犬は酢が嫌い?酢を与えても大丈夫?適量や与え方などの注意点
人間にとっては身近な調味料である酢。
酢は、疲労回復効果や血糖値を下げる効果などがあり、健康的な生活にも欠かせない存在ですよね。
「酢が嫌い」という犬は多いようですが、健康効果の高い酢を犬にも与えたいと思う方も多いかもしれませんね。
でも…ちょっと待ってください!
そもそも犬と人間とでは、必要な栄養素が全く違います。
果たして犬へ積極的に酢を食べさせてもいいのでしょうか?
食べさせるとしたら、どのぐらいの量までならOKなのかも気になりますね。
今回は、犬と酢の関係について解説します。
犬に酢を与えても大丈夫?
酢の中には、犬にとって有害な物質は含まれませんので、犬が酢を食べたとしても慌てる必要はありません。
実際、犬が酢を食べたことによる健康被害も今のところは例がないため、安心して大丈夫です。
ただし、積極的に犬に酢を食べさせるとなると話は別。
酢を得意とする犬は少なく、また酢は犬にとって健康効果のある食材とは言えません。
酢を食べさせるのではなく、「しつけ」や「皮膚の清浄」など、別の目的や方法で犬に使用するのがおすすめですよ。
犬は酢のニオイが嫌い?
犬は人間よりも、はるかに優れた嗅覚(きゅうかく)を持っています。
犬はニオイに対して、とても敏感です。
ニオイの中には、犬が好きなものと嫌いなものとがあります。
犬が好きなニオイは、肉や糞(ふん)、血液、体液など。
逆に、刺激の強いニオイは苦手とします。
つまり、酢のニオイも苦手ということ。
酢には、ツンとした刺激臭があり、人間でも「苦手」という方もいますよね。
犬の場合、このツンとした刺激臭をより強く感じてしまい、苦手とする子が多いようです。
ただ、これも個体差があります。
中には「酢大好き」というワンちゃんもいるようですよ。
犬に酢を与えるときの適量と与え方
犬は酢を苦手とする子が多いため、自らガブガブと酢を飲むということは考えづらいです。
また、犬が酢を食べることによるメリットもないため、あえて犬に酢を食べさせる必要はありません。
そのため、犬に酢を与えるときの適量は公に存在しません。
どうしても食べさせてみたい場合は、飲み水などに数滴(1ml程度)を垂らして与えてみてください。
犬に酢を積極的に与えるという例はほとんどないため、この量が適量かどうかは不明ですが、おそらくこのぐらいの量なら健康被害は起こらないと考えられます。
犬が酢を食べるメリットや栄養効果
犬が酢を食べるメリットや栄養効果はあるのでしょうか?
確認しておきましょう。
犬が酢を食べるメリット&栄養効果はなし!
犬が酢を食べるメリットや栄養効果は、ほぼないと言えます。
しかし、例えば飲み水に酢を数滴混ぜた場合、酢には殺菌効果があるため、飲み水が腐りにくくなるというメリットはあるかもしれません。
ただし、飲み水に酢を混ぜることによって、酢のニオイがつくため、酢のニオイを嫌う犬は、逆に水を飲まなくなってしまう可能性もあります。
また実際には、相当量の酢を使わないと殺菌効果は得られないことから、飲み水に酢を混ぜる意味はあまりないと考えたほうが適当です。
薄めてスプレー!皮膚を清浄に保つ効果はあり
犬が酢を食べるメリットはほとんどありませんし、実際に犬に酢を食べさせるのはニオイの問題により、かなり難しいものです。
しかし、食べさせるのではなく、犬の皮膚の清浄を保つために酢を活用するということはできます。
犬がニオイを嫌う酢ですが、このニオイはノミやダニを遠ざける効果があります。
酢を水で薄めたスプレーを犬の皮膚にふきかけておくと、ノミ・ダニ防止になりますよ。
また、酢の殺菌効果を利用して、耳の清浄剤とすることも。
ただし、耳にすでに炎症がある場合は、刺激が強すぎるため使用しないようにしましょう。
さらに、シャンプー後のリンス剤として薄めた酢を利用する方法も。
黒酢やリンゴ酢などは犬に与えていい?
