを含むコーヒーはやはり危険な飲み物です。
愛犬にしんどい思いをさせたくないなら、誤飲しないように気を付けてあげましょう。