犬のいびきの原因や対策、病気に注意!いびきのような息は大丈夫?
どこからともなく「ゴォーゴォー」「グーグー」という音が聞こえてきて「うるさいな~何事?」と思ったら、犬のいびきだったという経験をしたことのある飼い主さんも多いのではないでしょうか。
犬がいびきをかいて眠っている姿は、とてもかわいいものですが、実はいびきには病気が隠れている可能性もあり、単純に「かわいい」とばかり言っていられません。
今回は、「愛犬のいびきがちょっと心配」という飼い主さんのために、犬のいびきの原因や対策を徹底解説します。
また、犬が起きているときにたまにする「フガフガ」「フゴフゴ」といったいびきのような息についても説明していますので、参考にしてくださいね。
うるさい?かわいい?なぜ犬はいびきをかく?
犬がいびきをかいて眠っている様子をかわいいと言えるうちはいいですが、あまりにいびきがヒドイともうそれは騒音。
体の具合も心配になりますね。
なぜ、犬はいびきをかくのでしょうか?
犬がいびきをかくメカニズムは、人間とほぼ同じ。
鼻や口から吸いこんだ空気が肺に送られる際に、気道に何らかの障害があって音(いびき)が鳴ります。
いびきをかくのは、生まれつきの体質だったり、犬種による差であったり、生活習慣による体型のためであったりします。
また、空気がキレイではないなどの生活環境や、病気によってもいびきをかくことも。
「放っておいても大丈夫ないびき」と、「治療が必要ないびき」とがありますので、しっかりと原因を突き止めることが大切です。
犬のいびきの原因
それではここからは、犬のいびきの原因について細かくみていきましょう。
太っている
間違った生活習慣のため太っている場合、いびきをかきやすい体質になります。
太っていると吸い込んだ空気の通り道である気道にも脂肪がついてしまい、狭くなってしまうからです。
空気が狭い気道を通り抜ける際に、気道の周囲の粘膜が振動し、いびきが起こります。
病気ではありませんが、このまま肥満状態が続くと呼吸をしづらい状態となるため、対策が必要です。
空気が汚れている
タバコの煙やハウスダスト、花粉、ホコリなどで部屋の空気が汚れている場合、犬も鼻水を出して体を防御しようとします。
その鼻水が鼻に詰まって、いびきを引き起こすことがあります。
特にアレルギーをもっているワンちゃんの場合は、なるべく部屋の空気をキレイに保つ工夫が必要です。
薬の副作用
筋肉をゆるめるような薬を飲んでいる場合、薬の副作用でもいびきをかきやすくなることがあります。
痛み止めや精神安定剤などがその例です。
薬を処方されたときに、必ず獣医師から説明があると思いますので、注意事項をよく聞いて経過観察をしっかりとして、慌てないようにしましょう。
異物の誤飲・誤食
犬は、何でも口にしたがります。
注意しなければならない異物の誤飲・誤食は、いびきという症状となって知らせてくれることもあります。
特に、いびきをかく習慣のない愛犬が、急に苦しそうにいびきをかきはじめた場合は、即動物病院へ連れていきましょう。
いびきをかきやすい犬種
生まれつきいびきをかきやすい犬種があります。
まずは、鼻が短い短頭種と呼ばれる、パグやフレンチブルドッグ、シーズーなど。
こちらの犬種は、空気の通り道である鼻道が細く曲がっており、さらに軟口蓋(なんこうがい)という「鼻」と「のど」の間のひだが長いため、気道がふさがれて呼吸しづらい体質なのです。
他にも、大型犬のゴールデンレトリーバーやラブラドールレトリーバー、トイ種のトイプードルやチワワなども、軟口蓋が大きすぎたり長すぎたりすることによって、いびきが出やすい犬種となります。
病気が原因のいびきもある
犬がいびきをかく時、注意しなければならないいびきもあります。
「グーグー」という小さないびきで頻繁にいびきをかくわけではないなら、心配いりません。