酢には黒酢やリンゴ酢など、いろいろな種類がありますが、どの種類の酢も犬に食べさせる必要はありません。
「穀物酢ではなく、リンゴ酢なら健康に良いのでは?」と考えて、たまに犬に飲ませているという方もいるかもしれませんが、それはあまり意味のない行為と言えます。
犬は酢を食べられるけど注意点が!
犬にとって健康効果ゼロの酢ですが、毒性もないため、犬は酢を食べられると言えます。
ただ、犬が酢を食べた場合、いくつか注意する点があります。
確認しておきましょう。
与え過ぎに注意
犬は酢のニオイを嫌うため、「食べ過ぎる」ということは本当にまれだとは思います。
しかし、万が一、誤って酢を食べ過ぎた場合は、犬の体調に変化がないかよく見守るようにしてください。
酢には塩分や糖分も含まれていますので、大量に摂取した場合は、何らかの健康被害が出る可能性もあります。
アレルギーの可能性
犬が酢を食べたことによって、アレルギーを起こす可能性もゼロではありません。
実際、酢を食べる犬はほとんどいないため、アレルギーが起きたというデータは存在しません。
しかし、アレルギーはどんな食材でも起こる可能性があります。
酢を食べた後、皮膚や耳をかゆがったり、目が充血したり、下痢・嘔吐(おうと)などの症状が出て元気がなくなった場合は、すぐに動物病院を受診してください。
アレルギーは摂取後、時間が経ってから出る場合もありますので、1週間は油断せず見守ってくださいね。
犬は酢飯を食べてもいい?
犬は酢を嫌いなはずなのに、なぜか飼い主さんが寿司を食べていたら、ものほしそうに見つめてくる…というワンちゃんも多いようですね。
酢飯には、酢以外にも砂糖や塩など調味料が多く使われています。
特に糖分は、犬がしっかりと味覚を感じられるので、「酢飯好き」という犬もいるようです。
また、ごはんの食感や味も好きというワンちゃんも少なくないよう。
酢飯は犬にとってかなりカロリーが高く、栄養成分としてみても炭水化物なので、おすすめできる食材ではありません。
しかし、「間違って酢飯を食べてしまった」という場合は、犬に大きな健康被害が出ることは少ないため、それほど心配しなくても大丈夫です。
犬のしつけに酢水スプレーは効果的?
犬の「酢のニオイが嫌い」という特性を利用して、犬のしつけに酢水スプレーを使うという方法もあります。
酢水スプレーのしつけ方法は、以下のようなものです。
- 犬に噛まれたくない家具などに酢水スプレーしておく
- 禁止行動を犬がした場合、「シーッ」などの声と同時に酢水スプレーを犬の頭上にふきかける
まず、犬に噛まれたくない家具に酢水スプレーする方法は、あまり効果がないかもしれません。
なぜなら酢は、時間とともにニオイが蒸散してしまうからです。
禁止行動を犬がしたときに声と同時にスプレーするのは、ある程度の効果があると言えます。
しかし、飼い主さんがスプレーするのを犬に見られると、信頼関係を損なうことになりかねません。
また賢い犬の場合、毎回スプレーがくるわけではないとわかると、問題行動が矯正されない可能性が高いでしょう。
ちなみに、酢水スプレーは薄めていたとしてもかなり刺激があるため、誤って犬の目に入った場合、かなり痛がることが想像されます。
スプレーでのしつけをしたいなら、専用のしつけスプレーを購入し、安全に行えるようにすることをおすすめします。
また、できればスプレーに頼らず、まずは飼い主さんとの信頼関係をしっかりと構築し、飼い主さんの言うことを聞く犬に育てる努力をしましょう。
やり方が分からないなら、専門のドッグトレーナーや獣医師などに相談するといいですよ。
まとめ:犬に酢を食べさせる必要なし!
今回は、健康に良いと言われる酢を犬にも食べさせて大丈夫なのか、そして犬が酢を食べることによる健康効果はあるのかということを中心にお伝えしました。
犬は酢を食べても大丈夫ですが、あえて犬に酢を食べさせる必要はありません。
愛犬が健康的な生活を送れるよう、飼い主さんが正しい知識を持つことが大切ですね。