犬はナス(茄子)を食べていい?生や皮は大丈夫?与え方や注意点を紹介
夏になると旬を迎え美味しくなるナス。
「この美味しさを愛犬にも」と考えている飼い主さんも多いのではないでしょうか?
でも、気になるのが「犬はナスを食べていいのか?」ということですよね。
そこで今回は、ナスが犬に与える影響について解説します。
夏バテ防止やポリフェノールによる抗酸化パワーのあるナスですが、実は与え方には、かなり注意が必要。
「生で食べさせてもいいのか?」「皮を与えても大丈夫?」気になるポイントをピックアップしました。
犬はナス(茄子)を食べても大丈夫?
犬は、ナスを食べても大丈夫です。
ナスには水分が多いので、夏バテ防止に適しています。
ナスだけにしか含まれない特殊な栄養素も含まれているため、栄養的なメリットもあります。
ただし、ナスには自然毒と呼ばれる中毒を起こしかねない成分が含まれているので、食べさせる量や与え方には気を付けなければなりません。
また、ナスによって引き起こされるかもしれない病気やアレルギーも気になるところです。
まだまだナスが犬にどのような影響を与えるのかは、解明されていない部分も多いところですが、リスク回避したいなら積極的に与えないほうがよい野菜と言えるでしょう。
生や皮は大丈夫?犬にナスを与える時の適量や与え方
それでは、「旬のナスを犬にも与えたい」という飼い主さんのために、犬にナスを与える時の適量や与え方についてみていきましょう。
生や皮は大丈夫なのかもチェックしてくださいね。
体重5kgの小型犬なら15g程度を目安に
犬にナスをどのぐらいまでなら与えていいのか、という研究はなされていません。
そのため、あくまで目安の数値にはなりますが、体重5kgの小型犬ならナス15g程度を目安としましょう。
長さ23cm×直径5cm程度の中ぐらいのサイズのナスの1本の重さは、だいたい150g程度ですので、10分の1が目安となります。
輪切りにカットしたナスだと2枚程度ですね。
体重10kgの中型犬なら30g程度、体重20kgの大型犬なら50g程度を目安にしましょう。
ただし、この量はあくまで目安です。
犬によって、どのぐらいのナスを食べられるのかは、個体差があります。
生まれて初めてナスを食べさせる際には、ほんの一口から始めましょう。
また、ナスには、中毒物質が少量ですが含まれています。
毎日ナスを食べさせるのはリスクが高すぎるので、旬の時期でもせいぜい週に1度程度にとどめましょう。
生はNG!細かくカットor ペースト状にして栄養豊富な皮の摂取OK
生のままだと消化しづらいため、必ず火を通したものを与えましょう。
また、皮の部分もかなり固く、筋を感じますが、実はこの皮にナスの特徴的な栄養が多く含まれています。
せっかくナスを食べさせるのなら、皮の部分を与えないのは勿体ないので、みじん切りレベルに細かく刻むか、ペースト状にして与えるといいでしょう。
また、アク抜きも短時間で済ませるのが、栄養を丸ごと摂取するポイントです。
水にさらす時間は、5分程度でOK。
犬がナスを食べるメリットや栄養効果
それでは次に、犬がナスを食べるメリットや栄養効果についてみていきましょう。
抗酸化作用に期待大のナスニン
ナスの栄養素の売りと言えば、ナスにしか含まれていないと言われている「ナスニン」と呼ばれるポリフェノールです。
ナスニンには強い抗酸化作用があり、身体の中に入ってきた活性酸素の働きをおさえ、免疫力を高め、血液をサラサラにする効果があるとされています。
その結果、抗がん作用や動脈硬化の予防、高血圧の予防など、多岐にわたる健康効果が期待できます。
ナスニンのガンをおさえる効果は、ブロッコリーよりも高いと指摘されています。
このナスニンは、ナスの皮に多く含まれています。
よって、ナスを犬に食べさせるなら、ぜひ皮も摂取させてあげたいのです。
ナスニンは熱に強く、加熱しても8割は残ります。
しっかり柔らかく煮て、ペースト状やみじん切りにしたものを与えましょう。
ナスの水分&カリウムで夏バテ防止に
「ナスは体を冷やすから、あまり犬には与えないほうがいい」という説もあります。
裏を返せば、ナスは夏バテ気味のワンちゃんにとっては水分が摂取でき、身体をクールダウンしてくれるという素晴らしい野菜ということになります。
ナスは、そのほとんどが水分でできています。
また、ナスに含まれているカリウムには、体を冷やす効果の他に利尿作用や疲労回復効果もあり、夏バテにはおすすめの栄養素です。
暑い夏、食欲が減退気味の子には、加熱した少量のナスを軽く冷やして、フードにトッピングしてあげるといいですよ。
犬にナスを与えるときの注意点!
