なぜ犬は遠吠えするの?8つの理由や原因、やめさせる対策は?
救急車のサイレンが聞こえてくると「ワオーン」と遠吠えしたり、留守番中に遠吠えしたりする犬が多いですよね。
一体、なぜ犬は遠吠えするのでしょうか?
今回は、犬の遠吠えの理由や原因を詳しく解説します。
また、愛犬の遠吠えの声が大きすぎて困っている飼い主さんのために、犬に遠吠えをやめさせる方法もお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。
犬が遠吠えする8つの理由や原因
それでは、まず犬が遠吠えする理由や原因について、詳しくみていきましょう。
1.他の犬が遠吠えしている
他の犬が遠吠えしている声がかすかに聞こえてくるという時も、犬は敏感に反応します。
その遠吠えの声が、例え人間の耳に届かないほど小さいものだったとしても、犬は音をキャッチして呼応しようとすることも。
遠吠えすることで、仲間とのコミュニケーションを取ろうとしているのです。
2.サイレンの音に反応
遠くから救急車や消防車のサイレンの音が聞こえてくると、例え寝ていたとしてもピクッと反応して起き上がり、「ワオーン」と遠吠えを始めてしまうというワンちゃんは多いです。
「サイレン音の周波数」が「犬の遠吠えの周波数」と近いため、反応してしまうよう。
どこか遠くで犬が鳴いていると思って、仲間の声に呼応しているつもりということですね。
3.赤ちゃんが泣くと犬が遠吠えする
赤ちゃんが泣いたときに、犬が遠吠えすることもあります。
これは、サイレン音と同じ原理で「赤ちゃんの泣き声の周波数」が「犬の遠吠えの周波数」と近いため。
また、家族の注意が赤ちゃんに向かっている場合、「こっちを見て」という意味で遠吠えすることもあります。
4.寂しさやストレスを解消するため
犬は、寂しさやストレスを解消するために、遠吠えすることがあります。
例えば、留守番ばかりであまり飼い主さんにかまってもらえない時や、狭いケージの中に入れられている時などは、遠吠えすることでストレスを発散することも。
遠吠えで、大好きな飼い主さんを呼んでいるという説もあります。
5.飼い主への要求吠え
飼い主さんにかまってほしい時、遠吠えしてしまうワンちゃんもいます。
いわゆる要求吠えと言われるものの一種です。
通常の要求吠えは「ワンワン」と激しく飼い主さんに向かって吠えるというものですが、「ワオーン」と遠吠えする場合もあるということですね。
6.嬉しいから遠吠えする
犬が遠吠えしながら尻尾を振っているような場合は、嬉しさのあまりに遠吠えしているという状況です。
嬉しくなってテンションが上がり、気持ちを抑えられなくなって思わず遠吠えしてしまうということでしょう。
7.発情期が原因
去勢手術をしていないオスが遠吠えしている時は、メス犬の発情期が原因のことも多いよう。
発情期のメス犬のにおいを嗅ぐと興奮し、遠吠えすることによってメス犬を呼ぼうとします。
また、他のオス犬に対して「ここは俺の縄張りだ」ということを主張するために遠吠えすることも。
8.認知症の場合も
10歳以上の老犬になってくると、認知症のせいで遠吠えすることがあります。
認知症は遠吠えの他に、夜鳴きやトイレの失敗、攻撃的な態度、徘徊など様々な症状が現れます。
認知症の症状は、犬が不安を感じると進みます。
できるだけ寄り添って、不安を取り除いてあげることが大切です。
遠吠えしない犬もいる?
今回は、犬の遠吠えに困っているという方を対象に、犬の遠吠えの原因や理由について解説していますが、中には「全く遠吠えしない」という犬もいます。
これは、人間と共に暮らす習慣の中で遠吠えするという本能を忘れている状態と言えます。
「うちの子、全く遠吠えしない…」と心配する必要は全くなく、まして無理やりに遠吠えの練習をさせる必要もありません。
それで精神状態が安定しているのなら大丈夫です。
犬の遠吠えにメスとオスに違いはある?
