犬は枝豆を食べられる!皮・さやは大丈夫?適量や与える際の注意点
夏になると旬をむかえる枝豆。
美味しいだけでなく栄養豊富で調理も簡単ということで、お酒のおつまみとしても人気ですね。
そんな枝豆を「愛犬にも食べさせてあげたい」と考えている飼い主さんも多いのではないでしょうか?
そこで今回は、愛犬に枝豆を食べさせてあげたいと考えている飼い主さんのために、犬が枝豆を食べる際の注意点を確認していきたいと思います。
そもそも犬は、枝豆を食べられるのかということや、枝豆についている「皮」や「さや」を与えても大丈夫なのかということ、さらに、どのぐらいの量なら犬に与えてもいいのかということまで徹底網羅します。
犬は枝豆を食べられる!
まず、犬が枝豆を食べられるのか、ということについて。
枝豆は、大豆を未成熟な状態で収穫したものです。
分類上、大豆は豆類ですが、枝豆は野菜になります。
枝豆には、犬にとって有毒な物質は含まれていませんので、犬が枝豆を食べても大丈夫です。
ただし、与え方や与える量によっては、消化不良を起こしたりすることも。
また、アレルギーの心配も考えられます。
犬に枝豆の皮・さやは与えて大丈夫?
枝豆を犬に与える際に気になるのは、枝豆を覆っている「皮」や「さや」。
まず、枝豆の皮は非常に硬く、食物繊維も多いため、犬にとって消化吸収しにくい素材となります。
また、皮には農薬が残留している可能性も否定できません。
例え、よく茹でたとしてもなかなか柔らかくはならず、農薬も除去できませんので、犬に枝豆の皮を与えるのはやめておきましょう。
また、枝豆のさやは、皮よりは薄く柔らかいと言えますが、消化器官が丈夫ではない犬には、皮同様に除去して与えたほうが無難です。
お腹が丈夫という犬になら、少量のさやを与えるのは害にはならないでしょう。
適量は?愛犬への枝豆の与え方
それでは、愛犬にどのぐらいの量までなら枝豆を与えてもいいのでしょうか?
ドッグフードを主食としている犬の場合、枝豆はおやつになります。
おやつとして与えていい量は、1日の摂取カロリーの2割ほどと言われています。
カロリーだけを考えるなら、例えば体重5kgの犬なら50粒ほど与えても大丈夫ということになりますが、枝豆には多くの食物繊維が含まれていることを考慮しないといけません。
摂取しすぎると消化不良を起こす可能性があるということを考えると、体重5kgの犬なら10~15粒程度におさえておく方がいいでしょう。
さらに、消化のしやすさということを考えると、茹でた枝豆を粒のまま与えるのではなく、細かく刻んだり、すりつぶしてペースト状にしたりするのがオススメです。
犬が枝豆を食べるメリットや栄養効果
それでは、犬が枝豆を食べるメリットや栄養効果について詳しくみていきましょう。
良質な植物性タンパク質で体づくりサポート
枝豆は野菜ですが、いずれ大豆になる食物です。
大豆ほどではありませんが、枝豆にも植物性タンパク質が豊富に含まれています。
そのバランスは素晴らしく、成長や生命維持に必要だけど体内で合成されない必須アミノ酸が全て含まれていて、良質なタンパク源と言えるでしょう。
犬は、タンパク質をエネルギー源としていて、筋肉や皮膚、骨などをつくる素ともなります。
ただし、もともと犬が消化吸収を得意とするのは、動物性タンパク質です。
枝豆にタンパク質が含まれるからといって、決してメイン栄養源にはなりませんので、ご注意ください。
枝豆は野菜!大豆より豊富なビタミンで体の酸化防止
枝豆は大豆と違って、野菜に分類されています。
いわば、大豆のような豆類の良さと、野菜の良さを兼ね備えた食べ物と言えます。
例えば、ビタミンCは大豆の約9倍含まれています。
犬は、自分でビタミンCを生成できるため不要という意見もありますが、体の調子が思わしくない時や老犬などには外からビタミンCを補ってあげることも大切と言われています。
また、大豆には含まれていないβカロテンも枝豆には含まれています。
βカロテンは、とにかく抗酸化作用が強い栄養素として知られています。
がんを抑制したり、老化を防止したりと、免疫力をあげるのに大活躍する栄養素です。
ビタミンCとセットでよく働く栄養素なので、枝豆は体の酸化をおさえる食べ物として期待できますね。
血糖値の上昇をおさえる「ピニトール」
大豆や枝豆に含まれている「ピニトール」という成分が、血糖値の上昇をおさえる働きがあるということが確認されています。
ピニトールは、インスリンの感受性を高める働きをする物質なので、「植物性インスリン様物質」と呼ばれています。
ピニトールを摂取することによって、インスリンが正常に働くようになるというわけです。
犬は枝豆を食べても大丈夫だけど注意点が!