しかし、「音が大きすぎるいびき」や「苦しそうにしているいびき」などは病気の可能性もあるため、何らかの対応が必要になる場合も。
いびきがヒドイ場合の代表的な病気は、軟口蓋が極端に長い軟口蓋過長症(なんこうがいかちょうしょう)やアレルギーが原因の鼻炎、気管がつぶれてしまう気管虚脱(きかんきょだつ)、心臓の病気である弁膜症などがあげられます。
また、呼吸が止まる病気の睡眠時無呼吸症候群の犬もいるので注意してください。
犬のいびき対策
それでは、具体的に犬のいびき対策をみていきましょう。
気道を確保しやすい姿勢に直してあげる
もし、愛犬がある決まった姿勢で寝ている時にいびきがヒドくなるようなら、その姿勢を避けて眠れるようサポートしてあげてください。
気道を確保するのが基本です。
また、首の下にタオルを敷いてあげたり、犬用の枕を使ったりするのもおすすめ。
枕があると、意外と静かに眠れる子もいます。
室内の空気をキレイに保つ
室内の空気をキレイに保つことも、愛犬のいびきを減らす有効な手段です。
愛犬が過ごす部屋に、空気清浄機をつけるなど対策しましょう。
特に、アレルギーをもっているワンちゃんの場合は、室内の空気をキレイに保つことは大事。
もちろん部屋の掃除もきちんとして、ホコリと無縁の生活を。
適性体重にする
太り過ぎもいびきの原因になります。
適性体重になるよう頑張りましょう。
フードのカロリー管理はもちろんのこと、オヤツもあげすぎないよう気を付けます。
ダイエットには、運動も欠かせません。
散歩の距離を伸ばしたり、回数を増やしたりして、少しでも適正体重に近づけるようにします。
いびきがヒドイようなら動物病院へ
上記の対策をとっても
- 一向にいびきが改善されないという場合
- ある日、突然ヒドイいびきをかくようになったという場合
- いびきをかいている時に、とても苦しそうという場合
は病気の可能性が高いでしょう。
迷わず動物病院へ。
いずれも、手術や薬物療法など何らかの対応を必要とします。
「いびきぐらいで…」と思わず、必ず動物病院を受診し、診断してもらいましょう。
いびきをかいて眠っている時の様子を動画撮影しておくと、獣医さんに症状を伝えやすいのでおすすめです。
犬の「いびきのような息」は大丈夫?
いびきは犬が寝ている時にかくものですが、犬が起きている時にも「いびきのような息」を吐いて飼い主さんを驚かせることがあります。
「ブヒブヒ」「フガフガ」というような呼吸が続く場合は、よく様子を観察しておいてください。
いびきのような息の原因は様々です。
まず、特に問題がないとされるのは、「逆くしゃみ」と呼ばれる現象。
鼻と口から一気に息を吸い込んでしまい、しばらく続きますが、病気ではありません。
そのうち症状が自然におさまります。
苦しそうなら犬の鼻をつまんで口呼吸に戻したり、犬ののどや胸などをさすってあげたりしてもいいでしょう。
逆に心配なのが気管虚脱。
気管が変形してしまい、独特のいびきのような呼吸になり、呼吸困難を起こすことも。
気管虚脱は早急に獣医師に診せる必要があります。
逆くしゃみと気管虚脱の初期症状は、かなり似ており、判別がつきにくいことも。
「おかしい」と感じたら、すぐに動物病院を受診するのがおすすめです。
犬のいびきを侮ってはダメ!一度は動物病院へ
今回は、愛犬のいびきが心配という飼い主さんのために、犬のいびきの原因や対策をお伝えしました。
犬のいびきは見ていてとてもかわいいものですが、意外と病気が隠れていることも多く、侮れません。
「うるさい~!」と思うほど大きないびきをかく場合は、ぜひ一度動物病院を受診してください。
もし、何も病気が見つからなかったとしても、獣医師さんはきっと愛犬のいびきを軽くする対処法を教えてくれます。
愛犬が健やかに過ごせるよう、できることをしてあげましょう。