犬はそら豆を食べていい?薄皮は大丈夫?適量や与え方の注意点
春に旬を迎えるそら豆。
焼いても湯がいても美味しいですよね。
ビールのおつまみにもピッタリ!
そら豆を愛犬にも、ぜひ味わってもらいたいと考えている飼い主さんも多いと思います。
でも、「そら豆には、中毒を起こす成分もある」という情報もあり、犬がそら豆を食べていいのか、悩みますよね。
そこで今回は、犬にそら豆を与えても大丈夫なのか、徹底調査しました。
中毒の情報は本当なのか、また、そら豆の薄皮は食べさせてもいいのか、与えるとしたら適切な量はどのぐらいなのかなど、検証しますよ。
中毒の危険性は?犬はそら豆を食べても大丈夫?
「そら豆中毒の危険性があるから、犬にもそら豆を与えてはダメ」という話を聞いたことがある!という飼い主さんもいらっしゃると思います。
実は、そら豆中毒は、犬に関することではなく、そら豆の原産地域と言われているアフリカや中央アジアなどの人に多い病気。
これらの人々に、そら豆中毒が多い理由は、はっきりしておらず、いくつかの要因があげられています。
まず1つ目は、そら豆の大量摂取が原因というもの。
そら豆の原産地域では、そら豆が安く大量に出回っているため、準主食としてたくさんの量を摂取しています。
つまり、そら豆を大量に摂取しすぎると、そら豆中毒を起こす可能性があるということです。
2つ目は、アフリカや中央アジアの人々は、そら豆で中毒を起こす特殊な遺伝子を持っているという説です。
日本人における、そら豆中毒の報告例はあまりありません。
3つ目は、そら豆自体の質が違うという説。
地域によって中毒物質の含有量が違うため、特定の地域のみでそら豆中毒が発生しているのではないか、ということですね。
では、犬にそら豆を与えるのはどうかという問題ですが、犬に1粒、2粒のそら豆を与えたとしても、そら豆中毒になる可能性は極めて低いと考えます。
原料にこだわったプレミアムドッグフードの中には、そら豆を5%配合しているものもあります。
実際、犬がそら豆中毒を起こしたという例はないため、与える量を守れば、気にする必要はないでしょう。
薄皮やさやは?そら豆を犬に与える時の適量や与え方
それでは、そら豆を犬に与える時の適量や与え方についてみていきましょう。
そら豆の薄皮やさやも与えていいのか、確認していきますよ。
体重5kgの犬なら小さめ1粒=3g程度を目安に
そら豆をどのぐらいの量までなら犬に与えていいのか、迷いますよね。
そら豆は比較的カロリーが高いため、ドッグフードを主食としている犬には、オヤツ程度に与えるようにしましょう。
例えば、体重5kgの小型犬なら、小さめのそら豆1粒(約3g)が目安となります。
そら豆1粒でも、約10キロカロリーほどになります。
体重10kgの中型犬なら2粒程度、体重20kgの大型犬なら3~4粒を目安としましょう。
そら豆の薄皮やさやはダメ!
そら豆の薄皮やさやには、実の部分よりも多くの食物繊維が含まれています。
犬は、食物繊維の消化が苦手なことが多いため、薄皮もさやも与えない方がいいでしょう。
特に、さやは固く、消化不良を起こす可能性が高いため、絶対に与えないようにしましょう。
もし、犬が誤ってそら豆のさやを食べてしまった場合は、下痢や嘔吐(おうと)などの症状が出ないか、体調を見守ります。
少しでも異変があれば、すぐに動物病院を受診しましょう。
茹でたそら豆を細かく刻むこと
そら豆を犬に与える場合は、必ず茹でましょう。
茹でることによって柔らかくなるので、消化しやすくなります。
また、そら豆を丸ごと与えてしまうと、喉(のど)に詰まらせてしまう子もいます。
できれば、みじん切りレベルに細かくカットしましょう。
ペースト状にしてあげるのもいいですね。
犬がそら豆を食べるメリットや栄養効果
それでは次に、犬がそら豆を食べるメリットや栄養効果についてみていきましょう。
そら豆にはエネルギー源となる植物性タンパク質が豊富
実は、そら豆にはエネルギー源となる植物性タンパク質が豊富に含まれています。
そら豆100g中に含まれるタンパク質量は、約26gです。
このタンパク質量は、豆類の中で「畑のお肉」と呼ばれる大豆に次いで多く、犬にとってはエネルギー源や身体づくりに役立ちます。
身体の機能を正常に保つために必要なビタミンB群や葉酸が豊富
そら豆には、身体の機能を正常に保つのに欠かせないビタミンB群や葉酸も豊富に含まれています。
神経機能を維持し、疲労回復効果が期待できるビタミンB1や、発育には欠かせないと言われているビタミンB2は注目すべき成分ですね。
また、赤血球を作る役割に貢献する葉酸も豊富。
身体のバランスを整えるミネラル類も豊富
そら豆は、身体のバランスを整えるミネラル類も豊富です。
血液の運搬に関わる鉄や、被毛(ひもう)の美しさにも関わる銅、デトックス効果が期待できるカリウム、栄養の代謝に大きく関わるマンガンなど、その種類も実に多彩。
どれも欠乏すると身体の調子が悪くなる成分ばかりなので、そら豆を食べることで補えるといいですね。
犬はそら豆を食べていいけど注意点が!