犬は枝豆を食べても大丈夫ですが、いくつか注意点があります。
確認していきましょう。
生で与えない
生の枝豆を与えないようにしましょう。
生の枝豆には「トリプシンインヒビター」というタンパク質の消化を阻害する物質や、「赤血球凝集素(せっけっきゅうぎょうしゅうそ)」という血液を凝固させる成分が含まれています。
犬はタンパク質を栄養源としているため、消化吸収が阻害されると危険です。
また、血液が固まってしまうと、血栓ができるなど生命に関わることも。
これらの有害な成分は、茹でることによってほぼ消滅します。
塩ゆでしない
犬にドッグフード以外の食べ物を与える時には、塩分量に気を付けなければなりません。
塩分は、犬にとっても必要な成分ですが、摂取しすぎると腎臓や心臓に負担がかかってしまいます。
人間にとってちょうどよい塩加減にゆでた枝豆は、犬にとっては塩分が多すぎます。
犬に枝豆を与える場合は、塩を加えずに茹でましょう。
大豆アレルギーの可能性も
枝豆は、成熟すると大豆になります。
大豆アレルギーを持つワンちゃんが枝豆を食べた場合、大豆同様にアレルギーを起こす可能性が高いでしょう。
アレルギーの一般的な症状は、皮膚のかゆみや炎症、耳のかゆみ、目の充血、嘔吐(おうと)や下痢などです。
枝豆を食べてこれらの症状がみられた場合は、大豆アレルギーの可能性があるため、すぐに動物病院を受診しましょう。
食べ過ぎると消化不良に!下痢や嘔吐の危険性
枝豆にも食物繊維が含まれています。
100gの枝豆に5gほどの食物繊維が含まれいて、大豆に比べると約3分の1程度ではありますが、ごぼうの食物繊維の割合とほぼ同じです。
枝豆は、食品の中では、比較的食物繊維が多いと言えます。
犬は、食物繊維を消化するのが苦手です。
そのため、食べ過ぎると消化不良を起こし、下痢や嘔吐を引き起こしてしまう可能性も。
犬に枝豆を食べさせる時は、食べさせすぎないことが大切です。
枝豆の加工品は与えない
犬に枝豆を与えるなら、スーパーマーケット等の野菜売り場で販売されている枝付きか、もしくは、カット済みの枝豆を使いましょう。
一年中販売されている便利な冷凍枝豆も使えないことはありませんが、そのままではダメです。
冷凍枝豆には、塩分が添加されています。
塩分を気にするなら、できるだけ塩分を流してから犬に与えましょう。
冷水に1~2時間ほど浸しておけば、多少は塩分が抜けます。
ちなみに、枝豆豆腐やずんだもちなどの加工品は、犬の健康を考えるとNGな食材と言えます。
中毒を起こすというわけではありませんが、添加物や糖分など気になる成分がたくさん含まれています。
犬には、枝豆の加工品を与えないようにしましょう。
貧血気味の犬には与えない
枝豆の成分の中で盲点になりがちなのが、「グリシニン」です。
グリシニンは、鉄の吸収を阻害する成分。
適量を健康な犬に食べさせるぶんには、グリシニンの影響を考える必要はありませんが、今現在、貧血に悩んでいる犬や鉄剤を処方されている犬に枝豆を与えるのは、やめておいた方が無難でしょう。
ちなみに、グリシニンは大豆にも含まれていますので、大豆も同様に貧血気味の犬には与えないようにしましょう。
犬の肉球から枝豆の匂いがする?
最後に枝豆に関する余談を一つ!
犬の肉球は、独特の匂いがしますね。
犬の肉球の匂いを嗅ぐのが好き!という飼い主さんは多いようです。
そして、その肉球から「枝豆の匂いがする」という情報がSNS上に多数投稿されています。
また、枝豆の匂いとともに多いのが「ポップコーンの匂いがする」という投稿。
どうも、ポップコーン派と枝豆派の大きく2派に分かれるようです。
ちなみに、犬の肉球にはエクリン腺という汗腺(かんせ)が存在しますが、エクリン腺からはサラッとした汗が出るため、基本的に嫌な臭いを発することはありません。
では、この独特の匂いはどこからくるのかというと、やはり汗と雑菌などが混ざり合って芳香しているのではないかとのこと。
夏場や梅雨時などジメジメと暑い季節になると、より匂いが強くなるそう。
みなさんの愛犬の肉球は、枝豆派?それともポップコーン派?ぜひ嗅いでみてくださいね。
まとめ:枝豆は与え方に気を付ければ良質なおやつに
今回は、犬に枝豆を与える際の注意点を中心にお伝えしました。
犬は枝豆を食べられますが、「皮」や「さや」は消化吸収しにくいので取り除き、必ず加熱することが大切です。
塩ゆでせず、お湯だけで茹でて、細かくつぶしたものを少量だけフードにトッピングするなどして食べさせましょう。
枝豆は、与え方に気を付ければ、良質なおやつとなります。
ただし、貧血気味の犬やアレルギーの子には与えないのが鉄則。
気になるようなら、かかりつけの獣医さんに相談してみてくださいね。