「うちの子はオスだから遠吠えが激しい」とか「メスのほうがおとなしい」などとよく聞きます。
メスとオスで犬の遠吠えに違いはあるのでしょうか?
実際は、メスでもオスでも遠吠えする子はしますし、しない子はしません。
遠吠えは個性の違いと言えますが、一つだけ性別による差が出る場面があります。
それは発情期です。
発情期に遠吠えするのはオスに限ります。
その他のサイレン音や赤ちゃんの泣き声、要求吠え、ストレスや寂しさによる遠吠えなどは、オス・メスの違いからくるものではありません。
犬の遠吠えをやめさせる対策
それでは、最後に犬の遠吠えをやめさせる対策についてみていきます。
サイレン音などに反応する遠吠え対策
サイレン音や赤ちゃんの泣き声、他の犬の遠吠えなどに反応する遠吠えは、犬の本能からくるものなので、なかなかやめさせるのは難しいとされています。
唯一できる対策として挙げられるのは、「天罰方式」という犬のしつけ方法です。
犬が遠吠えを始めたら、大きな物音を立てて犬を驚かせて吠えるのをやめさせます。
遠吠えがおさまったら、派手に褒めてあげます。
ただ、天罰方式はメリットもある反面、犬との信頼関係が崩れたり、犬が消極的になったりとデメリットも。
「どうしても遠吠えをやめさせたい」という時に、よく考えて行うようにしましょう。
ストレスや寂しさが原因の遠吠え対策
まず、犬が何に対してストレスや寂しさを感じているのかを確認し、そのストレスや寂しさを取り除いてやることが大切です。
放置しておくと精神不安を引き起こし、遠吠え以上にもっと厄介な症状が現れることも考えられます。
なるべく一緒にいられるよう工夫することはもちろんですが、一緒にいる時間のコミュニケーションの取り方も濃密になるよう意識しましょう。
「この時間はこの子と徹底的に遊ぶ」と決めて遊んだり、なるべく愛犬に話しかけたりするのがおすすめ。
要求吠えや嬉しさでの遠吠え対策
要求吠えや嬉しさのため、ハイテンションになって遠吠えしている場合は、無視するに限ります。
遠吠えしている姿に飼い主さんが応えてしまうと、犬は嬉しくなってますます遠吠えするように…。
犬が遠吠えし始めても反応しないのが一番です。
発情期の遠吠え対策
発情期のメス犬のにおいは、なんと半径2km圏内に届いてしまうそう。
そのため「発情期のメス犬に近づけないように…」といくら飼い主さんが意識しても無駄です。
オス犬がメス犬の発情期に遠吠えしてしまう場合は、去勢手術をするのが一番有効。
繁殖の目的があり、去勢できない場合は、遠吠えを無理にやめさせるのは犬にとってとても酷なことです。
認知症の遠吠え対策
認知症で遠吠えしてしまう場合も、しつけで直すのはかなり難しいです。
認知症になると昼夜が逆転してしまう子もいるので、まずは昼間に散歩に頻繁に連れ出すなど生活リズムを整えることから始めましょう。
なるべく犬に寄り添って安心させることも大切。
それでも遠吠えがヒドい場合は、動物病院で安定剤などの処方をしてもらうのも一つの手段です。
犬の遠吠えの理由や原因に合わせた対策を
今回は、犬の遠吠えにお困りの飼い主さんのために、犬の遠吠えの理由や原因を中心に、その対策まで取り上げてお伝えしました。
犬の遠吠えは、本能によるものや飼い主さんへの要求によるもの、また発情期や認知症も関わっていました。
犬の遠吠えをやめさせたいなら、それぞれの理由や原因に合わせて対策を立てることが必要です。
犬の気持ちに寄り添いながら、お互いにストレスのない生活を送れるよう、考えていきましょう。