犬は、そら豆を食べても構いませんが、注意点がいくつかあります。
確認していきましょう。
生で与えない
そら豆は、食物繊維が含まれているため、生のままだとかなり固く、犬にとっては消化しづらく、下痢や嘔吐を引き起こす可能性があります。
犬にそら豆を与える場合は、必ず加熱しましょう。
加熱することで、ふっくらと柔らかくなり、食べやすくなると同時に、カットもしやすくなりますよ。
塩ゆでや味付けしない
そら豆を調理する際に、味付けしないようにしましょう。
塩ゆでしてしまうと、塩分がそら豆にもかなり入るので、犬にとっては塩分過多となります。
塩分を摂取しすぎると、腎臓や心臓に負担がかかって病気のもとに。
面倒ですが、犬用のそら豆は、人間用とは別に茹でるようにしましょう。
与えすぎると消化不良で下痢や嘔吐に
そら豆には、犬が消化を苦手とする食物繊維が含まれています。
そのため、与え過ぎると消化不良を起こして、嘔吐や下痢といった症状を引き起こす可能性があります。
また、そら豆の与え過ぎは、中毒の危険性も。
上記でお伝えした犬の体重別の適量(体重5kgの犬なら小さめ1粒)を守って、決して与え過ぎないようにしましょう。
アレルギーの可能性
そら豆を犬に与える習慣は、ほとんどないという方が多いと思います。
そのため、そら豆には、アレルゲンとなるタンパク質が豊富に含まれてはいますが、そら豆アレルギーにかかっていない犬は多いと言われています。
ただ、そら豆の旬の時期に毎日のようにそら豆を食べさせたりすれば、そら豆アレルギーを発症する可能性があります。
特に、大豆などの豆製品に既にアレルギーがある犬や、その他の食材で何らかのアレルギーを持っている犬の場合には、そら豆を与える際にも注意が必要。
あまり頻繁に、そら豆を与えるのはやめましょう。
また,皮膚や目、耳などをかゆがったり、下痢や嘔吐といった症状が出たりした場合は、アレルギーかもしれません。
すぐに動物病院を受診しましょう。
結石の犬には与えない
近年、尿結石を患う犬は増えています。
尿結石にかかると、原因となるリンやマグネシウムの摂取量を控えるよう指導が入ります。
そら豆には、リンが豊富に含まれているため、結石の犬に与えることはできません。
尿結石を患ってしまったワンちゃんには、基本的に療法食のみを与えるようにしましょう。
愛犬に与えるそら豆の選び方
それでは最後に、愛犬に与えるそら豆の選び方をお伝えします。
そら豆は、4~6月が旬です。
旬の時期には、スーパーマーケットにたくさんのそら豆が並びます。
その中でも、さやの色が鮮やかな緑色で艶やかなものを選びましょう。
茶色くなっているものは、鮮度が落ちています。
また、表面の産毛があるものの方が新鮮です。
さやの外から見たときに、豆の形がはっきりとしていて、手に持った時にずしりと重みのあるものがおすすめです。
ちなみに、さやから出して販売しているものは、鮮度の劣化が早いため、あまりおすすめしません。
さやから豆を出す作業は、多少面倒くさいものですが、美味しさは格段に上。
また、そら豆は鮮度が劣化するのが、とても速い食材です。
購入後は、2~3日程度で食べきるようにしましょう。
そら豆は中毒の心配はないものの、積極的に与える必要はない食材
今回は、そら豆を犬が食べてもいいのか、ということを特集しました。
1粒程度なら、そら豆で中毒を起こす可能性はほぼないと考えられますが、アレルギーの心配もあるため、そら豆はあえて与える必要はない食材と言えます。
旬のそら豆を愛犬にも味わってもらいたいなら、薄皮を取ってよく加熱して、細かく刻んだものを与えてみましょう。
量は、1粒程度を目安にしてくださいね。