中毒物質などの存在が気になるナス。
犬にナスを与えるときの注意点をおさえておきましょう。
葉や茎は与えない
ナスには、アルカロイドと呼ばれる自然毒が含まれています。
このアルカロイドは、特にナスの葉や茎に多く含まれているため、犬にはナスの葉・茎を与えないようにしましょう。
家庭菜園などでナスを育てている場合、愛犬が誤ってナスの葉・茎をかじらないように注意しておきましょう。
アルカロイドを大量に摂取すると、嘔吐や下痢といった中毒症状を発症することがあります。
ナスの実の部分にも、少量のアルカロイドは含まれていますが、実際に、犬がナスを食べて中毒症状を起こしたという例はありません。
ただし、大量にナスを食べた場合は、どんな反応が起こるか分かりませんので、注意しましょう。
食べ過ぎると消化不良で下痢や嘔吐に
ナスには、犬が消化を苦手とする食物繊維も含まれています。
そのため、大量にナスを食べると、消化不良を起こして下痢や嘔吐といった症状に苦しむ可能性があります。
ただし、犬がどのぐらいの量の食物繊維を消化できるのかは、個体差があります。
同じ体重の犬でも、ナス1本を食べてケロリとしている子もいれば、ナス1口で嘔吐してしまう子もいます。
愛犬がどのぐらいの量のナスを食べられるのかは、実際に食べさせてみないと分かりません。
生まれて初めてナスを食べさせる場合は、ごく少量から様子をみましょう。
アレルギーの可能性
ナスは、アレルギーを起こす可能性がある野菜です。
特に、すでにトマトやピーマン、ジャガイモなどのナス科の野菜にアレルギーがある場合、ナスでもアレルギーが起こる可能性があります。
また、ナスはスギ花粉との交差反応が認められるため、スギ花粉アレルギーがある犬も要注意です。
今、何のアレルギーがない犬でも、いつアレルギーを発症するかは分かりません。
念のため、生まれて初めてナスを食べさせる場合には、ごく少量から始めましょう。
皮膚や目、耳のかゆみや赤み、嘔吐や下痢といった症状がみられたら、アレルギー反応かもしれません。
すぐに動物病院を受診しましょう。
関節炎の犬には与えない方がいい?
「関節炎の犬には、ナスを与えないこと」という情報が特にインターネット上で出回っています。
ナスのアルカロイドが関節の修復機能を阻害したり、炎症を起こしたりするという説です。
この情報は正しくもあり、また間違ってもいます。
というのも、この説を提唱している学者(アメリカのチルダー博士)はいるものの、その根拠があいまいであり、まだ完全に立証されている説ではないからです。
そのため、多くの獣医師や専門家たちの間では、懐疑的な意見も多く出されています。
ただ、チルダー博士によると、実際にナス科の植物を食べないようにして関節炎が改善されたという報告がいくつかあるとのこと。
現在のところは、「もしかしたら、ナスが関節炎に影響しているかもしれない」ということしか言えません。
ナスは、必ずしも犬にとって必要な食べ物ではありません。
よって、リスク回避という考え方なら、関節炎を持つ犬にはナスを与えないほうがいいでしょう。
※参照:THE NIGHTSHADES AND HEALTH
【まとめ】あえてナスを犬に食べさせてなくてもいい!
今回は、犬がナスを食べていいのかということを中心にお伝えしました。
ナスには、自然毒のアルカロイドが少量含まれています。
ナスを食べたからといって、すぐに中毒症状を起こすことはありませんが、長期的な摂取により犬の身体にどのような影響を与えるのか、まだ充分には解明されていません。
もし、ナスを犬に食べさせるのなら、上記でお伝えした与え方や与える量を厳守してください。
ナスには魅力的な栄養素が含まれていますが、似たような効果を得たいなら、他の野菜でも充分代用可能です。
リスクをおかしてまで、あえて、ナスを犬に食べさせなくてもいいのではないかと思います。
ナスの他にも!生で食べたらダメな野菜とは?